(一休み)マイナー宗派や滅んだ宗教のトランスジェンダー観を調べること
サウジやアズハルやイランの発する、スンナ派やシーア派のファトワーは、世界のムスリムの考え方に大きな影響を与えます。
スリランカやタイやミャンマーのお坊さんによるテーラワーダの教説は、上座部仏教国の法制度にも影響を与えます。
高野山や創価学会による公式見解は、回りまわって日本人の倫理観にも影響を及ぼすでしょう。
そういう意味で、そうした「メジャー」な宗教宗派の考え方(内在的論理)を理解するのは、大きな意味があるといえます。それに則って生活する人が多いからです。
一方で、チベット仏教のマイナー宗派や、中世イスラームの哲学・スーフィズムの考え方を理解しても、それに則って生活する人が少ないという意味で、価値が乏しくなります。それがたとえ優れた考え方であってもです。
結局のところ、部分(→たとえば、トランスジェンダーについてどう考えているか)の優劣も重要ではありますが、それを含んだ宗教や教えの社会的影響力・位置づけも考える必要がありそうです。
そこが「思想研究」の難しいところかとも思います。
世の中に影響を与えない思想は、「机上の空論」で終わってしまいます。
⋯とはいえ、「こういう考え方もある」と掘り起こすこともまた、意味のあることだと信じたいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?