東京都の太陽光パネル設置義務化に思うこと

 本日(2022/12/15),東京都議会は全国で初めて,一戸建て住宅を含む新築の建物に太陽光パネルの設置を義務化する条例を可決したと報道があったが,ネットでのコメントを見る限り,ほとんどが反対のものばかりだった。その反対の理由には
 ①太陽光パネルは中国製が支配的でジェノサイド問題を抱えている
 ②東京都は狭小住宅が多く日照もよくない
 ③太陽光パネルの廃棄は有害物質を含んでいて問題である
などなどを多く見かける。でも,一般都民の多くが思ってるのは,新築一戸建を自分で持つのに「見た目(外観)が必ずしもスマートでない太陽光パネルの設置を押し付けられる」というのが単純に嫌なのだろうと思う。要は自治体のエネルギー問題に対する受忍性より,個人の住宅問題に対する忌避性が勝ってるのだろう。
 で,上記に挙げた三つについて,少し私見を述べる。都民でないので好き勝手な言い方になるかも知れないが,そこはご容赦を。

①太陽光パネルは中国製が支配的でジェノサイド問題を抱えている
 これは「現下」の問題であって,約2年後の2025年の条例施行までに対応を考えればいいだけの話。この間に国産技術開発を加速・強化するとかで国内のビジネスチャンスを創り出し,中国製支配からの脱却を図ればいいのである。ここ最近の日本の科学技術は,昔の技術・製品に固執し,世界の新しい技術には排他的・海外依存の傾向で,衰退の一途を辿っているようにしか見えない。自動車業界のEV,電子業界の半導体などが典型だろう。

②東京都は狭小住宅が多く日照もよくない
 これも「現下」の問題であって,今後は太陽光パネル設置を義務とした新築物件となるわけだから,当然ながら日照のいいところを住宅地とする方向になるはず。そうでなければ住宅は売れないだけ。また,夢見る?マイホームに見た目がよくない太陽光パネル設置を押し付けられるのが嫌なら,都外で持てばいいと思う人もでてくるだろう。なにしろ,コロナ禍でリモートワークが社会認知されるようになったし。

③太陽光パネルの廃棄は有害物質を含んでいて問題である
 これは,放射性廃棄物を処理できる技術があるのだから,その技術を転用すればいいだけの話。技術もコストも原発業界産業よりも格段に安くなる。

 最後に,脱炭素には再エネではなく,原発をとコメントする評論家?をネット上で見かけるが,そもそも東京都を含めた電力を大量に消費する都市部には原発がないのです。なのに原発は必要という都市部の人間は,原発を身の回りから遠ざけて忌避ができてるからそう言うに他ならないと考える。たぶん,原発サイトでの廃炉跡地に,原発に代わってメガソーラパネルを設置して都市部に送電するっていう話になれば,彼らは強く反対しないのではないかと思うし,原発を都市部に移設するという話になれば,今の太陽光パネルの義務化以上に手のひら返しで強く反対するに違いない。

都市部の人間は,電気は「よそ」から送ってもらえるという考えをもう捨てる時代だと認識すべきかも知れない。東京都の太陽光パネル設置義務化はそういう認識を改める機会の一歩と捉えるべきかも知れない。


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