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リモートコミュニケーション研究会 ~課題設定編~

第三回リモートコミュニケーション研究会を実施しました。
今回の議題は、「リモートコミュニケーションで困っている人たちの課題って何?」でした。

実施概要
日時:2020年5月5日、昼下がり
研究会メンバー:navy、くまさん、こだてん、シャム、ザク(記)
ツール:Zoom(有料版で時間無制限)
議題:
・困っている人たちの課題(ワ―パパを主語にして)
・工夫点の共有
・工夫しても残る課題の掘り下げ

前回の研究会報告(雑談編)はこちら


1. 誰の課題に着目するか

今回の研究会メンバーにパパレヤマの、ワ―パパ(navy、ザク)が入っているということもあり、ワ―パパを主語にしてみることにしました。

navyとザクのほうで、事前に、実際に平日どんなふうに過ごしているか洗い出してみました。

軽く二人で話したときは、①多くの部署を巻き込むときはオフラインよりも場の設計に注意しなければいけないこと、②朝はオンモードのミーティング、昼は情報連携のためのチャット、夜は同僚と雑談Zoomといった使い分けをしているなど、それぞれの課題感、工夫をシェアしました。

2. 困っていることを一覧に

事前ワークのあと、この会議で、困り事を整理してみました(粒度はさておき、一覧にしています)。

①相手がカメラを切っていたり、マイクを切っていたりすることで、相手のノンバーバルな反応が見えなくて緊張することがある

②ソーシャルグラフにすると遠い距離にある人とは、オンラインミーティングをやりづらくなる

③お客さんとの現物確認がベースとなる業務では、イメージを伝えるのが難しい。

④場をオフラインミーティングの時よりも、より慎重に設計する必要がある(信頼関係が築けていない相手とのコミュニケーションにおいて、オンラインミーティングだと、ノンバーバル情報が使えないから、完全に「コンテンツ」の質がミーティングの質になる)

⑤ふとした相談をしたい、といったときに、相手の状況が見えないから、つい貯めがち


3. 今はどんな工夫をしている・考えられる?

それぞれの困り事に対して、今できている工夫や考えられる工夫について、議論してみました。

①相手の反応が見えなくて緊張する 
⇒マイクを買って、持って話すようにすると、気持ちが高ぶって上手く話せた。

②ソーシャルグラフ上で遠い人とはオンラインミーティングがやりづらい
⇒話しにくいことは、オフラインでもオンラインでも気さくに話せる人に、
一旦、聞いてもらって、どのように相談したらいいか相談すると上手くでできた。(オフラインと変わらないやり方)

③イメージを伝えるのが難しい。
⇒相手がわかるたとえ話、相手が受け取れるように価値・メリットを伝える
⇒クローズなクエスチョンを投げかけることで答えやすくさせてあげる

④オフラインよりも場の設計に気を付ける必要がある
⇒(もうちょっとここを深堀してみようということになりました)

⑤ふとした相談がしづらい
⇒このような困り事を抱えている人が他にもいるのではないか、と思い、何時でも話しかけていいよルーム(雑談の場)を設けて運営している


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4. 工夫をしても残る課題に着目!

オンラインのミーティングは、オフラインのそれよりも、場の設計に気を付ける必要があるという点を深堀りしました。

この課題を提示してくれた方によると、「調整する部署が多い、ステークホルダが多い中、オンラインで意思決定することができるのかどうか、まだ『できる』という感覚がつかめていない」とのこと。

そういえば、このオンラインで集まった研究会メンバーは、オフラインであったことがないけれども、なぜこんなに深く話ができるのでしょうか?それは、このメンバー間の利害関係が一致している、あるいはそういった利害関係を考慮しなくてよいからではないか、という仮説が出てきました。

ここで、シャムさんが、「コミュニケーションには、承認・相談・報告などいろいろなモードがあるよね」といった話を振ってくれ、相談なのか報告なのかよくわからない打ち合わせは炎上する傾向があることを皆思い出しました。


利害関係の調整の失敗による炎上、目的のわからない打ち合わせでの炎上、両方に共通することは何か?

⇒相手への期待・相手からの期待のコントロールがうまくできていないときに炎上する


人は、①自分が話したことに対して「相手はこのように反応するであろう」と予測したり、②相手の発言を受けて、「この人はこのように考えているのかな」と推定したりして、コミュニケーションをとる生き物ですね。つまり、期待しながら話をします。

ザクとしては・・音楽を聴取する人間の態度を思い出します。人間は、音楽の差し出してくる暗意に乗って、後続の音に期待をしながら聴いているのです。作曲家というのは、暗意と期待の時系列的な秩序を設計するエンジニアなのです。

この「期待しながら話す」、において、身振り・表情などノンバーバルな情報は大きなウェイトを占めると聞きます。人は、ノンバーバル情報をも使って、期待の精度を高めているのですね。

そうだとすると、信頼関係を、「期待が大外れしても大丈夫な関係、期待しないでいい関係」と捉えてみることができそうです。この仮定に基づくと、信頼関係の構築が途上である人との、ノンバーバル情報が使えない会話は、本当に辛そうですね。

以上の話を踏まえて、オンラインの場の設計が難しいのは、ノンバーバル情報がうまく使えないことによる、①打ち合わせ前の期待の仕込みがうまくいったのかが見えづらい②打ち合わせ中の相手の期待が読めない といったところに帰結しました。

ザクとしては・・コンテクストの作りこみにおいて(もしかしたら日本人は)、ノンバーバル情報に相当依存してきたのかもしれないと思ったのであります。同じ雰囲気の人とずっと打ち合わせていれば、設計する期待の粒度がどんどん細かくなってしまって、どんどん事前準備が大変になってしまいそうです。ダイバーシティというのは、事前のコンテクストを作りこみすぎない効果もあるかもしれません。


5. まとめ

今日のお話をまとめます。

・今日は、ワ―パパのリモートコミュニケーションの課題に着目しました。

・そして、オンラインのコミュニケーションにおいて、①相手の期待をどのように事前に設計するか②もしうまくいかなかったときはどう挽回するか の2点を考えていくこととしました。

もしかしたら、次回の前に、流山市外のワ―パパもお呼びして、リモートワークあるあるの雑談編を入れるかもしれません。

文責:ザク(パパレヤマ共同代表)


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