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妄想小説「海の魔物」その4 (最終章)

海の魔物とパッパラとピーとポー、三方良しとバチータが皆砂山に向かい、俺は薄暗い海底らしきところに1人取り残された。
そして誰もいなくなった!!
「so what to do next??」どうしよっかね、俺は考える。考える。めんどくせー!!
俺は寝ていたのだろうか。多分そうなのだろう。気がつけば俺は浮遊して、ものすごい勢いで回転していた。まさに渦巻きの土壷にはまった状態。
「ワーアアア!!ワー!!アーレー!!」万歳しながら流れに任せる。
回転しながら下に落ちていくのが分かる。ゴーゴー、シャー!!
落ちながら体がぎゅっと締め付けられていく。
グォーンという轟音が全身を駆け巡り、瞬きも何一つ自由が利かないまま俺は強烈なバキュームに吸い込まれて押し出されていく。
グォーーーーーーーーーーーーンシャーーーーーーーーーーーシャッパーンパサッ
俺はどこかの地面らしきところに落ちた。
さっきまでのすごい高圧で皮膚とか全部はがれたんじゃないかと思ったが皮膚も頭から生えてるフルーツも乳首のブドウも無事だった。
ただ何もみえない。目が見えなくなったのか周りが暗いだけなのか分からない。
そして足下が非常にぬめぬめしている。非常に進みにくい。
さっきまで聞こえた轟音も聞こえない。てか何も聞こえねー!!
どこなんだどこなんだどこなんだよここ!
「ここは底なし沼でざんす!あはは、底なし沼だけど足はついてるから底なし沼ではないざんす。!でもずっと続く沼でざんす!ウェルカムヒアー、ウェルカムディズヌマー!」
パニクっている俺の耳には確かに甲高い女の声がするけれど、姿はみえねえ。
いわゆる沼下からそんな声が聞こえてくる。昔沼下っていう、しつこい女がいたな。
いちいちちょっかい出してくる奴。めんどくせえやつだった。どっかいけ。
うるせえ!だまってろ。この沼下が!
「クックックック!まあエンジョイ ヌマー!ヌマー!」
沼下の声が沼下一面を覆うように聞こえてくる。
一歩進む毎に「1ヌマー!」とうめいてくる。
非常に進みにくいこの沼を、ゴラーという雄叫びをあげながら進む→1ヌマーという沼下の轟音が聞こえる→ゴラーといいながらもう一歩進む、という無為な時間をどれほど過ごしたのであろうか、、。数時間かもしれないし10年かもしれない。ただ、俺の乳首の干ブドウははがれ落ち、頭の上のパイナップルも、しなびてしまい、俺の豊穣なフルーツの畑が全てなくなってしまったのは確かだ。
ただ、俺はゴラーと声をだし、ぬかるみの中から足を引きずり出し、足が着地したところで「1ヌマー!」という沼下の声を聞き、また同じことを繰り返す、何も見えない。
まさに暗中模索。進んでいるのか同じところに留まっているのかもわからねえ。
俺、海の魔物に会いにきたんだぜ!でも海の魔物はすげーまったりしてて、拍子抜けして沼下のいる沼にきて、ずっと暗中模索してるわ。
必死で動かしてるけど暗中だわ、ずっと暗中。どうしてくれるわけ。どうすりゃいいわけ。
暗中模索かよ、これからずっと暗中模索かよ。毎日俺が楽しみにしてた乳首の干しぶどうどうしてくれるんだよ。

海の魔物の奥さん、パッパラが、海の安全パトロール中に泥まみれの彼(フルーツ氏)を発見したときには、彼はもう言葉を発しなかった。
海の魔物が丁寧に舌で泥を払いのけてやると、元来のきれいな肌色の肌がよみがえり、乳首の干しぶどうも、恥部のわかめも、頭のパイナップルも元通りになったが、彼の意識は戻らなかった。
海の魔物一家は毎日彼のために新鮮な魚を与えてやり、その代わりに彼の体からなる芳醇なフルーツを摂取している。

彼は日常的な生活を嫌い、海の魔物という得体のしれないものを求めて彼の肉体をフル回転させ、海の魔物の1つを見つけた。その直後、沼地を全力でもがきながら意識を途絶えさせた。今、彼は自意識という悩みに悩まされることなく、美しい肌の色を保ちながら、
海の魔物一家に毎日新鮮なフルーツを与えている。
彼が憧れた海の魔物一家は、彼の存在に感謝し、毎日彼の存在への感謝として魚一匹を与えている。
漸く彼は平穏を見つけたのか、彼が満足しているのか、安らかな彼の表情をみているのみでは謎なぞ謎!


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