DVDケース
水曜日担当の平林です。
この前の日曜日にアップしたのが「コントを作る過程」を見せる動画です。それをまたvimeoで分析しながら見てみました。始まって1分までどんどん離脱していきます。1分あたりで40%の人がいなくなりました。芦沢さんの「肛門に顔を書く」というセリフでピタッと下げが止まりました。
やっぱり下ネタ最強だなと。
今年のキングオブコントの結果を見てもわかります。下ネタは人の心の奥まで届くんですよね。だから今度は、下ネタてんこ盛りで撮影してみたいと思います。下ネタの話をするんだけど、いわゆる下ネタのワードは使ってはいけない、みたいなルールにしたりして。
そういえば数年前に、仕事で合宿みたいな撮影をしたことがありました。夜、ヒマになったので、みんなで「エロシリトリ」をしました。「エロいワードしばり」などというC級なシリトリではありません。そこで重要なのは「今からエロシリトリをやる」という共通認識をみんなが共有することです。そこに高級な笑いが隠されている気がするんです。
例えば「今からエロシリトリをやる」を共有して始めるとします。
「きゅうり」→「理科室」→「突っ込み」→「ミドリガメ」→「目ヂカラ」→「ラーメン屋」→「軟らかい」→「イメージ」→「地味」→「ミケランジェロ」→「ロバ」→「馬肉」→「区議会議員」
どうでしょう?すべての言葉がエロく感じますよね?自分の心の奥にある「変態」が「エロシリトリをやる」というフレームによって喚起されますよね?上のワードの中で、全くエロを喚起しない言葉はありませんよね?こういうのってメチャクチャ面白くないですか?
そうなんです。あなたも変態なんです。変態性を持ってるんです。
人間にとって、自分の肉体ほど身近で共感が持てるものは無いから、肉体と本能そのものである「エロ」をいうフレームは強烈に作用するんだと思います。
「ちんこ」とか「おっぱい」で笑うのは小学生です。でも私たちは大人なので「DVDケース」「予算」「ナスの生姜焼き」からですら、エロを喚起する事が可能なんです。ほら、もう「DVDケース」という言葉を見ると恥ずかしいですよね。
DVDケース!DVDケース!DVDケース!DVDケース!DVDケース!
今回はエロで例えてみましたが、実はこれ「内輪ウケ」の構造と同じなんですよね。内輪ウケの内側にいるともの凄く笑えるのは、共有しているフレームが強固だからなんだと思います。共有されているフレームが強固であればあるほど面白いんだと思います。
知らない他者とそのフレームをどうやって共有するか?そしてその大きさをどうやって大きくして、どうやって強固にしていくか?
途方も無い話でもあります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?