リアルに会って「思い込み」の答え合わせをする

 「最初はリアルで会って話して、それからオンラインを始める方が良い」という説、どのくらい周りで聞きますかね。私の周りではまあまあ聞きます。

 最初は、まあそうですねー、くらいの受け止め方をしていた。「リアルで話しておくと何か変わりますかね?」という質問に返ってくるのは「やっぱり最初はリアルで」といった感じで、要を得なかったからもある。理由ないじゃん。リアルの時代を懐かしみたい気持ちは分かる、くらいに考えていた頃が私にもありました。

 この説は、そのとおりだと思う。

 一回リアルで会っておくと、その後のオンラインでのコミュニケーションも潤滑になっている気がする。正確には、はじめましてから既にコミュニケーションが始まっている場合に途中でリアルでの会話を挟んでおくと、自分の思い違い、考え違い、捉え違いなんかがぽろぽろと剥がれていく。必要以上に入っていた肩の力が抜ける感じ。これって、正確に言うとなんなのか、説明できますかね?

 オンラインミーティングの狭いアングルで捉えている情報量と、リアルで得られる情報量の違い。確かに、顔と言葉と声の調子に限られていたコミュニケーションチャネルから、圧倒的に開いた五感コミュニケーションへと切り替わり、ヒントが山のように得られるようになる。

 と同時に、たぶん「思い込み」の答え合わせになっているのだろう。情報量が不足する中でより深く考えるために、知らずうちに自分の想像力で補強を行っている。想像の上にさらに想像を積み上げていくので、実は現実とかけ離れてしまっている。

 これまでならば想像で立てた「仮説」をすぐに、五感フル解放のコミュニケーションの中で細かく修整できていたのがそうもいかず、そのまま活かされ続けると思いもよらない仮説へと成長してしまう。その手の仮説は今ひとつ良い結果にならないか、不必要に考えすぎということにだいたいなる。

 想像力に頼るというか、そこを持ち味にして仕事してきた人には、傾向として多くなるのではないか(私もそう)。人はコミュニケーションの中で無意識に高速の仮説検証を行っているのだろう。

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