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低気圧の中を泳ぐ

気圧が下がると体調が悪くなる人が多くいるらしい。例えば頭痛がひどくなるとか。ご多分に洩れずわたしもその一人であり、さらに気温まで低いとくるとたまったもんではない。
近頃の陽気にうっかりしていて、今朝はタイツを履かずに出てしまった。無論靴下は履いている。
帰り道、驚くほどの強風のなか走った。これは嘘ではなく、誇張でもなく、走って帰ったのだ。体を温めるためと、できるだけ外気に触れる時間を減らすためだ。なんという合理的判断!
無事に帰宅し、冷蔵庫にあるもので晩御飯を作ることにする。しかし、今日は寒かった、あまりにも寒かったから暖房を早速つけて、もう一枚上着を羽織ることにしよう。さて、晩御飯。今日は安くで買えた鰯を梅と煮るのだ。まずは流水でよく洗い、キッチンペーパーで水気をとる。細い小骨が多いね、鰯くん。フライパンに調味料や水と鰯を入れて火にかける。煮立ってきたところで、半分に割り種を取ったピーマンを加える。落とし蓋をして、しばらく煮ている。梅のすっぱい匂いがする。
なんだかとても頭が痛い。もう少しで完成するところなのになあ。途端に地面が揺れる、最近地震もおおいから地震かと思い、スマホで地震 リアルタイムと検索する。しかし地震ではなかった、どうやら揺れているのは自分の頭らしい。どことなく吐き気もしてきた。すこし床に横になることとする。鰯を煮る火を止め、少し横になる。わたしは頭痛を自分の頭からペリペリとはがすイメージを思い浮かべる。そうするとほんとうに頭痛が取れていく感じがするのだ!
一旦、起き上がって鰯の火入れを再開する。昨日作ったスープもあたためはじめ、ご飯を準備する。もう食べる気は満々だ。しばらくして鰯もよく煮えた。さあ食べようと思うと、やはり気持ち悪い。頭痛も止んでいない。なんだか、食べるのが無理かもしれない。
しょうがないので、一旦。ほかほかのズボンとほかほかの靴下も取り出してきて履く。布団に潜り込む、毛布をぐるぐると巻く。ああ、まだお化粧も落としていないのに。目を瞑って全ての情報をシャットアウトする。身体を温め、意識をオフにする。

目が覚めると夜中の1時だった。頭痛も吐き気もおさまっている。明日は会社に行かなくてはならない。いそぎお風呂に向かう。朝入るために早く起きられる自信はないが、いまから入っていつも通り起きられる自信もないなあ。もし起きられなかったら午前中は休みにしてもらおう。

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