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「政府」より「企業」には期待する

ユニクロがマスクの発売を開始する。
フェイスブックが中小店舗に通販機能を提供する。
ツイッター創業者が資産の4分の1以上を寄付する。

昨今のコロナウイルスを受けて企業は社会的責任を果たそうとする動きが活発になっています。上記はその一例で、その他にも多数の企業が世の中に貢献しようと努力しています。そして、我々はそんな企業に期待しています

企業には期待する一方、国や政府はどうでしょうか。


我々は国や政府に対して期待しているでしょうか?


「期待している」と答える人は少ないでしょう。

それは内閣支持率の推移を見ても、(正解とは思わないですが、)1つの国民の考えとして捉えることができます。どれだけ努力しても、どれだけ正しい行いをしても、国に期待する人は爆発的に増加することは決してありません。


▼なぜ政府に期待しないのか?

今回のコロナ騒動だけでなく、世の中には地球規模の問題が山ほどあります。環境問題、人権問題、貧富の差など。我々はそれらの問題について、企業に強い要求をします。「環境を配慮した商品を作るべき」「人権を損害している」「下請けに任せると貧富の差を生むだけだ」と。

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しかし、政府や国に対しては強い要求をしません。「政府は環境をもっと配慮しろ」「政府は人権を守らないといけない」なんて言葉を聞くことはほとんどありませんよね。企業の行為が目立つということもあるかもしれませんが、単純にそれだけの理由ではありません。

我々が国や政府に強い要求をしないのは、彼らに期待していないからです。

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▼政府に期待していた時代

政府に期待しなくなったのはなぜか?

それは歴史を振り返れば分かります。かつて政府に期待していた時代は確かに存在していました。1900年ごろ、イギリスに暮らす人々は皆、フェビアン主義に共感しました。一部の資本家だけが豊かになる資本主義に反発して、労働者も皆豊かになるべきだとする考えは世の中に広がりました。また、ドイツでも社会民主主義を支持する声が高まりました。ドイツ国内でも皆が豊かになる世界を求めて政府に期待していました。このように19世紀末、人々は政府に期待していました。

しかし、人々はその期待が間違いだったと気づきます。

「こうすれば豊かになる」
「この政党が実現すれば皆が幸せになる」

政府が作り出した広告を信じ支援したにも関わらず、いつまでたっても実現しない。政府は心地よい言葉を与えましたが、それを実現しようとしませんでした。人々は政府に騙されていたことに気づきます。やがて、人々は政府に失望し、政府に期待することをやめました。


▼(政府よりも)企業に期待するようになる

政府に期待せずとも、人々の生活は豊かになります。

機能的な製品が発売され、美味しい食事を摂り、快適な暮らしをできる。豊かになっている原因を探った時に見えてきたのは「企業」でした。企業が新製品を開発し、企業が美味しい食事を提供し、企業がより質の高い生活を提供していたのです。

「企業が私たちの暮らしを豊かにしてくれる」

そう気づいた人々は企業に対して期待するようになります。やがてそれは厳しい要求へと変化します。政府への期待がなくなった分、相対的に企業へ期待するようになったのです。


▼企業がルールを決めるべき

ドラッカーは人々の考えがこのように変わったと言います。

かつては、社会の価値と信条、個人とその自由、よき社会を損なうことなく、いかにして自動車や靴をつくるかが問題だった。これに対して新しい要求は、企業こそ社会の価値と信条を形成し、個人の自由を実現し、よき社会をつくれという。

かつて、人々はこう考えていました。

「企業は政府が作る社会の上で行動すべきだ。政府が素晴らしい世の中を作ってくれるんだから、そこを阻害してはいけない。企業はあくまで政府が作るルールの下で成果をあげるべきだ。」

しかし、政府に期待しても無駄だと知った人々はこう考えます。

「企業こそ社会を作るべきだ。企業が生み出す価値観こそより良い世の中につながる。政府よりも企業に任せた方が良い」

人々は企業を後押しします。
それは、企業は意識を大きく変えました。

企業は政府主体の既存の考えに囚われることなく、新しい考えを持って行動するようになります。今までのルール自体を覆すような革新的な製品やサービスが生まれたのもこのためです。

皮肉にも、政府が凋落したことが、企業の躍進につながったのです。

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▼まとめます

人々は企業に多くの期待と要求をします。企業が多くの成功を収めたことはもちろんですが、加えて政府が人々からの期待を失ってしまったことが大きいです。

「国に期待しても何も解決しない」

この考えが広まることで、相対的に企業への評価向上につながったのです。



▼時代は移り変わるもの。今は企業の評価が高いけど・・・

「諸行無常」世の中に絶対残り続けるものはないし、すべてのものは常に変化し続けます。今は企業の評価が高いことは間違いありません。けど、この流れがずっと続くはずがないこともまた真実だと思います。

評価されたものはいずれ評価されなくなります。

企業に変わり個人が評価される時代が来るかもしれません。というよりも既にその流れは来ているように感じます。メンタリストDaiGoさんや堀江貴文さんは個人として一企業を超えるほどの影響力を保持しています。

「個人が環境問題を解決してほしい」

そんな声が聞こえてくる時代も近いかもしれません。


ここまで読んでいただきありがとうございました。




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