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都内で子育てするなら中学受験させたらいいのか? Part3

〜Part3 進学率(入ってからの進路)の点から検討する〜

次に、高校からの進学実績をみていきます。
ここでも、市進学院さんのデータを参考にさせてもらいました。​

都内公立校の進学実績
http://www.ko-jukennavi.net/wp-content/uploads/2019/12/68bb5a1fc584bfaf9809249e70ac40a4.pdf
都内国立・私立校の進学実績
http://www.ko-jukennavi.net/wp-content/uploads/2019/12/59c15898c1a83efb267d490fead34a60.pdf

ただ、上記データの中に含まれない学校もいくつかあり、
そうした場合には各校のHPをみたり、下記サービスで確認しています。

https://www.minkou.jp/hischool/school/university/88868/

また、上記には市進学院さんの情報にある国公立20大比率の指標はなかったので、市進の表にない学校については
https://www.minkou.jp/にある旧帝大+一工: 北海道、東北、名古屋、大阪、九州、一橋、東京工業大学
(東大、京大を除く) 指標で代替しています。
絶対値となっている学校で*マークの学校は当該指標を記載しています。

Part1、Part2で出た結論は以下の通りです。

女子:絶対数でみると選択肢は中学受験のが多い。でも倍率的には
         高校受験  のほうが低い。
   その子の個性とかで積極的に情報収集はして、本人やる気なら
         考えてみても良いかな。
   でも、しなくても大丈夫かな。


男子:絶対数も倍率も高校受験のほうが多いし入りやすそう。
   なんか部活動集中させたいとか、中高一貫校で特徴的な教育を
         受けさせたいとかでなければ積極的に考えなくても大丈夫かな。
これまでの分析について詳しく知りたい方は下記をご参照ください。

Part1:都内に存在する公立・私立・国立(中高一貫・高校併設・高校のみ)それぞれの偏差値分布から考える

Part2:実質倍率(入りやすさ)の点から検討する

このPart3で確認したいのは、中学受験対象校と高校受験対象校とで、同程度の偏差値であっても、進学実績に差が出てくるのか、という点です。
それで、Part1/2の結論が変わるかどうか、という点です。

では、早速確認していきましょう。

まずは女子。東大・京大合格者数から。
合格者は男女分からないので、あくまで学校比較にて。

これは、下記スプレッドシートの集計表を見て頂いた方が分かりやすいです。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1osKwubocwPwTg0ptHplspt1REAgAi3zpF6o3ZoRX4kw/edit#gid=1064992526


特に私立校は、同じ偏差値でも学校毎に進学先にばらつきがあるので、気になる学校があれば、個別に数値を確認してください。

都立の場合、偏差値66の平均合格者数(浪人含む)が5人で、65だと0.33となります。
66くらいまでの高校に入るとコンスタントに東大・京大合格者数を一定数輩出、という形です。

国立は偏差値77までのお茶の水・筑波・学芸大がコンスタントかつ大量に合格者数を輩出しています。
併設校の私立でみると、私立志向、付属校志向があるのか、コンスタントに合格者が出ている高校は限られています。
(慶應、ICU、國學院久我山、創価、東京農業第一)

中高一貫私立でみてみると都立と同じく偏差値66くらいまでがコンスタントに東大・京大の合格者を輩出しています。

都立・中高一貫校共に偏差値66で同じ、というのが何となく納得性があります。
(この場合、都立が9校で中高一貫校は15)

また、Part2で私なら選ばない、とコメントした都立中高一貫ですが、両国・大泉以外はコンスタントに東大・京大の合格者を輩出しており、中高一貫で伸び伸び、進学はきめ細かく指導してくれて実績もある、という点が支持されているのかな、と圧倒的な倍率の高さは納得できた感はあります。
が、同様のきめ細かな指導を、他の都立中学高校にも展開していってほしいなと思います。

次に、国公立20大比率ないしは旧帝大+一工でみていきましょう
都立高校の場合、偏差値58までがコンスタントに合格者数を出しています。
国立の場合も、対象校はコンスタントに合格者数を出しています。
一方、私立併設校の場合、東大・京大同様、偏差値に関わらず一部の高校しかコンスタントに合格者数を出していない、という状況です。
併設する大学に進学する率が高い、都内(私立?)志向があるなど理由があるのでしょう。
ICU、中央大学高校、國學院久我山、創価、成蹊、帝京、江戸川女子、東京農業大学第一、青稜、芝浦、東京電機大学がコンスタントに合格者数を出しており、偏差値62までの分布です。
中高一貫校の場合も偏差値62までの高校でコンスタントに合格者数を出しています。

都立中高一貫校も偏差値58までコンスタントに合格者数を出しています。

次に、慶應・早稲田・上智の合格者数でみていきましょう。
都立では偏差値58までがコンスタントに合格者数を出しています。
国立でみると、東京工業高等専門学校は、合格者数はいませんが、理系志向・そのまま就職など恐らく他の要因があるので、ここではあまり気にしません。
次に、私立併設校。
国公立進学と比べると、幅広い高校で合格者を出していて、偏差値62くらいまでの各学校でコンスタントに合格者数を出しています。
玉川学園、かえつ有明はそれぞれ偏差値59、58ですが合格者数をコンスタントに出してます。

私立中高一貫校でも、コンスタントに偏差値58までの各校でコンスタントに合格者数を出しています。
都内志向・私立志向、という形で私立校の場合、都立よりも私立への進学志向が高い、ものと推察します。

都立中高一貫校も偏差値58までコンスタントに合格者数を出しています。

と、結果を羅列してきましたが。。

以下のような結果が言えるかと思います。

・確実にいえるのは、都立高校と、中高一貫の都立高校では、同じ偏差値であっても、進学実績は確実に中高一貫校の方が高い。
(←これ、そんなに差出しちゃっていいの?他の都立高校・中学にノウハウ還元しなよ、レベル)
 なので、同じ都立にいくとしても、中学受験でいくか(超高倍率なので、運もある)、高校受験でいくかは、要検討。
ちょっと、進学率をみて、そんなに都立の中学受験に準備がいらないのであれば、受けさせても良いかなと思いました。

 ・そして、都立と中学受験対象の私立で比較すると、同じ偏差値においては、都立の方が進学実績がいい。
 併設校の場合、併設校に進学する率が高いからか、高校入学時の偏差値と進学実績が連動していません。

 進学率と過ごし方両方を両立させるために中学受験を検討したいときに、その両方を両立できるのは、
 そのまま進学しても良いなと思える大学付属校にいくか、偏差値65くらいまでのある程度コンスタントに進学実績がある学校に入るか、だと思います。

 また、高校受験で私立を志望する、または併願する場合には偏差値だけでなく進学実績をしっかりみて選ぶべきですね。

・国立・私立中高一貫のトップ校は進学実績が抜群。

そう、なのでもし子供が勉強が得意そうで、偏差値65もしくは偏差値70以上のトップ校に入れそう、受験できそう、であればここを目指して、中高一貫で過ごす仲間をみつけて、大学受験に備えたり、色んな刺激を受けてもらう、みたいな感じなのでしょうね。

これを見ての結果ですが。。
高校受験・中学受験それぞれの準備や費用、あとは小中高どう過ごすか、というのも絡んでくるので次章で結論は出そうと思いますが、現時点ではこうです。

女子の場合、多少中学受験の方が選択肢は多い。
ただ、進学実績で見た場合、都立中高一貫を除くと、私立と都立で大差ない、というか都立のがいいくらい。

進学第一で考えるなら、無理して受験しなくていい、でも都立中高一貫校は学校の授業だけで試験対応できたり受験勉強期間が短いなら、受けても良いかも。

あと、子供の成績とか適性として、トップ校を狙えるのであれば、更にその特性を伸ばすために、検討してもいいかも。

ということで、女子は以上。

続いて男子。

都立の場合、偏差値66の平均合格者数(浪人含む)が5人で、65だと0.57となります。
女子と同様、66くらいまでの高校に入るとコンスタントに東大・京大合格者数を一定数輩出、という形です。

国立は偏差値77までの筑駒・筑波・学芸大がコンスタントかつ大量に合格者数を輩出しています。
併設校の私立でみると、私立志向、付属校志向があるのか、コンスタントに合格者が出ている高校は限られていますが、中高一貫校の併設校比率が多いからか、男子のほうが合格実績が多い学校が多いです。
(男子:開成、ICU、巣鴨、桐朋、学習院、城北、國學院久我山、創価、本郷、東京農業第一で偏差値65まで
 女子:慶應、ICU、國學院久我山、創価、東京農業第一)

中高一貫私立でみてみると都立と同じく偏差値63くらいまでがコンスタントに東大・京大の合格者を輩出しています。

ここは、女子と違うところで、男子のほうは中高一貫校のほうが東大・京大への合格実績が高くなっています。ただ、同等の偏差値において、合格者数に大きな差はみられません。

都立中高一貫は、女子と同様、両国・大泉以外はコンスタントに東大・京大の合格者を輩出してます。

次に、国公立20大比率ないしは旧帝大+一工でみていきましょう
都立高校の場合、偏差値57までがコンスタントに合格者数を出しています。
国立の場合も、対象校はコンスタントに合格者数を出しています。
私立併設校の場合、東大・京大合格者をコンスタントに出している高校+αで、偏差値57のかえつ有明までがコンスタントに出している、という状況です。

中高一貫校の場合も偏差値62までの高校でコンスタントに合格者数を出しています。
都立中高一貫校も偏差値58までコンスタントに合格者数を出しています。

次に、慶應・早稲田・上智の合格者数でみていきましょう。
都立では偏差値58までがコンスタントに合格者数を出しています。
国立でみると、東京工業高等専門学校は、合格者数はいませんが、理系志向・そのまま就職など恐らく他の要因があるので、ここではあまり気にしません。
次に、私立併設校。
幅広い高校で合格者を出していて、偏差値58くらいまでの各学校でコンスタントに合格者数を出しています。

私立中高一貫校でも、コンスタントに偏差値62までの各校でコンスタントに合格者数を出しています。
都立中高一貫校も偏差値58までコンスタントに合格者数を出しています。

男子については、中高一貫校で多少東大・京大への進学実績がいいという傾向が見えました。
一方、私立の併設校比率が高い分、併設校で合格実績がみられる校数も多いという状況でした。

ただ、男子については選択肢・倍率共に高校受験のほうが選択肢は多く、進学実績の差も顕著という訳ではないので、その子の知識欲とかが高ければより伸ばすため、とか中高の過ごし方、という点で中学受験をするかどうかを検討する事になるのかと思います。


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