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プロダクトではなく、人の「意図」を作っていく

 何をプロダクトとし、事業を作っていくか、その切り口は大きく2つある。一つは「課題」の解決や「ニーズ」の充足。もう一つは、「課題」「ニーズ」そのものを作り出すこと。前者は課題が見つけられるか、後者は課題自体が現れてくるか、が主題になる。

 「仮説キャンバス」の「状況」はプロダクトの対象者となる条件を列挙する仮説エリアになる。対象者の条件候補は多岐に渡るが、そのうちの一つに「意図」が存在する。意図とは「〜したい」「〜したいからXXXする」という意志を表すものである。ジョブ理論で言う「Job To Be Done」に近い。正確には「Job」をどうにかしたいその背景にあるのが「意図」と考えている。

 仮説キャンバスに「意図」は現れているだろうか。「意図」があるからこそ、「行動」が生まれる「行動」が生まれる、あるいは「行動」したいからこそ、「課題」が見えてくる。「行動」したい、そうするには乗り越えるべきことがある、それが「課題」にあたる。

「意図」を捉える

 冒頭で述べた「課題自体が現れてくる」のは、こうした「意図」が存在するからである。「意図」が無ければ、考えることも行動することがなく、「課題」もない。では「意図」が芽生えるのは? 仮説キャンバスで言えば「ビジョン」や「目的」によって促されうる

 ビジョンとはこれから先にある「世界観」にあたる。望ましい世界観が提示される、見えてくることで、よりその実現に人は動いていく。一方、目的は作り手たちのミッションにあたる。それは対象者にとっては、「これまで実現してこなかった状況」が、作り手たちの熱量によって見出されていくことである。

 作り手たちの「意志」が無ければ手つかずになったまま、誰も解決に乗り出さない、状況は変わらないままだ。作り手たちの具体的な動きによって、環境が少しずつ変わりはじめる。それが、対象者の次の行動を促す、「意図」へと繋がる。

 つまり、どのようなプロダクトを作り出していくのか、というハンドルは作り手のもとに帰ってくることになる。人に、社会に、どうあってほしい、望ましい状態とはなにか、を想像することから、プロダクト作りは始まる。


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