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永遠と無常

もうすぐ桜の季節ですね。

まだまだ寒い日もありますが、季節の移ろいは早いものです。

今年は(も?)暖冬でしたので、春が来るのが嬉しい反面、あの冬の寒くて生命の息吹が眠っていて・・・だからこそ私たちも温かい繭の中で静かに安心感を感じながら篭ることが許される時期、を十分に過ごせなかった感覚があり、私は少し春の訪れをもう少し待ってほしい気持ちがあります。

先日、京都御所の特別一般公開に行ってきました。

美しかったです。


平安文学の世界


『紫宸殿』という、重要な儀式が行われた御所内で最も格式が高いという建物の前に、紫宸殿上から見て左に桜の木、右側に橘の木が植えられています。

もう過ぎてしまいましたが、お雛様でもお馴染みの『左近の桜』と『右近の橘』です。

雛祭りで、それらを飾るのは魔除けや邪気払い、不老長寿の願いを込めてという解説が一般的なようですが、京都御所内に『左近の桜』と『右近の橘』について、こんな解説がありました。

橘は古くから日本人に親しまれたカンキツであり、その葉は年中青々と繁り、その実は非時香菓(永遠に香る黄金の木の実)の伝承と結び付けられ、永遠を連想させるものとして、無常を体現する桜との鮮やかな対比を生んでいます。

京都御所内設置の解説より

無常の美しさを讃えながらも、永遠を願う。

永遠を願いながら、無常だからこそ美しいことを識っている。

この矛盾に答えはあるのでしょうか。

目に見えるものは無常だけれど、見えないものは永遠。

これが答えなのでしょうか。

私にはまだ分かりません。

もうすぐ桜は、あの『一瞬の儚い美しさ』を日本中に描くのでしょう。

今のところ、1年に1度しか咲かない桜を人間が人生で見れるのは、多くてもせいぜい100回程度。

今年もしっかりその美しさを心にしっかり写しておくことができますように。

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