FF16があまりに期待外れだった。おそらくFFのターゲットにもう自分はいないのだろう。悲しいね。※ネタバレ有
はじめに
注意事項
ここには、FF16の重大なネタバレを含みます。
自分とFF16について
FF16をクリアしました。初PVからめちゃくちゃ楽しみにしていて、FF16のため休暇を取ったり、FF16のため数日分の食事を作り置きして冷凍しておくなど、まさに万全という状態で発売日を迎えました。
そういった期待は裏切られてしまったわけですが、せっかくなので吐き出しておきたいなというのがこの記事になります。
ただ、このゲームを楽しめる人もいるんだと思います。ゆえに、「FF16がターゲットする層に自分は属していないと思われる。属していない身としてはこういう感想を持った。それはあまりに悲しかったのでせめて吐き出させてください。」というものです。
自分のFF歴
リアルタイムでプレイしたもの、後からプレイしたもの、リマスターやリメイクでプレイしたものいろいろとになりますが、ナンバリング的にはFF1~10、10-2、12、13、15、7R、7Rユフィ編をプレイしています。15は唯一序盤で投げ出してしまった作品であり、それ以外はクリアまでは遊んでいます。12以降あまり良い思い出がなかった分、事前プロモから感じた「FFブランド立て直すぞ」という気概に惹かれていました。
自分とアクションゲーム
得意ではないけど好き、という感じです。ダークソウル1、ダークソウル3、エルデンリング、デモンズソウル、ブレスオブザワイルド、星のカービィディスカバリー、ウィッチャー3、ゴーストオブツシマあたりはかなり楽しんでプレイしましたので、FF16がアクションになることへの拒否感みたいなものはなく、純粋に楽しみにしていました。
FF16のプレイスタイル
序盤:
マップは隅々まで歩き、サブクエは見つけたものは受注。モードはアクションフォーカス。
中盤:
マップはほどほどに歩き、サブクエは要素が解禁されるもののみ受注。モードは途中でストーリーフォーカスに切り替える(オート系アクセはつけない)
終盤:
クリアまで一直線。マップ探索、サブクエはほぼ無視。モードはストーリーフォーカス、オートドッジのアクセをつける。
クリア時間はPS5表示で39時間でした。
FF16の良かったと感じる点
グラフィック
すさまじい出来でした。素晴らしかったです。ムービーはもちろん、ロケーションによってはかなり景色も良く、洋ゲーと違い女性キャラがめちゃくちゃ美人なのも嬉しかったです。
BGM
盛り上がるBGM、過去作のオマージュっぽいBGM、ちょっと寂しげなBGM、どれも素晴らしかったです。少なくとも12以降のFFでは一番好きでした。
アクションの操作感
触っていてかなり楽しかったです。操作感以外の要素で台無しになってしまっていたと感じましたが、アクションそれ自体で言えばかなり良かったです。
爆速ロード
驚きました。ムービーからシームレスに操作パートに移るのはFF8っぽさありましたし、ゲーム再開時のロードもほとんど感じないレベル。
召喚獣合戦・ストーリー主導のコンセプト
コンセプトは素晴らしかったです。ただ、うまく料理出来ていない印象というか、高級食材を揃えた上でボロボロのフライパンで適当に焼いた、みたいな感じ。※デビルタイタンの第一形態(ひたすら走るやつ)だけは最高の体験でした。これを求めてた!となった。
コントローラとの相乗効果
さすがPS5に最適化しただけあって、振動や押し込みとのリンク感はすごかったです。ただまぁ、アニメ1話分くらいのムービー中にずっとコントローラ握ってるわけではないので、途中からは味わう機会も減りました。
FF16の良くなかったと感じる点
体感で95%くらいがムービー
序盤から終盤まで、基本となるのは「10秒移動→ムービー10分」「10分バトル→ムービー30分」みたいな構成です。さすがに度が過ぎてると思いました。自分がプレイしたゲームで言えば、ジャッジアイズ、ペルソナ5、DQ11なんかもイベントやムービーが多かったですが、ストーリー・キャラの見せ場もあり、ゲーム部分の面白さもあり、だったので、ムービーゲーだからダメだったわけではないはずです。
サブクエストが虚無
序盤こそサブクエは全部消化していました。しかし、「移動して〇〇の話を聞く」「移動して○○を倒す」ばかり。報酬もショボければ、ひたすら薄いカットシーンを眺めるだけ。
RPG要素が虚無
「属性」「魔法/MP」「パーティ」「探索」「キャラ強化」といった、いわゆるRPG的な要素は存在しないか、存在はするが特に意味がありません。一緒に戦ってくれるパーティメンバが、何の武器を持っていて何の技を使っているかもわかりませんし、武器を強化する必要もありません。なぜなら、ストーリーが進むごとに新しく買える武器が、強化した武器よりも強いんですから。たとえばFF7のような「攻撃力は弱いがマテリア穴が多い」みたいな特性もありません。強いか弱いかだけです。
マップのショボさ
一本道ゲーにしても、あまりに少ないです。虚無です。事前情報で、それなりに広大なフィールドが4つあることが明かされていましたが、「えっ…まさか広大なフィールドってこれのことだったのか…?」というレベルで小さいです。グラフィックはきれいで、見せかけ上の広さはあるにはあります。ただし、探索ボリュームで言えば全部合わせても、「ウィッチャー3のホワイトオーチャード」「ブレスオブザワイルドの始まりの大地」「エルデンリングのリムグレイブ」といった名作のチュートリアルマップにも満たない気がします。
初心者への配慮……と言っていいのか?という要素
本ゲームでは、宿屋や回復魔法といったものはありません。ポーション/ハイポーションでの回復を行います。ダクソのエスト瓶よろしく、持てる上限が決まっています。それはまぁ良いです。ただ、「上限を超えると入手できずその場で勝手に使われる」「敵に敗れてゲームオーバーになるとその場でフル補充される」という仕様なので、やりくりの楽しさがありません。
オート系のアクセにしてもそうです。つけると勝手に敵の攻撃を避けたりできます。アクション苦手な人でもクリアできるようにするために、苦手な人は基本アクションを全スキップできます。ダクソなどにハマる前などは、自分も苦手意識が強い身でしたが、「できないんならやらなくて良いよ」とされるより、「慣れるように試行錯誤できる余裕作ってあげるから落ち着いて」ってされたほうが嬉しいです。勝手に避けてくれるより、避けやすくしてくれる、失敗しやすいようにしてくれる、といった配慮が欲しかった。
敵の硬さ
スタミナを削ると敵がダウンするので、一気に攻撃ができるシステムです。FF7Rもそんな感じでしたね。ボスは概ね2~3回ダウンさせるくらいのHPがあります。つまり1度ダウンさせると、「あと2回これをやるのか…」という徒労感があります。しかも連戦が多めなので、数セット必要です。ボス戦では頻繁にQTE(タイミングに合わせてボタンを押せ!)があるのですが、QTEによるダメージ量はエゲツないこともあるので、「俺が必死に削ってたのは何だったんだ……」となります。
召喚獣合戦
迫力はすさまじく、目玉システムだけあって感激しました。ただ、感激よりも疲労が勝つようになります。あまりに長すぎるのです。食傷気味です。「ほーらこの召喚獣はこんなにすごいですよ」の押し付けムービーを30分見ながら、申し訳程度の操作とQTE。しかも連戦。ボリュームが10分の1程度だったら、「すっげー!!!」という感動のまま走り抜けられたと思います。
2周目が本番ですよ感
2周目が本番だから1周目がつまらなくて良い訳では無いし、2周目を楽しみにしている人は果たしてスキップできない召喚獣合戦やイベントもりもりボスバトルを何度もやりたいと思うのでしょうか…。周回前提のゲームは、周回しなくても楽しめて、楽しめたからこそもう1周したくなるものです。
水増し感
どうやってダッシュするんだろうと思ってたらそれがダッシュだったほどの移動の遅さ、同じ場所を何度も行き来させられるお使い、「主人公『しつこいやつらだ!』」って俺のセリフだよってくらいの強制雑魚戦、どうでもいいシーンのちょっとした1動作すら丁寧に描くムービー、繰り返される「正面からは入れないが実は秘密の通路があるんだ」展開。
「大人向け」の押し付け
残虐なシーン、エロティックなシーン、男同士の恋愛といったものが、やたら多い。大人向けだからたくさん入れときましたよ感。首都レベルの崩壊が何度も起きるし、重要な話をする際は男女が裸になるし、、、
ストーリーのお粗末さ
要素自体は面白そうなのに、なんでこんなにつまらなくなるんだ、という感じ。メインキャラはカタルシスもなく退場していくし、世界の謎はラスボスが懇切丁寧に講義してくれるし、ヘイトを溜めに溜めてどう開放してくれるのか楽しみにしてた悪役はいきなり発狂して自殺するし、序盤から何度も描写してきた設定はいきなりなかったことになる。なんなんだ。
キャラの言動も腑に落ちないことが多い。「経緯はDLCで」を考えていたのかは知らないが、いつの間にそんな仲良くなった?、いやなんでお前は今そんなに感極まってるんだ?、みたいな引っ掛かりが残り続ける。
こだわりのちぐはぐさ
例えばゲーム内では、BGMを買える。買うと拠点で聞けるようになる。BGMのお値段は1つ4万ギル。終盤の武器が確か5000ギルくらい。BGMを買い漁る趣味がなければ、ギルが余りまくる。
例えばラスボス戦では、一緒に戦ってきた仲間たちはみんな留守番になり、大した絡みもなかったキャラと一緒に乗り込むことになる。なんでだよ。
例えばムービーでは、あるキャラが人参が嫌いであることを言葉じゃなく伝えるために人参のグラフィックにこだわりまくったり、リアリティを出すためにソファの柔らかさにこだわりまくったりしたそうです。反面、「なんて広大なダンジョンなんだ」とかいうセリフを言葉で言いつつ、実際歩けるのはほんの一部の一本道だし、「一刻も早くココを走る抜けるぞ! ただし準備のために一度拠点に戻るか!」といって大陸を横断する展開があったり。
他スクエニゲームと比較して
同じくストーリーの優先度を高くした「DQ11」はキャラの描写も丁寧で、ストーリーはもちろんゲームとしても非常に楽しかった。ここぞという見せ場が、見せ場として機能していたのでプレイの緩急としても心地よかった。
実写ドラマベースのミステリーゲーム「春ゆきてレトロチカ」も、ベースはただ見るだけなのでムービーゲーではあるが、ストーリーや謎解きパートは面白かったし、今作のアクティブタイムロア(ムービー中に補足情報を閲覧できる機能)のようなものもミステリーと相性がよく、実写ゲームだからこその仕掛けもナイスだった。
FF16は、あまりに押し付けがましく、バカにされてる感じがするのだ。。
これが最強のFF…なのだとしたら
やはり僕はターゲットじゃないのでしょう。FF16としては、スラムダンクのように、「事前評判で心配されても、大絶賛の口コミでジワ売れが続き、18ヶ月の期間で大ヒット」の算段らしい。自分はここに書ききれないほど残念さが溜まっているが、本当に口コミでロングセラーになるようだったら、嫌でも納得せざるを得ないですね。いろんな方のクリアレビューがアップされていくのを楽しみにしています。
ちなみになんでクリアまで我慢してプレイしたかと言うと、あまりに万全の体制だったのでやらないとさらに惨めになりそうだったことと、女性キャラの外見や設定の雰囲気自体は良かったので薄い本を楽しみにするため、そしてクリアしてないと色んな人のレビューが自分と同じか違うか判断できないと思ったからです。自分はFF16に合わせてPS5を買ったわけではないので、良い点を一度体験できたので良しと言い聞かせたいと思います。
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