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1123号 偶然でもいいんです

パピーいしがみです。

さて、今日ご紹介するのは5歳の娘さん、3歳の娘さんがいらっしゃるユーユさんです。

ご相談の内容は5歳の娘さんがすごく意地悪で、3歳の妹さんがおとなしく一人で遊んでいるのに、その遊びを邪魔したり、おもちゃを取り上げたり、

着れなくなった服でさえも「私が昔来てた服、私のだから着ないで!」と言ったり、いちいち因縁をつけたり嫌がらせをする。

妹さんに「〇〇を取ってきて」と命令することがあったり、妹さんが「イヤ」と言えば、「じゃあもう遊んであげない」と脅し、妹さんが大声で泣きわめく・・・。

そんな毎日を繰り返しているそうです。

あまりにも姉が意地悪で口を出さずにいられない。この姉の意地悪を何とかしたいが、方法はないものでしょうか?とのご相談でした。

でも、生まれながらにして意地悪な子なんていません。なので私はこのようにお返事しました。

ココから・・・

ユーユさん、こんにちは。メール拝見しました。

お姉さんが妹さんに対してとても意地悪だとありましたね。

きっと妹さんも大声で泣き叫ぶので、その声にもイライラしてしまうのでしょうね。

ご相談のメインが「姉の意地悪を何とかしたい」との事でしたが、いくつか教えてほしいことがあります。

まず最初の質問ですが、

妹さんが生まれる前、お姉さんは意地悪なお子さんでしたか?お母さんとの関係は悪かったですか?

そして二番目の質問。

妹さんが生まれた後、お姉さんを叱ることが増えていませんか?

最後の三番目の質問ですが、

お姉さんへの「褒める」と「叱る」の割合と、妹さんへの「褒める」と「叱る」の割合を教えてください。

きっと長女さんの意地悪には理由があると思いますし、それは原因を取り除けば治って行くと思います。

まずは上記の3つの質問にお返事くださいますか?改めてご連絡させて頂きます。

ココまで・・・

なぜこの3つの質問をしたか?というと、基本的に私は根っから意地悪な子はいないと思っていますし、

お姉さんが意地悪になった背景には、お母さんの変化があったからではないかな?と感じたからでした。

ユーユさんからのお返事はこうでした。

ココから・・・

3つのご質問、ありがとうございました。昔の事をじっくり思い返す、よい時間になりました。

まず一番の質問。妹が生まれる前、姉は意地悪だったか?母との関係は悪かったか?ですが、

姉は気の強いところ、自分が嫌だと思ったら曲げない部分(そこは私とそっくりです)はありましたが、とても良く笑う子で、

同じぐらいの年齢のお子さんとも楽しく遊べて、決して意地悪ではありませんでした。

そして「パパよりママが好き」と言ってくれて、いつも私のそばを離れない子でした。

本当にかわいくて「あなたは良い子ね。可愛いね」って口癖のように言っていました。

その頃の写真を見返すと、いつも笑顔で、私と一緒に自撮りした写真が多いです。

「溺愛」という言葉がありますが、こんなに溺愛していると、二人目の子が愛せるかしら?と心配でもありました。

「ママ~」と甘えられることが「私を必要としてくれる」と感じ、どこに行っても「可愛いね」「お母さんと仲良しね」って言ってもらえました。

そして二つ目の質問と三つ目の質問ですが・・・

二、妹が生まれた後、姉を叱ることが増えていないか?ですが、

妹が生まれてから、姉を叱る事・・・とても増えました。

いえ、正直にお話しすると、増えたどころじゃありません、叱る事しかしていなかったと思います。はたから見れば憎しみを持っていたように感じたかもしれません。

主人からも「もっと優しくしてあげられないの?」と言われ、私がキレて「じゃあ、アナタが可愛がってあげればいいでしょ!」と捨て台詞を吐いたこともあります。

(忘れていましたが思い出すと何度かありました)

妹は小さいころから泣き声が大きくて、なかなか眠ってくれなくて、オムツで起され、授乳で起され、その都度しばらく抱っこしながら眠るのを待ち、

「やっと眠った」とそっと布団に戻そうとすると、背中にスイッチがあるのかと思うぐらい、パチッと目を開けて、又大声で泣き出す。

それが連日繰り返されて、私は極度の睡眠不足でへとへと。ですからいつもイライラしていました。

そんな中、姉が「ママと一緒に〇〇する~」とか、「歯磨きして~」とか「着替えられない~」なんて言ってきて、

「いい加減にして」「ママが大変なのわかるでしょ」「やめて!」と真剣に怒ったり、と突き放していました。

ちょっとの時間を見つけてソファーで寝ていると「ママ~大丈夫?」と聞いてきたりした時も、

「休んでいるんだから寝かせてよ!声掛けないで!!」って怒っていました。思い返せばとても自分勝手ですが、いちいちまとわりついてくる長女がとても嫌でした。

今、考えるとひどいですよね。妹が生まれたとたんに豹変する母親。これじゃあ姉は卑屈になるはずですね。

そして三つ目のご質問。

姉への「褒める」と「叱る」の割合と、妹への「褒める」と「叱る」の割合ですが、

妹は年齢が小さいこともあり、できなかったことができるようになると嬉しくて「すごい、できたね♪」とか、

「頑張ったからだね♪」なんて(長女には掛けない)満面の笑みで褒める事が出来ています。

割合は「褒める=8、叱る=2」ぐらいでしょうか?

そして姉は、私が妹を褒めるとイヤそうな顔をして「そんなの私だってできる」などと言うのでカチンと来て「当たり前じゃん、もう5歳なんだから!」と言ってしまいます。

割合は「褒める=1以下(0とは怖くて言えません)、叱る=9以上」だと思います。

こうやってじっくり考えてみると明確ですよね。悪いのは私なんですね。いくら妹に手がかかったとしても、私の態度は絶対に良くなかったと思います。

姉の方も褒めてあげたいとは思います。でも褒められるような事もしないし、いつも不機嫌でトラブルを起こす長女を褒めるって、ご機嫌取りみたいで私ができないのです。

自業自得ですよね。自分でこんな状態にしておいて解決策をお聞きするのはあまりにも図々しいとは思います。

今の私に何か手立てはあるのでしょうか?もう手遅れなのでしょうか?

ココまで・・・

とこんなお返事でした。あ、やっぱり・・・。と思いながらも、もともとはユーユさんはちゃんと長女さんを大事にしてくださっていたし、

その時に長女さんはとてもいい子だった、と聞けて安心しました。

そしてユーユさんにこんな風にお返事しました。

ココから・・・

ユーユさん、正直なお返事ありがとうございます。

「自業自得」とありましたが、まだまだ長女さんは5歳。これから変わってくれると思います。

そしてお返事を聞いて何よりうれしかったのが、妹さんが生まれるまで、ちゃんと長女さんを大事にしてくださったこと。

たくさんの愛情で包んでくださっていた過去がある事です。

ユーユさんの言葉にこうありましたね。

「溺愛」という言葉がありますが、こんなに溺愛していると、二人目の子が愛せるかしら?と心配だった・・・って。

だとしたら、長女さんの意地悪は次第に収まっていくと思います。

もうユーユさんは気づいておられると思いますが、次女さんが生まれて長女さんの環境は大きく変わりましたね。

今までと同じようにお母さんに甘えても、極度の睡眠不足とイライラで、ユーユさんもそんな甘えに応じてあげる事ができなかったのでしょう。

疲れて横になっている時に起されたりしたら、それが心配しての行為だったとしても「頼むから放っておいて!」「お願いだから休ませて!」と思います。

それも極限状態だったら「声掛けないで!!」ってついつい大きな声で言っちゃう・・・。その気持ちすごく良くわかります。

ただ、やはり長女さんは妹さんが生まれた事で、環境が大きく変わり、愛情を一身に受けていた状態から、お母さんの関心が妹さんに向かってしまい、

自分はどんなに甘えても、それにこたえてもらえない。妹は自分よりたくさんの愛情を受けて、自分はいつも叱られる。

そう感じるようになったら、やっぱり妹さんに対し敵対心を持つようにもなります。

でもこれは2人目が生まれた時に、起こりやすい事で、上のお子さんの感受性が強ければ強いほど顕著に表れます。

ですからあまりご自分を責めたり「自業自得」だとは思わないでください。

そしてユーユさんの場合も、改善する可能性は十分にあると私は思います。

一つには、(先にも言いましたが)過去にはちゃんと愛情を掛けてよい関係を作られていた、という事。

そして妹さんを褒めると、長女さんが「そんなの私だってできる」と口にしている事。

これって本当は長女さん、ユーユさんから褒めてほしい、認めてほしいんです。

妹と同じように笑顔でほめてほしいし「あなたは大事な子だよ」と昔のようにラブラブな関係に戻りたいのです。

ただ、すでに5歳にもなっていますから、プライドもありますし、自分が折れたりお母さんに気に入られようとする事ができないんですね。

だから嫌味を言ったり、妹さんに意地悪したり、お母さんに口答えをしてしまいます。(又、それがお母さんを怒らせます)

こういう子の場合、妹とは違った視点で褒めてあげてほしいのです。

例えば、本当に偶然。100回に1回でもいいですから、たまたま下の子と仲良く遊ぶことがあったら、それを見逃さず「〇〇ちゃんと遊んでくれてるの?ありがとう」とか、

偶然でも助かったことがあったら、「ありがとう。助かるな~」みたいな言葉を掛けてほしいのですね。

褒めるのは難しくても「ありがとう」は言えますよね♪

この「下の子と遊んでくれる」や「お母さんを助ける」って、下の子にはできないことです。お姉ちゃんだけの特権なんですね。

もちろん幼稚園で褒められたり、友達のケンカを仲裁したり・・・など、幼稚園や先生からの情報でも結構です。

「幼稚園で、友達のケンカの仲裁をしてあげたんだってね」でもいいんです。

たまたまの偶然であっても、それを見逃さない、スルーしないであげてほしいのです。

すると「あ、お母さんは、こういう事がうれしいんだな」という事がわかって、子供は今度はそれ(褒められるような事)を自分からやり始めるのです。

もう5歳ですと妹と同じような事で褒められるのは違う、って分かっています。ですからただ褒めるのではなく、「お姉ちゃんだからこそできる事」を見てあげてほしいのです。

もちろん最初からは難しいと思いますし、今まであまり褒めていないと突然褒めるのは違和感もあります。

ですからお母さんのリハビリを兼ねながら「偶然の褒めるチャンスを見つける」ことをしてほしいんですね。

今まで「褒めるは0に近い」と言われていた今の状態から、いきなり3割・5割にすることは難しいと思いますから、まずは目標は1割にしましょう。

そしてそれが「褒める」でなくても「見てあげる(知っている)の意思表示」だけでも、必ず娘さんに変化が現れると思います。

まずはそこを目指してみてください。そして変化が起きたらご連絡くださいますか?次のステップをお話しします。

ココまで・・・

このお返事をしてから約1ヵ月ぐらい。

ユーユさんには偶然でもいいから褒めるチャンスを見つける事。たくさん褒めるのではなく1割で良いから「お姉ちゃんだからこそできること」を見逃さない事をお願いしました。

そうしたら少しだけ、表情が柔和になってきた、とお返事を頂きました。

なので、次のステップをお話ししました。こんな内容です。

ココから・・・

ユーユさん、長女さんに変化が表れているようですね。うれしく思います。

やっぱり長女さん、お母さんから褒めてもらえることを待っていたんですね♪

それでは次のステップをお話しします。

前回は「“偶然”で良いから“お姉ちゃんだからできる”を見てあげる(知っている意思表示)」をお願いしましたね。

今度は、それを妹さんの前で「お姉ちゃんはこんな事ができるんだよ」と妹さんに分かるように褒めてあげてほしいのです。

実はこれって妹さんに言っていますが、長女さんの自尊心をくするぐることなんです。

例えば、まだ妹さんがお風呂で頭を洗えないのなら「お姉ちゃんはもう一人で洗えるよ、あなたも頑張ろうね♪」とか、

食事中に下の子がまだ箸が使えない様なら「お姉ちゃんのお箸の使い方を見てごらん。きれいだね?」とか。

洗濯ものをたたんでくれたりするのなら「お姉ちゃんが手伝ってくれるからお母さんすごく助かるな~」など、

わざと妹さんの前でそれを話すことで、長女さんに「妹よりもできる事をお母さんは知ってるよ」

「ちゃんとあなたの良いところを見ているよ」と“分かってる”って教える為なんですね。

これが長女さんの自尊心に働きかけるのです。

「できて当然」と思われるかもしれませんが、「当然」と思う事でもできない子、しない子は沢山います。

そしてこの方法の良いところはもう一つ。長女さんを面と向かって褒めなくていい、というところです。

今まで叱り続けていた場合、お母さんからすると自分の態度を変える事に抵抗があると思います。又、わざとらしくも思いますよね。

でも、下の子に話しかけるようにすれば、お母さんもわざとらしさを感じずに、自然とお姉ちゃんの耳に届ける事ができます。

わざとらしく褒めない事に、その言葉が「お母さんの本心」であるように感じるのです。

お姉ちゃんとしては「あ、お母さん、こんな風に思っていてくれたんだな」と分かると、直接褒めるよりもずっと印象に残るんですね。

そして娘さんから近づいて来たら、その時はそれを受け止めて、抱っこをしたり、甘えさせてあげたりしてください。

甘えを受け止めてあげる事で長女さんは安心しますし、お母さんとの距離がもっと近くなりますから。

そうなった時、意地悪な長女さんは変化し始めているはずです♪

ココまで・・・

こんな風にお返事したユーユさん。実際にやってみてどうなったか?を教えてくださいました。

ココから・・・

パピーさんから3つの質問を頂いた時、自分が今の長女を作ってしまったんだ・・・最低の母親じゃん、って落ち込んでいましたが、

「妹が生まれるまで、ちゃんと長女をたくさんの愛情で包んでいた」と書いてくださり、涙が出ました。

それに「まだまだ長女さんは5歳。これから変わってくれると思います」とお返事を頂いて、これから頑張ろう!という気持ちにさせてもらいました。

それまでは「この子には褒めるところなんてない」と思っていました。

でも「100回に1回でもいいから偶然を見つける」と言われて、それならできるかも・・・と私の見方が変わりました。

又、今まではたまたまの事や偶然に起きた事って褒める事ではないと思っていましたが、

そのたまたまや偶然を褒める事が、子供に「これがお母さんが喜ぶことだ」って教える、と聞いて、そういう事か・・・と目から鱗でした。

次のステップの「妹の前で褒める」も、姉を褒め慣れていない私にとって、とても良いやり方で抵抗なくできました。

「偶然を見つけて伝える」「直接褒めなくてもいい」を続けていると、今まで不機嫌そうだった長女の表情は本当に変わってきて、

妹だけが独占していた私の膝に「私も座りたい」と言ってきたり、幼稚園の出来事などを話してくれたので、

これがパピーさんの言われていた「近づいてきた時」なんだな、と思って、

私もできるだけ笑顔で「いいよ。膝においで」とか「お話聞かせて」と素直に受け止めるようにしました。

そうやって長女との会話が増えてきた時「お母さん、おんぶしてもいい?」と言うので、私が座って長女が背中に乗り、まるで赤ちゃんのようにおんぶをしました。

娘はおとなしく背負わされていましたが、実は背中で泣いていて、私の服を濡らすほどでした。

それを見て「ああ、こんなに我慢させていたんだ」「相当辛かったんだろうな」「もうこんな思いはさせない!」」と強く思いました。

その後は、意地悪な言動は本当に減りました。

もちろんケンカをすることはありますし、その時は口を出さないように注意していますが、

姉からのあからさまな言いがかりや、理不尽なちょっかいは無くなって、一緒に遊んだり、下の子を見てくれたりが増えています。

もちろんそんな時は「〇〇を見てくれたのね。お母さん助かるな~」とちゃんと褒めています。

すると「もう1年生になるからね。お姉ちゃんだし」と言ってニコッと笑います。

一時は、叱る事しかせず、どんどん険悪な関係になっていって、このまま回復は無いのか?と諦めていましたが、

ギスギスしていた家庭がとても丸くなって、笑顔があふれるようになりました。丁寧なお返事ありがとうございます。

これからも勉強して、子供たちが自信をつけて、自分の力を高められるように頑張ります。これからもよろしくお願いします。

ココまで・・・

長女さん、お母さんの背中で、お母さんに見せないように泣いていたんですね♪

そこに長女さんがどれだけ今まで辛かったのか、胸が詰まるような思いでした。

でもいい方向に向かい始めてよかったですね♪

「お母さんの膝に座りたい」とか「おんぶしてほしい」など、それが言えるようになったってことは「自分も愛されている存在なんだ」って感じてくださったからだと思います。

ユーユさんの決意もよかったですよ♪

「もうこんな思いはさせない!」」

はい、この気持ちを忘れずに二人の成長を見守ってくださいね♪又、ステキなご報告があったら教えてください♪

※私のWEBサイトでは、お母さん達から寄せられたご相談や解決した過程などを、ご本人の許可をいただき毎週配信しています。

よかったら、のぞいてみてくださいね♪


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