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<マイ・チョイス―わたしがした、自分らしく生きるための選択>

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映画『パピチャ 未来へのランウェイ』をきっかけに、「自分らしく生きるための選択」をテーマに素敵な方々から寄稿を頂きましたのでまとめました。
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#映画好きな人と繋がりたい

日常に潜む女性差別に抗うために私がしている小さな選択

90年代のアルジェリアと現代の日本 学生時代に留学していたヨーロッパの国で、アルジェリア移民の学生と仲良くなったことがあります。日本のアニメや「カワイイ」文化が大好きな弾けるように元気な女の子でした。私をバイクの助手席に乗せて街を走り回ってくれたり、タンクトップとショーパン姿で彼氏と遊んだりと、かなり自由に青春を謳歌していました。  映画「パピチャ 未来へのランウェイ」は90年代のアルジェリアが舞台。自由奔放だった友達の姿からは全く想像できないほど、厳しい女性への抑圧が描か

誰も戦いたくなどない、でも、生きるために、必要な戦いがある。

 大学生のとき、大好きだった友人がいました。彼女は卒業後、24才で死を選びました。  理由はまったく分かりません。大学時代の彼女は誰よりも頭が切れ、ユーモア含んだ鋭利な言葉を紡ぐ人で、私は彼女を心から尊敬し、追いかけるように彼女に並びたいと思い、そして幾晩も幾晩も夜通し語り会うような濃密な時間を過ごしました。  プライドの高い人でした。学業でも何においても一番でいなければいけないという強いプレッシャーを生きている人で、今にして思えば、私のように“ちゃんとしてない”女が珍しかっ

私たちがまだ使っていない「選択肢に気づく映画」

 お洒落が好きな女子大生の日常と緊張感あふれるシーンを対比する。1990年代のアルジェリアを描いた映画「パピチャ」は、冒頭の数分で見る人を引きずり込む。2人の女子大生が夜、寮を抜け出して遊びに行く。タクシーの中でパーティーに合うドレスに着替え、化粧をする。 世界中のどの国でも起きていそうな、ごく当たり前の若い女の子の日常は、検問のシーンで一転、非日常になる。車内の2人はベールを被り、色鮮やかな服と化粧した顔を隠す。銃をかついだ男性に夜間外出の理由を問われると嘘でかわす。