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シン・エヴァンゲリオンの感想。

2021年7月に書いたものです。

シンエヴァンゲリオンを見てきた。
直前まで閃光のハサウェイとどちらを見るか悩んだが、映画を見る機会はもうあまりないと思うとエヴァンゲリオンを見るか。
ということで見てきた。

エヴァを本腰入れて見始めたのは高校卒業した18歳か19歳の頃だったと思う。

思春期?の私にとってはとてもグッときて、意味不明な内容の考察、解説を見て納得することが大変楽しい作業であった。
ちょうど破が公開された後だったと思う。
そしてようやく劇場で見たのがQ。あれだけ待たせてこんな中途半端なところで終わるのか!?
と少々怒りを覚えた。次の公開なんて遥か先に思えていたのだが、その日がやってきた。

正直公開されたと聞いても見に行こうという気が起きなかった。
そしてまずタイトルが、シンエヴァンゲリオンということも知らなかった。
てっきりエヴァンゲリオン:◯みたいなものかと思っていた。

私は歳をとりエヴァンゲリオンはもう熱を帯びるコンテンツではなくなっていたのだ。

どうでもいいかー。もう劇場で終わりを見なくてもいいかー。そんな気分だった。

そんな中、庵野監督のプロフェッショナルをみた。仕事へ取り組み方というか、職人のようなこだわりを感じて、あぁ、ものづくりの現場とはこうも妥協を許さないものなのかと、感動したものだった。

こんな優秀なスタッフ達が集まって作り上げたシンエヴァンゲリオンという作品。
面白いんだろうな〜。とぼんやり思った。
しかし前述した通り万障繰り合わせてまで行こうとは思わなかった。
子供もいる、仕事もしている。映画なんて二の次、三の次、四の次..

そんななか、主人と休みが合った。
子供達は幼稚園。
映画行く?そうなり本日を迎えたのだ。

主人は私以上にエヴァが好きであったと思う。私より多くのエヴァコンテンツを消費している。
そんな彼もまた加齢と共にエヴァンゲリオンに対する興味は薄れていた。

けれども視聴したのは、
あの頃好きだったエヴァンゲリオンをあの頃の自分のために見てあげよう。
という気持ちと、

先述した通り優秀なスタッフ達で作ったエヴァを見てみたい。

そんなことから鑑賞するとにした。

独身時代はよく映画に行ったものだが
家庭を持ってから映画=高級品。惜しんでしまう出費のひとつとなっていた。
サブスクで映画なんていくらでも観れる時代だ。わざわざ劇場で見るメリットとは..?

チケット購入に及んでもそんな鑑賞に対して否定的な気持ちがあった。

しかし、席につき本編が始まると、
あぁ、劇場に来て良かったな。と心から思った。

これまでのエヴァンゲリオンと、
序盤の戦闘シーン
タイトルバックまでの十数分間、これを劇場で見れたことにチケット代以上の価値を見出した。

プロフェッショナルで何回もやり直されてたシーンだよなぁ。

これから先内容が失速しようと、ここを見れただけで大満足だ。そう思った。

そうして長い長い上映が終わり、シンエヴァンゲリオンに抱いた感想から自分自身この数年で変化したんだな、と感じた。

あの頃は難解な設定を考察することや、カヲルくんというキャラクターの一挙一動に心ときめくことが個人的にエヴァンゲリオンの醍醐味だった。

そして保守的な考えなので破で出てきたマリに対して、不必要なキャラクターでは?と全く魅力を感じていなかった。
惣流が式波になったことにも疑問だった。


ところが今回マリがとても好きになった。
明るい、強い、その存在だけでこの暗い物語が持ち堪えている気がした。

同時にミサトさんにも大変感情移入してしまった。
母になったからだろうか、ツバメのシーンやユイとシンジのシーン、ミサトさんのシーンに心揺さぶれられた。

最期はヴィレビジュアルのミサトさんではなく、髪をおろし帽子を脱いだ、ネルフのミサトさんになったのが胸熱な展開であった。

そしてあんなに好きだったカヲルくんが登場したシーンだが、もはや不要に感じた。

なんとなくスターウォーズのスカイウォーカーの夜明けを見た気持ちになった。

あぁ、終わるんだエヴァンゲリオンが。と。
待ってる人のためか監督自身のけじめのためか、よく分からないが、終わるためのお別れをしているんだな、と。

だから帰宅して考察サイトを見るのはやめようと上映中に思った。
分からなくていいんだ、と。
ただただ感じれば良いんだエヴァンゲリオンを。

エンドロールはもう宇多田ヒカルの曲を聴く時間であった。
日本にこんな女性歌手がいるのは誇るべきことだ、ワンフレーズで宇多田ヒカル!と分かるのにどの曲も新鮮で惹きつけられる。

そしつ終劇の文字と©️カラーのエフェクト
劇場は明転した。

...見にきて良かったな。そう思った。

心地よい満足感に包まれながら、主人に目を移すと
「近年稀に見る駄作だ。」と不満気にぼやいていたのだった。
私と主人いつもは感性が似ていて、特に映画で意見が割れることはないのだが、
これはエヴァへの思い入れが主人の方が強いからだろうか。酷評であった。

鑑賞者特典のポスターはマリとカヲルくんだった。
昔の私ならハズレと当たりじゃん!
と思っていたが、今の私にとっては当たりと当たりであった。

ありがとうエヴァンゲリオン
さようなら、エヴァンゲリオン
さよなら、私の青春時代
ありがとう、全てのチルドレン



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