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無意識バイアスを最小限に

人はなぜ偏見をもって人を見、偏見を持って判断するのか。
 
それはひとことで言えば、身の安全、そして種の持続のため。


生きるための瞬発力

人類の何百万年にもわたる長い歴史の中で、気候変動により樹上生活から草原での生活を余儀なくされた先祖たち。
 
敵の首筋に突き立てる鋭い牙も俊敏な脚力も、空を飛ぶ力もない非力な先祖たちは、身を隠すものも少ない環境であらゆる猛獣の脅威にさらされました。
 
草陰に潜み、チャンスをうかがう猛獣の気配をいち早く察しなるべく早く危険回避の行動を起こすには、素早い情報判断が必要です。
 
瞬時の判断を求められるときに、判断材料を揃え客観的・論理的に考えている時間的ゆとりはありません。
 
また、脳の情報処理能力という限られた資源の観点から言うと、情報のうち意識的に対応できているのは1パーセント程度で、99%の情報は無意識的に処理されていることも分かってきています。
 
このような状況で大量の情報を素早く効率よく処理するために、少ない経験や知識を根拠にしたショートカットを行う必要に迫られました。
 
これが「偏見」の源です。
 
脳のリソースの大部分を占める無意識の思考パターンには自動的、受動的、直観的という特色が。

これはそのまま偏見の弱点にも結びつきます。
 
その為、スピードの代償として誤判断がどうしても伴うのです。

偏見予防のコツ

経営コンサルタントのパク・スクッチャはその著書「アンコンシャス・バイアス」(ICE、2021年)の中で、無意識の偏見を最小限にする6つの方法をまとめています。

  1. 自分が偏見を持っていると認める
    私たちは自分は偏見を持っていないと思いがちだがそれは誤りであり、偏見を持っていることを自覚する。

    先にも述べたように、人類が偏見を持っているのは理由のある事であり、他人同様自分も偏見持ちであることを認めることです。

  2.  思い込みを疑う
    何か判断を下したとき、「そこに偏見はなかったか」を自問する。

  3.  根拠をもって判断する
    直観に頼らず、情報や観察結果に基づき事実に基づいた知識を求め、判断する。

    直観の大切さを殊更に強調する人がいます。

    いや、直観も有用なことはありますよ。

    例えば己の道を決める時。

    「自分はこれが好きだなぁ」というのは論理じゃないでしょう。

    伝統芸能に触れて「これだ!」とビビッと感じ、その道に進むなんてのはよくあること。

    本質的に好きなものにはやはり魅入られますね。その感覚分かります。

    でも他人の人となりをビビッと判断するのはリスキーに過ぎます。

  4. 言葉遣いに気を付ける
    「○○人は△△だからな」などと、ある属性を一括りにした議論には注意。

    くくり方が大きいほど偏見がありがち。

  5.  受容する
    人と接する時、特に異なるタイプ(世代、性別、人種など)の人と接する時、「受け入れる」意識を持つ。

  6. 自分へのバイアスを解く
    自分自身の能力を、自分の自覚している属性、若いからとか英語ができないからとかせっかちだからとか、に従って過小評価し、結果としてチャンスを自ら逃すことがあります。

いやあどれもこれも、私自身身につまされることばかり。
 
言葉遣いでは、知らず知らず人を傷つけていることあまたあり。
 
あなたはどうでしたか?

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