六日目 ステルス夜食作戦2の巻 ~退院の兆し~
今日は真新しいイベントなどもそれほど無くて、あまり書くことがないかもしれない。
入院し始めてから早六日、いい意味でも悪い意味でも、この生活にはだいぶ慣れてきた。生活リズムや毎日の診察にもなんとなく慣れてきて、新しいことに戸惑ったりすることも減ってきた。
(ぶっちゃけ日記のネタになることが減ってきた。マズい!)
そんな焦りの中、今日一日は朗報から始まった。
月曜の採血の結果次第で、早ければ月曜の夕方には退院できるらしい!!とうとう退院の目処が立ってきたという事だ。
この生活も決して悪いことばかりでは無い。それに、折角だからあまり経験することのない入院ってもんをエンジョイするというのも悪かないのだが……。やっぱりそろそろ外界に出たい。
来週水曜には学校の定期考査もあるし(それはぶっちゃけどうでもいいといえばどうでもいい。というか退院して即テストってなんやねん!!)、月曜に退院できれば良いなあと切に思う。会いたい人もいっぱいいるからな。
数日前に書いていた「退院したらしたい事リスト」を見てみたら、一番上に「デカイ肉を食う」と書いてあった。相変わらず、うちの胃袋は正直だ。
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朝の診察で、「もう歩いて良いですよ」との許可をもらった。
…………あ、まだもらえてなかったんですね。昨日の昼には、久々の歩行にテンションが上がっちゃって、勝手に廊下を意味なく歩いてました。すみまそん。
歩くのも大分慣れてきた。急な動きはまだ無理っぽくて、スネの張りも残ってるのだが、昨日よりは不便なく動けてる気がする。
ただ、やっぱ筋肉は落ちた。盛大に落ちた。
親ライオンに崖から突き落とされた子ライオンぐらい落ちた。
包帯の交換の時に足を見るのだが、なんというか……萎びてやがる。
冷蔵庫で1週間ぐらい放置してた大根は皮がブニブニになってシワが出来てくるのだが、まさに今の私の足はそんな感じだ。とにかくハリが無い。張ってるのにハリが無いというのも訳分からん感じだが、とにかく筋肉の衰えは感じる。
人間の身体の、環境に対する変化の早さに驚かされる。退院したら筋トレしよう。うん。
昔どこかで聞いたことがあるのだが、筋肉には「元々ついていた筋肉量を覚えておく」機能があるらしい。だから病気などで寝たきりになった人もいずれ元の輝かしい筋肉を手に入れられるそうな。そうだといいなあ、と思う今日この頃の私だ。
足もだいぶ動くようになったし、明日はちょっと筋トレでもしてみようかな。
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今日は休日だったこともあり、家族が色々差し入れをしに来てくれた。頼んでいた物のほかに、私の好きな食べ物も入っていた。キンカン、MAXコーヒー、それから…
なめろう。
なめろうを知らない方のために説明しておくと、なめろうは生のアジなどをショウガやミョウガなどの薬味と和えて叩き、味噌をベースに味付けした千葉の郷土料理だ。
なんという僥倖。元来生の魚が好きな私にとって、この差し入れはドストライク。欲望に任せ、今ここで食ってしまおうか。
いや、待て待て。なめろうは酒のつまみにもなる様な料理であり、そのまま食べるにはちょっと味が濃いい。それに、なめろうはご飯とも滅茶苦茶合うのだ。ここは夕方のコンビニタイム(コロナ対策のため、行ける時間に制限がある)まで待って、サトウのご飯でも買ったほうがいいんじゃないか?
うん、それがいい。そうしよう。
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夕方、コンビニでサトウのご飯を購入。そろそろ差し入れてもらった服のストックも切れてきたため、洗剤も買って洗濯することに。
病棟にはコインランドリーがあって、患者たちが好きに使える感じだ。後回しにする理由もないし、早速回すか___
あっ
…入らねえ。近くに両替機は__無い。ダメだこりゃ。明日ジュースでも買って、それから出直そう。
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夕食が終わってから二時間ほど。楽しみにしていたアレの時間が来た。洗濯はできなくたって、食欲を満たすことは出来る。
取り敢えず、デイルームの電子レンジでご飯をチンしよう。昨日のラーメンとは違って消灯時間は過ぎていないし、不健康なものを食べるわけでもない(夜食自体が不健康?そんな常識は俺には通用しない)。昨日に比べてコソコソはせず、堂々と電子レンジのドアを開けた。
500wで2分。デイルームには他の患者さんも結構いて、何となく視線を感じて気まずい。出来るだけ気配を消して待とう……。
チン!!!!!!!!!!!!!!!!(爆音)
音がデカい!!!病棟中に響いたんじゃねえのかという、よく通る音。ここが敵地なら一発で捕まってる。
そんな感じで、バレバレのままご飯を手に病室へ帰る。
走っているのは気まずいからか、それとも早く食べたいからか。
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という訳で、今日もバレバレなお夜食タイム。
美味い!!久々のこの生の魚の感じ。体中に海が染み渡る。足の膿も抜いたところだったで、海成分が枯渇していたので非常に助かる。
正直今思えば次の日の分も取っておけばよかったのだが、そんなことに頭は回らず。一瞬で食べつくしてしまった。しょうがない。俺は今を生きているんだ。
きんかんも美味かった。
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ぼちぼち退院に向けて、荷物の整理もしなくてはな。
それでは、また明日。
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