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長編小説『陽炎、稲妻、月の影』まとめ【完結済】

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記憶喪失の地縛霊と霊能力者の女子高生が、校内の心霊現象を解決していく物語です。
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#屋上

【長編小説】陽炎、稲妻、月の影 #1

第1話 揺らめきの邂逅――(1)  僅かに初夏の空気を含み始めた春風が、ふわりと廊下を吹き…

四十九院紙縞
6か月前
2

【長編小説】陽炎、稲妻、月の影 #18

第3話 死神の見識――(5)  ハギノモリ先生から詳しく話を聞き出したかったが、ほどなく…

四十九院紙縞
5か月前

【長編小説】陽炎、稲妻、月の影 #19

第3話 死神の見識――(6)  とうの昔に止まった心臓の鼓動がばくばくと跳ね上がる錯覚を…

四十九院紙縞
5か月前
4

【長編小説】陽炎、稲妻、月の影 #24

第4話 天秤に掛けるもの――(5)  本当に唐突で偶然のできごとだった。  授業時間中に校…

四十九院紙縞
5か月前
1

【長編小説】陽炎、稲妻、月の影 #29

第4話 天秤に掛けるもの――(10) 「なるほど、定期的にここの空気の澱みがえぐくなるの…

四十九院紙縞
5か月前
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【長編小説】陽炎、稲妻、月の影 #34

第5話 呻く雄風――(4)  次の日。  状況を鑑み、生徒の身の安全を確保する為、放課後の…

四十九院紙縞
4か月前
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【長編小説】陽炎、稲妻、月の影 #35

第5話 呻く雄風――(5)  イスルギさんがとっくの昔に去ったあとの屋上で、俺は一人、ぽつねんと考えていた。  予想だにしなかったイスルギさんの言葉に、なにかの間違いではないかと思って聞き返しはしたのだが。 『昔から何度も会ってる人の気配はわかる。間違えてない』 『姿は昔と違うけど、気配は一緒。あなたが土地神』  というように、間違いなく俺がここの土地神であるの一点張りである。  そうして俺が動揺から立ち直れないうちに、イスルギさんは俺との会話自体が面倒臭くなったのか、さっ