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こんなレースを待っていた!!オリパラ混合リレー

デュアルインザプール
オーストラリアで開催されたユニークな大会を紹介しよう。

2022年の8月19日〜21日にデュアル・インザプールで行われたアメリカとオーストラリアのバトル形式の大会である。

国のポイント総得点で争われ、オリンピック選手やパラリンピック選手、さらにレジェンド(グランドハケット元選手など)が勢揃いしていた大会であった。

種目としては、50m×6 フリーリレー(1男子, 2女子)という3名が2回ずつ泳ぐリレーや、50m×3回泳ぐSkinsレースという1回目、2回目とレストが数分の中で速く泳いだ選手が最終3回目まで勝ち上がりレースを行うなど、ユニークなレースが印象的であった。

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その中でも特にパラ水泳会にとっては革命的なレースが開催された。

それは、マルチクラス・健常 混合50m×4フリーリレーである。2人がパラ選手、2人がオリ選手、男女の混合のリレーであり、今大会で新たに取り入れられた種目として注目されていた。

オーストラリアチーム
1. Emma McKeon
2. Will Martin
3. Ellie Cole
4. Grayson Bell

アメリカチーム
1. Amy Fulmer
2. Jamal Hill
3. Lizzi Smith
4. David Curtiss

第2泳者、第3泳者にパラ選手がエントリーしている。
オーストラリアはS9 の片大腿切断のEllie Cole選手、脳卒中で視覚、手の障害のあるWill Martin選手、一方アメリカはS9 の片上肢欠損のLizzi Smith選手、S9の右半身麻痺のJamal Hill選手であった。

全員2020東京パラリンピックで活躍した選手ばかりである。

まずは、第1泳者のオーストラリアEmma McKeon選手がリードし、Will Martinに引き継いだ。その後、東京パラで50m銅メダルを獲得した実力のあるJamal Hill選手がオーストラリアに追い付き、アメリカ・オーストラリアが同時にスタートした。Lizzi Smith選手は、Ellie Cole選手に1秒ほどの差をつけDavid Curtiss選手に引継ぎ、結果的にアメリカがオーストラリアに2秒差で勝利した。

リレーメンバーであった今大会前に引退を宣言していたEllie Cole選手は、とEmma McKeon選手ともにリレーを泳ぐことができた経験について喜びを伝えていた。

インクルーシブな大会という観点からはとても魅力的な取り組みであったのではないだろうか。

最終的に、全体ではアメリカの勝利で終わった。
勝ち負けだけではなく、誰もが水泳大会にお祭りとして参加している、そんな雰囲気のあるオリンピック・パラリンピックとは違った良い大会であった。


参加する選手や観客にオリパラ関係なく水泳そのものの楽しさを感じさせ、その影響によってオリパラ混合で行われる大会が今後増えることが期待できるかもしれない。

パラリンピック界にとって大きな一歩だと言える出来事であった。

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編集長

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