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「空想本箱屋」

※どっかにあったらおもしろいかなと思う本箱屋を小説にしました。

富山の薬売りが、薬箱を家に置いてもらい、使った分だけ料金を払うという商売がある。
 うちの社長は、その薬の売り方から、発想して、本箱屋を始めた。
 最初に、企業に売り込んだ。会議や社長が、社員に知っておいてもらいたい本を本箱として置いてもらう。
 薬とは違っていて、専用の文庫か単行本かをあらかじめ選んでもらい、専用の本箱をこちらが用意する。もちろん本も用意する。専用の本棚を一回開けると、50円の金額がかかる。
 しかし、ずっと読む場合は、50円でいい。
 一週間に一回、二週間に一回、一か月に一回と入れ替え時期を変えられる。
 この本箱屋の良いところは、電子書籍では読めない本も取り入れられるところだ。
 古い資料も読んでもらえる。
 もちろん入れ替えのときに、その本を買い取ってもらうこともできるようにした。
 企業、家庭、カフェ、商業施設など本屋さんのなくなった地域でも置けるようにした。
 個人で本を販売したい場所に設置して、セレクトして、お金を稼げるようにゆくゆくはしていきたいと考えている。紙の本の方が、目に優しいと思うのですが。
 その社風、個人の好みで個性が出る。
 どこにもない本屋となる。本好きの会話が増えるといい。

 誰の作るどんな本箱が見たいかな。
 あっても楽しいよな。

(おしまい)

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