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なりたい自分(後編)

どうも、1週間ぶりです。

ぱっぷこーんと、の佐藤蛾次郎こと、須田ですねー。

最近、やたらと見た夢を覚えていて、夢占いをする事にハマっています。今日は携帯が壊れる夢を見たのですが、これは人間関係に色々と不安を持っていたり、人間関係に関する何かを暗示しているらしいのですが、特に気にはしてません。自分が気になる事だけ、信じてます。

さあ、今日はなりたい自分(後編)になります。

平林監督も言っていましたが、完結するのか、はたまたまだまだ続くのか。楽しみにして読んで下さい。

中編の続きからなので、映画俳優を目指す浪人生になった所からですね。

浪人中はやはり大学を目指さなければならないので、予備校に通います。

須田は池袋にある、某大手予備校に通っていましたが、本当に高校の授業みたいな感じで、朝から予備校に行って、夕方には帰り、そこからバイトに行く。そこから普通の浪人生は帰ってからさらに勉強するのだろうが、映画俳優になりたかった須田は勉強よりも、演技が勉強したい。と思い、TSUTAYAで映画やドラマ等をレンタルして家に帰って観る。の生活を繰り返していた。

そんな生活を続けて行くうちに、何も起こらない毎日に、再び飽き始めた須田は、

「こんな生活を続けていて、意味があるのか?、何一つ夢に近づけていないんじゃないか」と、思春期特有のスーパー不安症が発症する。

段々と勉強も疎かになり、やっぱり俳優になりたい。どーしたら俳優になれるのか?ばかり考える毎日に。

そんな時、バイト先の先輩に色々と相談をしていた須田は、ある雑誌を紹介される。

「オーディション」と言う雑誌で、今もあるのかは解らないけど、色々とオーディション情報が掲載されている雑誌で、大きな事務所から小さな事務所までのオーディション情報や、映画やドラマ等のエキストラ募集なんかが掲載されていた。

その雑誌をみて、演技経験も無いし、いきなり大手事務所はハードルが高いだろう。と、かなり弱気になり、小さな事務所の情報を色々と見て、そんな中で、

演技経験無しでも大丈夫。簡単な面接とカメラテストのみで、オーディションをしてくれる。と書いてあった、聞いた事も無かった事務所の記事を見つけて、早速応募をしてみる。

履歴書を書き、自分が1番カッコ良く写っていると思う写真を選んで同封し、書類審査受かれっ、と近所の神社にお願いしてから、郵便局から送った。

ハラハラしながら、書類審査の結果を待ち、

自分のPHSがなるべく圏外にならないように気をつけながら過ごした。

すると何日か後に、会社で面接をして、簡単なカメラテストをしてくれる。と電話をもらい、喜びが、大爆発。有頂天になり、直ぐに服を買いに行き、めちゃくちゃ決め込んで、その会社まで出向く。

人生初のオーディションだ。

不安と緊張でガチガチになりながらも、面接で、何故俳優になりたいのか、今までの人生での夢からの挫折の話など(前編、中編、のお話)をしたり、好きな俳優さんを聞かれて、当時は特に永瀬正敏さんが好きで、憧れもあって、須田も髪型真似してたり、カッコ良さに憧れを抱いている、自分の現実を見られていない、やばいカッコつけ野郎だったので、今思うと、物凄く恥ずかしいけど10代の頃ってみんな、そうだったんだと思う。憧れの人に近づきたい、女の子にもてたい。だけの心で動いていたんだなぁ。若いなぁ。恥ずかしい事もいっぱい言ってたんだろうなぁ。緊張し過ぎてたので、何を言ったかまでは全然覚えてないけど。ガチガチの面接だった事は何となく覚えてる。

そして、カメラテスト。

人生初のカメラテストも、緊張しながらもやたらカッコつけて笑顔を作らず、鋭い表情ばっかり作ってカメラを睨む。みたいな感じでやっていた。恥ずかしい。何をカッコつけてるんだ。今の須田からは想像もつかない。鋭い表情て。笑

案の定、カメラマンさんに、表情硬いから、もっと笑顔で、笑ってって言われても、笑い方も解らず、カメラマンさんからは、硬いよーっ、もっと柔らかい表情でーっ。て繰り返し言われた事も今書きながら蘇って来た。その後も、色んな表情やポーズを取らされて、カメラテストも終了。

その後、再び面接をしてくれたマネージャー的な人と面接みたいな感じでお話しながら、合否の発表。

結果は如何に。

まさかの

合格!!

やったーっ!!

やったよ、母ちゃん。

心の中にこの上ない幸福感と興奮を感じながら、ここから役者須田の人生がスタートする。

見てろよー、ここから伝説を作ってやるーっと意気揚々と興奮状態の須田に、先程までお話していたマネージャー的な人から、須田には???な言葉が掛けられる。

マネージャー的な人「所属するに当たって、色々なオーディションに売り込みをする為に、宣伝用のプロフィールを作らなきゃ行けないので、その撮影費用が8万6千円必要だけど、大丈夫?」

須田「????、どう言う事だ???これは、俳優になる為の第一歩で、俳優になる為には、必要な物なのか?これが無いと須田の夢は叶わないのか?」

勇気を出して、須田は聞いてみた。

「その、宣伝用のプロフィールは何故にそんなにお金がかかるんですか?」と。

答えはこうだ。

「須田君が沢山仕事が取れるように、この業界では、かなり有名なカメラマンさんに撮影をお願いして、プロフィールを作るので、それなりに、最初はお金がかかるんだけど、所属した後は沢山お仕事も入るから、その費用なんか、直ぐに元が取れるから、一緒に頑張って行こう。須田君には、何か光る物を感じるし、私に任せて。夢を叶えよう。」

今思うと、かなり怪しいし、胡散臭さしかない。何故、そのお金が自己負担?所属俳優になるんだから、それは会社が持つものじゃないの?

ただ、当時の須田は右も左も解らない、純粋に映画俳優になりたい10代の夢と希望に溢れた若人。

マネージャー的な人のその言葉は、嬉しくて、頼りになるし、この人なら須田を解ってくれる。この人について行こう。そんな単純な気持ちで、その人を信じて、

「ありがとうございます。宜しくお願いします。」と、契約書にサインをして、後日撮影の日にお金を支払う約束をして、家路へと急ぐ。

そこから、その日の出来事を親に話して、俳優になる夢を叶える為に、事務所に所属出来たけど、プロフィール撮影の為に8万6千円を払う旨も伝えた。すると親からは、

「そんなもんにそんな金がかかる訳ないだろっ。」と当たり前のお言葉。ただ、その時の須田は舞い上がり、その夢が目の前にある。今これを逃したら、勿体ない。何とか親を説得しなければの考えしか頭にない。平行線を辿る話し合いは、長時間に渡り続けられ、須田は全く考えを変えない事を親も受け入れて、条件を出された。

大学に絶対に行く事と、その撮影費用は絶対に自分で払う事。

これが親からの絶対条件。

夢を持った若かりし須田は、その条件を守る事を約束し、8万6千円は持っていなかったので、一先ず足りない分はその場で親から借りて、毎月1万円ずつ返す約束をして、5万円を借りて、プロフィール撮影に望む。

撮影は事務所の一室で行われ、そこに居た業界では有名だと言っていた貫禄あるカメラマンさん(多分事務所のスタッフさん)に、沢山褒められながら、撮影をして、気持ち良くなった辺りで撮影は終了。

実際1時間くらいかけて、衣装も変えたりしながら撮影したので、その時は、

「芸能界ってすげーっ、こうやって俳優さん達は第一歩を踏み出すんだ。」

と、須田は夢いっぱいの気持ちで撮影を終えます。

すると、直ぐにマネージャー的な人が須田にこう言います。「須田君、可能性の塊だから、私が既に1個仕事取って来たよ。」って。

いやいやいや、今思えば、宣材写真撮る前に仕事取れるんかいっ。て突っ込みたくなる絶妙なタイミング。ただ、その時の夢追い須田は、「まじか、スゲぇ、直ぐに仕事が入るなんて、俺やっぱり俳優を目指してよかった。」とスカスカな頭で喜びを感じるのでした。

マネージャーから伝えられた最初の仕事は当時沢山あった2時間ドラマのサスペンス的なやつ。

「すげー、事務所に入った瞬間にドラマに出れるなんて、夢みたいだ。演技はまだやった事ないけど、大丈夫なのか?でも、やるからには全力でアピールだ。どんな役なんだ。」

と、須田はウキウキワクワク。

マネージャーさんからは、当日現場に行って、担当のスタッフさんから指示されるので、その指示に従ってね。と時間と場所を説明され、スーツを持参して行く事だけを言い渡された。

凄い、その場でスタッフさんから指示を出されて演技をするなんて、ドラマってそんな感じなのか。と何も知らない須田は意気揚々と言われた日時に現場に向かう。

すると、集合場所には沢山の人がいて、名前を聞いていた担当のスタッフさんに、事務所名と名前を伝えると、「須田さんは今日は新聞記者の役です。」と。

すげー、初めてやる役は新聞記者かー。

楽しみだなー。どんな台詞があるんだろう。

すると、また別のスタッフさんがやって来て、今日の撮影の趣旨を説明されます。

須田の他にも沢山来ていた人達も須田と同じ記者の役で、用は記者会見の会場で沢山来ている記者の役を沢山の人でやる。そう、簡単に言うと、エキストラの1人を須田はやったのです。

しかし、初めて撮影現場に行った須田は、こういう仕事が第一歩でこれから、どんどんステップアップして行くのだ。と嬉しくなったのも覚えています。

勿論、会見をやるメインの役者さんは何度もテレビで見た事がある役者さんの方達で、初めて生で見た芸能人に興奮しました。撮影前に気さくに須田や他のエキストラの人達にも話かけてくれて、やっぱり売れてる役者さんは凄いなーと思った事も覚えています。

そして、いざ撮影になる前にスタッフさんから、指示があります。

沢山のエキストラ役者さんの中からも、選ばれし人は単体で台詞をもらって言ったりするのですが、その日、須田は単体の台詞は貰えずに、記者会見の途中で答えが詰まる役者さん相手に皆で、「どーなんですか?、答えて下さい。」的な台詞を言う。

須田の記念すべき、俳優デビューの台詞です。

嬉しかったなー。一つ夢が叶った瞬間でもあるのです。

その後、記者役のメインの役者さんが他の役者さんと会話をしてる後ろで、エキストラの記者達も談笑してるシーンの撮影もありました。

ここは、台詞も決まっていなくて、後ろで何となく話ている感じが出ればいいので、5、6人でグループを作って、話をしている感じで大丈夫です。と言われ、須田は初めての撮影の現場だし、こう言う所で目立てる人が成功する人なんだ、と大きな勘違いをし、そのシーンが始まると、自己アピールをする為に、大きな声で話始めたのです。すると、すぐに、

「カーット」と大きな声で撮影が止まります。

AD的な人が一目散に須田に駆け寄り、

「声でけーんだよっ。シーンの邪魔するなっ。」て怒られた。

「えっ、なんで?好きに会話していいって言ってたじゃないですか?」と呆気に取られていた須田に、ADさんは、「○○さんが台詞を言うシーンなんだから、お前の声が入ったら邪魔なんだよっ。」と。

そら、そうだ。メインの役者さんを撮っているのだから、後ろで写っているかも解らない若須田が、メインの役者さんを邪魔していたら、怒られるわ。

でも、初めての撮影は楽しく、自分的には満足の俳優デビューでした。

その後も、大体、月に1回のペースで、エキストラの仕事が入る。

某コンビニエンスストアのCM(ただ土手を歩く)某清涼飲料水のCM(劇場の沢山の観客の1人)某通販サイトのCM(野球場の観客の1人)等々。月1ペースでエキストラをこなして行く。ギャラは大体5,000円~8,000円くらい。

んーっ、何か思ってたのと違う。

エキストラで現場に行くのは嫌ではなかったし、俳優さんになる下積みだとは思っていたけど、何かドラマとか映画のオーディションとか受けて、それに受かってドラマとかに出たい、ちゃんとした役が欲しい。と徐々に思って行く須田なのでした。

今日もここまで。

やはり長くなって、後編では終わりませんでした。

次回にはゴールに辿り着きたい。

ゴールまでが近そうで遠い。

来週は、怒涛の大学編に突入します。

長々とお付き合い頂きまして、申し訳ない。

来週も書くからねー。

ありがとねー。

また、来週です。


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