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DXでほぼ必ず直面する「傾きの問題」

 DX(デジタルトランスフォーメーション)で直面する問題とは何か?いくつかの組織、現場を回って感じたこと、それは

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 顧客体験を再定義、新たなビジネスを立ち上げるために、必要なこと。それはアジャイルにプロダクトを作れる内製チームだったり、仮説を立て検証し、方向性を定めていくことだったり、組織の価値観を揺さぶり変えることだったりする。

 そうした思惑は、必然と言えるくらい正しい。ただし、問題がある。それが「傾き」の問題なのだ。

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 来月にはアジャイルなチームができる?仮説検証が来週からはじめられる?意識の高さは十分だが、実際にはそれぞれ必要とされる変化量に対して期間が短すぎる。傾きが急すぎるのだ。どれだけ意欲があってもこの傾きに人は振り切られていく。

 さらに、DXはたいていの場合、逆境にある。何らかの体制、慣行上の"負債"を抱えている。これまでのXXXといった重力が働く。なおのこと、変化へのモメンタムは逆向きにかかり、取り組みを難しくする。

 実際のところ、新たな取り組みこそどれほどの時間をかければ到達できるのか、やったことがないだけに予測もつかないのだ。最初の一手として、えいやでも構わない。ただ、一歩踏んで浴びせられた洗礼に基づき、プランの見直しが必要だ。変革のためのロードマップを組みなさそう。

 そのための概念が「段階の設計」だ。

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 段階を複数設けるからこそ、傾きは現実的な角度に調整することができる。段階の設計は「何となくこんなもんかな?」ではなく、ロードマップ(青写真)として、アウトプットする必要がある。言語化、イメージ化しなければ、あくまで頭の中の認識でしかなく、取り組みに対する期待が関係者によってバラバラなままになる。

 では、どのように「段階の設計」を行うのか?こちらでその端緒をまとめている。

 より詳細は書籍「チーム・ジャーニー」をあたってもらいたい。

 DX支援に求められるのは、ときに叱咤激励しとんでもない傾きをあえて置いてともに挑むこと、ときに現実的な傾きを織り込んだ段階の設計をともに決めること。いずれの場合もある。いずれの場合も、当事者たる人たちとともに考えていくことが前提だ。

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