果糖かとうフルクトース

糖質制限とか脂質異常とか
そういう感じの話の中で「果糖」が時々話題に上がります。

ブドウ糖は血糖値が上がりやすいけど果糖はあがりにくいとか
果糖の摂りすぎは中性脂肪が増えやすいとか
そんな感じの健康情報。

以前は
『ブドウ糖は全身の細胞で代謝されるが果糖はほとんど肝臓でしか代謝されない』
という感じでしたが、
2012年ころから
果糖は肝臓で脂質に代謝され、肥満や脂肪肝の原因になることが示されるようになりました。
果糖を多く含むフルーツは「健康食」の代表のように言われていましたが、
これ以降フルーツの害についても言われるようになってきました。

2018年に
果糖はまず小腸の腸管細胞ですみやかに代謝され、残りが肝臓に運ばれる
という研究報告がなされました。
これまでは果糖はまず肝臓に直行して代謝されると思われていたのですが
その基本経路が違っていた可能性があるということです。

これをうけて2018年から2020年くらいにかけて
「腸管で代謝しきれなかった果糖が肝臓に行き、そこで中性脂肪になる」
「果糖は肥満の原因」
という「果糖悪玉説」がちらほら見受けられるようになりました。

このころ出てきた「果糖悪玉説」について何か変だなと思う点がいくつかありまして、   

1つは中性脂肪の件
肝臓で代謝された果糖がすべて中性脂肪になるわけではない。
むしろ大半はブドウ糖に代謝されて解糖系に流れるのでそのまま中性脂肪になる量は少ない。
解糖系であまったブドウ糖が中性脂肪に流れていく系がほとんどなので
要は「カロリー過剰」にならなければ中性脂肪は増えない。

もう1つは腸管で代謝されるという件

この腸管で果糖が代謝されるということについて
2018年に果糖の新代謝ルートを解明したグループの続報が2020年に発表されています。
これによると
小腸の腸管で代謝される果糖の量は一般的な成人男性で1日3g程度とのことです。
また同時に果糖が腸管で代謝されることで肝臓での脂肪生成を抑制する効果が見られたそうです。
その結果肝臓での果糖からブドウ糖への代謝(脂肪生成以外のルート)量が
1日あたり50~90gになったそうです。

1日に50gというと、果糖を多く含むといわれるバナナ約1.6~2.5kg分です。
毎日2kg以上のバナナを食べている人は肥満の危険性があります(笑)

現在では果糖を多く含むものといえば筆頭は清涼飲料水でしょう。
果糖の含有量は
炭酸飲料系で5~8g/100ml
果汁飲料系で5~6g/100ml
野菜飲料系で6~7g/100ml
このあたりでいくと、1日あたり700~1000mlでリミットですかね。
引っかかる人が出てきそうです。

必要以上に怖がることはありませんが
何にしても「摂りすぎ」は良くないということに尽きるのでしょう。

ここ10年から20年くらいで
果糖は糖尿予防に良い・積極的に食べよう
から
果糖は体脂肪のもと・食べないようにしよう
になって、
まあ、どっちにしても「食べ過ぎれば」という大前提あってのことなので
普通の?生活をしている分には関係ない話なのですけどね。
『普通にしていれば問題ない』
では商売になりませんからね(笑)



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