【読むだけで頭がよくなる】eSports市場が拡大する為に必要なこと PART 2
どうも、スマブラ大好きマンです。
前回のnoteでeSports市場のポテンシャルについて説明しました。
今回はこのポテンシャルを最大限生かし市場が拡大する為にはいったい何が必要かを模索したいと思います。
市場ポテンシャルについてのnoteを見ていない方はこちらから見れますので、是非合わせてご覧ください。
eSports市場のポテンシャル~eSportsは儲かるのか?~
では、早速市場を盛上げるアプローチについて考えていきましょう。
1.ユーザの拡大の条件
前回のnoteで競技人口は420万人程度と推定しました。
ですが、皆さん気づいているかと思いますが、必ずしもユーザ・ファンと競技者は一致しないことが言えます。
ユーザ・ファンと競技者をベン図にするとこんな感じですね。
例えば、私の妻ですが、サッカーの日本代表戦は一緒に見ます。
が、彼女は陸上系スポーツはてんでダメなのでサッカーなんて学校の体育で強制的にやらされた経験しかありません。
競技人口の定義が過去1年間にその競技をやったことのある人だとすれば、妻は競技人口に含まれませんが、サッカーのファンではあります。
つまり、市場を拡大させるためには、競技者だけを取り込むのではなく、競技をやったことのない人も取り込む必要があります。
これは経営学的にいうとキャズムを超える必要があるといいます。
ちょっと難しい話ですが、超わかりやすく簡単にまとめるので少しばかりお付き合いください。
こちらがそのキャズムの図です。
縦軸がユーザ数、横軸が時間軸です。
市場にサービスや商品が投下されたときに最初に価値を感じてくれるのは
イノベーターやアーリーアダプターと呼ばれる変わり者たちです。
彼らはそのサービスや商品の本質的な価値を感じているので、周辺価値にはあまりうるさくありません。
配信者とかで例えるならば、登録者1,000人くらいまではそこまで大した設備がなくてもトークだけで人を集められる状態とかです。
バックグランドの音声や派手な演出がなくても、トークさえ聞こえればよいというスタンスで聞いてくれます。
このイノベーターからアーリーアダプターまでは順調にユーザやファンを伸ばしていけるのですが、ここからメインストリームにいくのに大きな壁にぶつかります。
これがキャズムといわれるものです。
先の配信者の例だと、登録者1,000人までは1か月でいったけど、そこから3,4か月たってもほぼ横ばいにしかならない状況などがキャズムにはまっている状態です。
このキャズムを乗り越える為には、本質的な価値以外にも周辺価値を追加していく必要があります。
例えば、品質の高いマイクを買って音質を上げるとか、サムネにめちゃくちゃこだわるとか、バックグランドの音声のコンテンツや音量にこだわる、トークテーマをより一般人受しそうなものに変えるなどです。
こういった細かい改良を重ねて初めてメインストリームに行くことができ、ユーザを伸ばせることになります。
少し長くなりましたが、eSportsも大会などが行われユーザ数なども伸びている状況だと思います。
ただ、早ければ今年2020年キャズムにはまるのではと予想しております。
理由は単純でそのゲームの経験者しか基本的に会場に来ない、視聴しないという状況だからです。
妻をウメブラに連れて行ってもすぐ飽きて帰りたくなるでしょう。
そして僕だけが盛り上がって後で怒られるのが目に見えています。
ではキャズムを乗り越える為にはどうしたらよいのか?
次でその方法を語ります。
2.メインストリームを定義せよ
キャズムを超えてメインストリームに打って出るといいますが、このメインストリームにいるユーザとは誰なんでしょうか?
正確に言うとゲームをあまりやらないユーザなのですが、もっと具体的なイメージがないと戦略を立てようがないので、20代女性と考えてください。
あまり性別でどうこう言うのも不適切ですが、マーケティング的に見れば女性に受け入れてもらえるサービスは成長しやすいということが言えます。
他の興行でみてもプロレスなどがその典型例でしょう。
プロレス団体の新日本プロレスはプ女子というブームを巻き起こし、これまでプロレスとは縁の遠かった女性を取り込み市場を盛り上げました。
ちょっと古いデータになりますが、2014年12月時点で新日のファンクラブの4割は女性ということがわかります。(参考サイトはこちら)
新日本プロレスオフィシャルファンクラブの男女比率は、女性が約4割(2014年12月現在)を占めます。昨対比では約120%となる増加率を記録するなど、 “プロレス女子”(プロレスを観戦しに行く女性)が急増しています
その結果どん底だった新日は息を吹き返し過去最高の売上を更新しています。
※画像は、NewsPicksさんのTHE UPDATEのプレゼン資料です。
では女性を以下に攻略するかがカギと分かったところで、どのようにして女性を取り込むかを事例を通じて見ていきましょう。
3.キャズムを超える
新日プロレスの他にも女性ユーザを盛り上げ売上を拡大させた事例は多くあります。
例えば、カープ女子などもその最たる事例です。
プロ野球だと他にはDeNAベイスターズなどがあげられます。
今回はDeNAの事例を深堀して、女性を取り込んだ戦略を参考にeSportsで応用についてみていきたいと思います。
DeNAの取組は一言で表すと野球観戦を売るのではなく野球観戦を含めた体験を売るということにつきます。
体験を売るとはどういうことなのか?
イメージをつける為に施策ベースで見ていきましょう。
①花火のショー
DeNAの本拠地であるハマスタではベイスターズが勝利すると花火のショーが行われます。
©YBD
野球観戦自体が「わー」「きゃー」一緒に言いながら盛り上がれるコンテンツなのに加えて思い出に残りやすい一ページを作れる工夫をしています。
②オリジナル鋳造ビール
また、球団オリジナル鋳造ビールでこんなものも用意しています。
©YBD
HPの売り込み文句が
ビールが苦手な女性もおいしく楽しく飲める数量限定の球団オリジナル醸造ビール「BAYSTARS Make me Happy ALE」発売!
なので明らかに女性をターゲットにした商品を取りそろえていることがわかります。(参考サイトはこちら)
③人気キャラクターとのコラボ
試合終了の花火や観戦しながら楽しむビールの他にも試合の間にやるショーイベントも工夫をしています。
例えば、キティちゃんがDJとして登場するショーとかも実施したりしています。
他にも韓流スターが歌唱を披露したりと野球観戦を盛り上げる為に、野球以外のコンテンツを投入しまくっているのです。
これらの取組によってDeNAの野球観戦は単なる野球を観るものから、女性でも楽しめるデートスポットに昇華していることがわかります。
キティちゃんがDJを披露することで可愛いし笑えるし、
一緒にビールを飲みながら花火も見れる。
あーアオハルって感じですね。
このアオハル感を提供して成功したのがDeNAといえそうです。
野球観戦を体験の一部とみなし総合的なエンタメを創り上げるというアプローチが重要そうだと言えそうです。
4.eSportsへの応用
DeNAの事例を基にeSportsへの応用を考えてみたいと思います。
超絶アイディアベースですが、今後メインストリーム市場に挑む為にもいい意味で既存の考えを壊す必要があると思うので、今のeSportsの現場からはむしろあり得ないと思えるくらいのもので考えました。
A)親子で来るテーマパークか
これはそこまでぶっ飛んでいない考え方だと思います。
ゲームの体験やプロゲーマーからの指導もコンテンツに取り込んだイベントの開催です。
野球でいうところの選手と子供たちの交流会みたいなものです。
©TYS
狙いは子供の取り込もそうなのですが、一緒に来る親御さん特にお母さんをターゲットにします。
イケメンプレイヤーなどにスポットライトを当てることで、子供がきっかけで来たけどむしろお母さんの方がハマっている状況を作り出すのです。
なおこれは草の根活動に近いので、やり方などの工夫よりもどんだけやるかの実行力が重要になる為、これ以上の戦術などはあまりないです。
B)大会空間をクラブにする
これは賛否両論あると思いますが、結構現実的な空間設計だと思います。
従来のゲーム好きが集まるオタクイベントではなく、イケテル人が行くフェスにeSports大会を変えてしまうのです。
大会中はDJがいて常にEDMが流れていて
バーカウンターとかも設置してお酒が楽しめるようにしたり
各所にモニターを設置してどこでも試合が把握できるようにし
とりあえず会場に行けばゲームがわからなくても盛上げることができるようにします。
現在あるパイプ椅子も取り払います。
観戦を楽しむ為には確かに椅子が必要ですが、今回はいかに裾野を広げるかが重要になります。
どうしても椅子があると、ガチ勢が前の方を陣取り、ちょっと気軽に観戦しに来た人が後ろの方に座るという断絶や温度差みたいなものが生じやすいです。
実はこの温度差みたいなものがメインストリームを取り組むのに大きな障害になります。
前の方はなんか楽しそうに盛り上がっているけど、僕がいる席で歓声を上げるとなんか浮きそうだなとかがあったりします。
なので、椅子を取り払うことによって、"ここの区画はガチ勢の場所"のような断絶を取り払い、どこでも自由に観戦ができる状態にすることで、誰がどんなタイミングで来た時でもそこかしこで盛上げれる状態を作り出すのです。
いい意味でEDMとクラブの暗がりの雰囲気は頭を馬鹿にしてくれるので、
スーパープレーを見て隣の知らない他人と「おおお~」と盛り上がりやすくなります。
そしたら、その時点でその人はeSportsの虜になります。
勝ちですね。
もちろんこの空間形成はそれなりにコストがかかるかつ、予選など端末やモニターが多数いる場合は実現が難しいでしょう。
ですが、本選などで取り入れたり、小規模なバーイベントみたいな形でやってみるのも面白いのではと思います。
5.終わりに
いかがだったでしょうか。
ちょっとぶっ飛んでいてネタにも聞こえそうですが、メインストリームに挑む為にはそれくらい今までとは異なったパッケージで体験価値を提供しないといけないとも言えます。
野球観戦で花火を見るって今では腑に落ちますが、初めてやった時はただの野球好きのおっさんからしたら意味がわからんと思いそうですよね。
いわゆるコアで古参ファンが意味わからないと思うところに実はヒントがあったりするというのも事実なので、一考の余地はあるのかなと思ってます。
ただ、メインストリームに市場が拡大したとしても、全ての市場関係者が良い方向に向かうのかというと必ずしもそうではないとも言えます。
どこのポジションの人がどれくらい便益を得られるのかは、次回のnoteで説明していきたいと思います。
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