だからわたしはお酒を飲む

 突然だが、わたしはお酒が好きだ。それはもう愛しているといっていいくらいに。趣味はお酒(ほかにも漫画、ダイビングと趣味はあるが、圧倒的に時間とお金をかけているのはお酒だと思う)。

新卒で入社した会社は飲食関係。都内で店長を何年かやっていた。少しの時間があれば飲みに繰り出し、給料残高を見てはあと何回飲みに行けるか算出する日々だった。

 そんなわたしも妊娠出産、授乳期間を経て強制断酒。最近やっとお酒の世界に戻ってくることができた。夕方、早い時間に子供たちと食事をとりながら飲むビールは最高にうまい。お風呂を入れたあとに(2人入れることはなかなかの体力勝負だ)グビグビと一気に身体に流し込むビールは最高にうまい。そして子供たちを寝かしつけた後、物音を立てないようこっそりと飲む赤ワインまた最高にうまい。そして気づいた。少しのアルコールは育児をスムーズにすると。

なんだかんだでわたしは完璧主義なところがあるので、少しでもうまくいかないとイライラしだしてしまう。育児をしながらの家事なんてうまくいかなくて当たり前なのに。遊んでほしくて遅々として進まない洗い物や、畳んでいるそばから崩される洗濯物、そして寝る時間なのに部屋から脱出していこうとする子供たちについつい声が尖る。しかしそんなのは本当はどうでもいいのだ。彼らの望むことは「お母さんともっと遊びたい」「お母さんに笑っていてほしい」ただそれだけなのだから。家がきたなかろうがどうでもいいのだ。

 だからイラついたときは日本酒のロックを一気飲みすることに決めている。するすると身体の中に日本酒が落ちていくと、ポッと灯がともったようになり、一気に身体の力が抜ける。「ちゃんとしなきゃ」の強制終了。

ありがとうお酒。君たちのおかげでわたしは今日も育児をがんばれるよ。

ちなみに1歳のむすめの初めての言葉は「かんぱーい」だった。暗い寝室で彼女は兄と自分のマグをぶつけながら何度も「かんぱーい」。

うむ。早く立派な酒飲みガールに育ってもらいたいものだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?