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単発短編小説

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【短編小説】美しい嘘

(1)――「殺せるものなら、殺してみろ。ただし、美しくな」  暗闇の森。  この辺りの人間がそう呼び畏れ近寄らない森で、少年が一人、ぽつねんと輝いていた。  輝いていた、という言葉に間違いはない。  老人のように白い髪、陶器のように白い肌、血の色をした瞳。  そんな姿で、陽の光が差さない森の中に居れば、輝いていると表現したくもなるものだ。  魔女は、そんなことを考えながら嘆息し、同時に心を弾ませる。  軽い散歩のつもりで歩いてきたが、思いがけず美しい光景に出会ったものだ―