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使用済紙コップの再利用をスタート!~紙コップを板紙に~

2023年9月、PAP.COFFEEは東京/原宿にてカフェをオープンいたしました。ブランド名の「PAP」は「PAPER(紙)」の頭3文字であり、カフェの場から「紙と人(Paper And People)」、そして「人と人(People And People)」をつなぐという想いが込められています。このnoteでは、企画運営を担う三洋紙業株式会社の制作裏側や、PAP.COFFEEの活動について発信をしていきます!

1.紙の魅力に「触れられる」カフェ

PAP.COFFEEロゴ

紙加工業に携わってきた三洋紙業株式会社が、カフェブランドコンセプトを決める中で常に軸にしていたことが、「紙の魅力や可能性」に向き合うということでした。

紙という素材は「様々な触り心地がある」「破れる」「経年変化する」「匂いがつく」「色が変わる」といった特性を持つ循環型素材。ペーパーレスが推奨され紙のあり方が問われる現代であっても、紙そのものの魅力は様々な可能性を秘めています。

PAP.COFFEEでは「紙ならではの魅力」に焦点を当て、カフェという場を通じて、多くの人が紙に触れるきっかけを作りたいと考えています。

店内では机や椅子、6種類のカップスリーブ、折って完成させるショップカードなど、あらゆる紙製のアイテムを使っています。

今後、様々な紙アイテムの制作裏側を今後発信していく予定ですのでお楽しみに!

2.オープンして実感した紙コップを廃棄することへの抵抗感

紙の特性が楽しめるショップカードやカップスリーブは、世界中からお越しになるお客様とコミュニケーションをとるきっかけにもなり、紙の楽しさが言語を超えていくことも実感しています。

完成したPAP.PUZZLE

昨年末実施した〈白いピースに色を塗る〉PAP.PUZZLE企画では様々な言語が飛び交う世界に一つだけのパズルアートが出来上がりました!

しかし一方で、日々発生する紙コップの廃棄量を実際に目の当たりにし、紙を廃棄することへ抵抗感をもったことも事実でした。

「紙の楽しさに触れてほしいけど、紙を使うからには使い捨てにするのではなく、回収してまた使いたい、、(悩)」

紙の魅力を伝えることを軸にした事業だからこそ、想いを込めて提供した紙素材を廃棄するのではなく、二度三度と再利用できる循環方法はないかと探り始めました。

3.日本製紙株式会社さんと紙コップリサイクルのしくみをつくる

頭を抱えながら関係各所にご相談していたところ、日本製紙株式会社さんにて使用済紙コップを板紙へとリサイクルできそうだということが分かりました。

「板紙」という紙は業界で仕事をしない限り聞きなれないかもしれませんが、実は紙箱や紙容器、店内什器など生活のあらゆるところで使用され、古紙利用率が高い素材でもあります。

ジグソーパズルに使用されるグレーの厚紙もこの「板紙」とよばれる紙です

かねてから使用済紙コップは日本製紙グループの技術においてリサイクルが可能でしたが、回収スキームが構築されていなかったことから廃棄処理されていたそうです。

しかし、PAP.COFFEEでの取り組みにより使用済紙コップの回収が可能になり、回収した使用済紙コップを日本製紙草加工場において板紙原紙としてリサイクルする仕組みをつくる運びとなりました。

そして、草加工場で抄造された板紙原紙は、PAP.COFFEEの運営会社の関連会社であるオーシャンパッケージ株式会社にて、紙製品にて生まれ変わるという循環をつくるに至ることができました!

4.店内使用済み紙コップが紙製品になるまで

以下のような手順でPAP.COFFEEの店内で発生した使用済紙コップは紙製品に生まれ変わります!

①PAP.COFFEEにて、使用済紙コップの回収活動を実施し、回収した紙コップを集積する。

②集められた紙コップを日本製紙グループの東京資源株式会社へ納入する。

集積された紙コップ

③東京資源株式会社にて、製紙原料として製紙工場に納入が可能な状態に処理・加工を行う。

④日本製紙草加工場へ納入し、再資源化。板紙原紙にリサイクルする。


日本製紙(株)草加工場で再資源化

⑤リサイクルされた板紙原紙を三洋紙業の関連会社であるオーシャンパッケージ株式会社で紙製品に生まれ変わらせる。

日本製紙(株)草加工場にて板紙原紙に

5.まとめ

「塵も積もれば山となる」という言葉があるように、一回一回の回収を重ねていけば年単位で再利用できる紙コップの数は何千、何万となります。PAP.COFFEEでは、資源を使い捨てにするのではなく、再利用などを通じてより良い使い方をこれからも探っていきたいと思います。

今後も定期的に裏側を発信していきますのでお楽しみに!

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