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ちっぽけな私の寄付体験

書こうと思いつつ、遅筆なので今日まで書かず…いまさらですが、自分の行った寄付についてざっくり書こうと思います。

去年、今年と二年続けて、とある団体に寄付をしました。その団体とは「公益財団法人 博物館明治村」…愛知県犬山市にある「博物館明治村」の運営をしている団体です。

寄付のきっかけは、些細な疑問というか、とある質問を当時の明治村所長さんに投げかけたことでした。

「正門のところにある寄付者一覧に載るには、いくら寄付すれば載りますか?」

長らく村民(博物館明治村では、年間パスポートのことを「村民登録票」と呼んでおり、年間パスポートを持っている人を「村民」と呼びます。)をされている人でも知らないことを、村民になって1年とそこそこの私が知るはずもなく、ちょうどその場に居合わせた所長さんに訊いてみたのでした。

所長さんはわざわざ担当者に連絡をして確認した上で、○○以上の寄付をいただいた方は希望に応じて載せています、と教えてくれました。

当時の私は、明治村の公式おもてなし偉人グループ「明治偉人隊」の野口英世先生を応援しており、金額を聞いて「いますぐは無理だけれど、この先、明治偉人隊が活動を終えることになったら、その時は彼らのおもてなしに感謝を込めて寄付するのも悪くないかな。何年かかけて計画的に貯めれば貯まる額だし…」と漠然と思ったのを覚えています。

そんなやりとりがあって半年ほどたった頃でしょうか、応援していた英世先生が活動を休止することになり、英世先生の今までのおもてなし活動に感謝をしているこの想いをどうにか表したいと思いました。そして、少し前に願掛けで周囲の人に言っていたことを有言実行することにしました。

「英世先生が村に残ったら、一眼カメラを買う。
 英世先生が村を離れるなら、呉服座前の提灯修繕のために寄付金を出す。」

呉服座…明治村の中で明治偉人隊が公演を行なっている重要文化財の芝居小屋…英世先生と初めて会った想い出の場所。その呉服座の前には電飾の提灯が整備されているのですが、長年の風雨でボロボロになり、風が強く吹くと壊れて落ちてしまう物もある状態でした。

修繕前の提灯。風雨にさらされてボロボロです。
別日に撮影。屋根の上に壊れた提灯の残骸がみえる。

想い出の場所がボロボロになっていくのがとても寂しくて、英世先生が村を離れるならカメラを買うはずだった予算を全部、博物館明治村へ寄付して提灯を修繕してもらうんだ…そう思ったのです。

決めたら、とにかく実行を…と思い、村内で所長さんにお会いした際に寄付金を出したいこと、用途を限定したいこと(当時の明治村「一般寄付」では出来た。今の「明治村みらい基金」では出来ない…)年度末であったので振込のタイミングは年度が切り替わる前と後どちらがよいか、など…をお話しました。

最終的には、寄付したことが英世先生に漏れ伝わると本人にとってプレッシャーになるだろうと思い、彼が村を離れたあと、年度が変わってから寄付金を出しました。

寄付金を出して数か月後。休村日明けの明治村に心を躍らせながら向かった私。提灯の修繕がされたとしたら、数日間のまとまった休村日の間だろう…そう推測して向かった呉服座の前には…新調された提灯がつり下がっていました。

重要文化財「呉服座(くれはざ)」
提灯が綺麗になりました。
白い提灯には呉服座の座紋、
赤い提灯には明治偉人隊のマークがついています。

泣きました。
ボロボロだった想い出の場所が綺麗になって、英世先生との想い出がいっぱい甦ってきて、ぼろぼろと人目も憚らず泣きました。寄付金を出してよかった、自分の気持ちを汲んでくれてうれしい…そう思いました。

それ以降は、私の中で呉服座前の提灯を眺めることが明治村へ行く目的の一つになりました。逢いたいあの人はもう居ないけれど、呉服座前の提灯を見上げれば、彼が私に遺してくれた想い出をあれこれと思い出して幸せな気持ちになれる。これからは明治偉人隊の活動を直接的に応援するのではなく、博物館明治村に寄付するという形で応援していこうと考えたきっかけの出来事でした。

…と、ここまでは昨年のお話。今年の3月18日から明治村の寄付金の募集方法が変更となり、現在は「明治村みらい基金」という基金になっており、用途を限定して寄付する仕組みはなくなりました。仕組みが切り替わる前に、自分の納得できる用途で寄付金を出せたのは、明治偉人隊・野口英世先生があのタイミングで村を離れることになったから…偶然とはいえ、こういう経験をさせてくれた英世先生には感謝しかないです。

今年は「明治村みらい基金」に1回払いの寄付で、少額ではありますが寄付金を出しました。この「明治村みらい基金」は、年間の寄付累計額、通算の寄付累計額によって特典がつきます。

そして来年は、「明治村みらい基金」のマンスリーサポーターとして寄付金を月額払いで出すことにしました。マンスリーサポーター限定の特典…メールマガジンが読みたくて、というのも理由の一つです。

自分の人生を歩む中で、自分自身はちっぽけで何も成し得ることなく人生を終えるかもしれないけれど、寄付という手段で私の代わりに後世へ何かを受け継いでくれる…そんなふうに考えるようになりました。金銭に余裕があるからできることでしょ、と言われてしまうとその通りで、自分もいつまで金銭的に余裕があるかわからないけれど、続けられる限りは寄付することを続けていこうと思っています。

乱筆乱文をここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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