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作品紹介#2『Time and , Flowers and people』

作品タイトル「Time and , Flowers and people」(作:平等 菜々理)

作品解説

花は身近な存在であるがゆえに、人々は一般的な関心しかもたず、「綺麗」「力強い」「儚い」といった一般的な感想として消化される。私はそこに疑問を持っていた。実際には瞬間の状態ではなく、時間の経過と物質がもたらす変化の過程こそが重要であると考えるからだ。この作品では、写真を劣化させ、目に映ることのない時間の経過と物質の瞬間の状態、異なる二つの時間を共存させ、花の本質を模索することを目的としている。

文化芸術・アートへの想い

知識を得るために本を読むように、何かを得るためにアートに関わり、制作を始めました。それは新しい知識を得ることや気分転換の時間を持つことであったり、多くの人が芸術鑑賞に求めていることと一緒だと思います。得られるものの中にはポジティブなものだけでなくネガティブなものもありますが、それも含めて新しい見方ができるところが、アートの魅力であると私は思います。

作者プロフィール

平等 菜々理
1999年 大阪生まれ
2015年 大阪市立工芸高等学校 映像デザイン科 入学
2018年 大阪市立工芸高等学校 映像デザイン科 卒業
2018年 京都芸術大学 (旧 京都造形芸術大学)
​    美術工芸学科 写真・映像コース 入学 卒業予定
主な実績
2022年 京都芸術大学 卒業展 大学院修了展
2021年 Contemporary Art Fair at HANKYU LUX - Game Changer -
2021年 写真は変成するmutant[s] on post photography
2021年 旅と文学

過去実績

「創造する遺伝子」
自身が双子であるというコンプレックスと向き合うために制作

「旅と文学」
本から本へと文学作品を旅し、作品を制作。作品制作出発点の本は、安部工房「カンガルーノート」。


あとがき

花ほど人間によって都合よく利用されてきたモチーフもない。それゆえの表象の困難を承知しつつも、
花を美の象徴としての安易な消費から救い出し、時間の経過による変化とともに肯定しようとしたこの作品は、
その果敢さだけではなく繊細さにおいて際立っている。そこから投げかけられる問いは、花という
領域を超え、美の表象をめぐるより普遍的な響きを帯びている。

美術工芸学科 学科長 竹内万里子


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