いろんな家族があって、いいじゃない?
パリの街を歩くと、
子供をたくさん見かける。
パリの好きなところの一つだ。
東京にいた時は、
こんなにたくさんの子供に
遭遇した記憶がない。
公園はあったけれど、
子供が遊んでいるというより、
ベンチで休んでいる
サラリーマンがちらほら。
ガラーンとした印象だった。
フランスで子供が日本より多いのは、
おそらく、女性が働きやすいことや、
養育手当が充実していることなど
いろいろな理由があると思う。
そして、私の住むマレ地区では
とても新鮮で、
素敵な親子たちをよく見かける。
2人のパパ、つまりゲイカップルが
子供を育てているのだ。
これについては、賛否両論かもしれない。
でも、私が見る限り、
本当に幸せそうで、
その人たちの周りはキラキラしている。
大事な友人の一人で、
養子縁組が決まるまでの数ヶ月間、
赤ちゃんを預かる仕事をしている女性がいる。
今まで何十組と養子縁組をしてきたが、
その中でもゲイカップルの家族は
頻繁に彼女に近況をくれたり、
ビデオを送ってくれたりしているそうだ。
「もし、引き取ってくれる両親が
見つからなかったらどうするの?」
私のその質問に、
「それはありえないわ。
たくさんの人が順番を待ってるから」
私は心の底から、
血の繋がりとは関係ない
深い愛情を信じているので、
その答えを聞いて、すごく嬉しかった。
昨年の本格的なロックダウンの最中、
私達は、よくビデオアペロ(ビデオ飲み会)をした。
預かっていた赤ちゃんは、
最初は画面の私が見えなかったのに、
数ヶ月後には、画面越しの私に
笑うようになった。
私はどんどん成長していく
赤ちゃんにビデオで会うのが
楽しみだった。
夏に彼女の家を訪ねた日、
新しいママとパパが
その赤ちゃんを迎えに来た。
数ヶ月の間、
愛情たっぷりに育てた赤ちゃんが
去っていってしまう寂しさと、
新しい家族ができた嬉しさで、
友人は一日中、
泣きっぱなしだった。
私も一緒に涙した。
その晩、友人の娘さんがやってきた。
娘さんのパートナー、そして、
彼が離婚した女性との間の
3歳になる男の子も一緒に。
ヴァカンスの間、パパと過ごすのだ。
もちろん、友人の娘さんも一緒に
3人で過ごす。
男の子は、娘さんに抱っこされ、
まとわりついて、何度もキスをしている。
私は、その光景にキュンとなった。
人間も家族も、百人百様。
普通なんて無い。
どの人と関わるかは、人それぞれ。
みんな、それを経験しに来たのだ。
なんて素敵なんだろう。
私はほぼ毎日、公園に行く。
子供たちを見てるだけで、
ハートの辺りが
あったかくなる。
よく考えると、
ついこの間まで宇宙にいたのは
子供たち。
泣いて、笑って、また泣いて。
ケンカしても5分後には
また遊んでいる。
翌日まで、怒っていることなんてない。
私も、子供みたいに生きようっと!
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