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6年ジャーニー

 1年タイムボックスがまた回った。44歳を迎えるところであと残り6年となる。こうして節目をきちんと捉えていると、1年という単位でさえ短く感じてしまう。

 日本の組織課題の深さを思い知らされる1年だった。ゲームの「地下ダンジョンの冒険」に例えると、昨年地下10階まで辿り着いたと思っていたらそれはまだ序盤だったという感じ。そこからさらに10階くらい降りているように思う。日本の組織課題はドルアーガの塔級の深さで埋設されているらしい。

 一方で、徐々に辿り着くべきところまで来たという感覚もある。掘っていけばいくほどに、組織課題を乗り越えるための「変数」の多さに直面する。様々な制約条件を踏まえていくと針の穴を通すような取り組みとなる。当然上手くいかない。

 ゆえに条件のほうを変えなければならない。しかし、変えられる制約とそうもいかないものとがある。その見極めがどこかで出来ないと、解くことのできない「無理ゲー」にトライしているだけにもなる。

 変革には相応の「機数」が必要となる。昔のゲームはだいたい3機くらいから始まることが多くて、減ったり増やしたりしながらゲームを解くこといなる。この組織変革ゲームではどうだろうか。
 30-40年ものの組織負債に立ち向かうためにはおそらく無数の「機数」を費やさなければならないだろう。それを文字どおり体を張って人間が務めるほどバカな話はない。そんなことに人を費やしてはいけない。
 トライは人が張って務める「機数」ではなく、「回転」として捉えたほうがよい。もちろん「回転」とはアジャイルにおけるスプリントのこと。組織にアジャイルが宿り、「動ける体」が作れたならば、変革は人身御供ではなく「仕組み」で挑めることになる。スプリントの数だけ、われわれは挑戦ができる。そういうゲームにしなければならない。

 …という話を「組織を芯からアジャイルにする」のあとがきにも書いた。この本は地下からお届けした、私からのレポートであり生存記録だ。
 今やっていることを2年も3年も経ってから、体裁をきっちり整えてからお届けする、なんてことをしていたら間にあわないと感じた。何しろ、地下ダンジョンへの探検は日本中で同時並行で進行しているのだから。DXという名の下に。

 ここから先、再び地下20階をめぐる旅を始める。そこで新たに何が見つかるか。また前線からお届けしたいと思う。


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