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[読書感想文] ドムドムの逆襲

以前、ドムドムのポップアップストアで見かけたけど荷物がいっぱいで買わなかったことをずっと地味に後悔していた社長の自伝本。
今回海南のドムドムに行って思い出したので、お店でクレープを食べながらドムドムムック本と合わせて本屋から通販注文した。買ってよかった。

39歳まで勤労経験がなかった主婦が社長に!という異色のルートを経て来ている社長の自伝なので、本の半分くらい「ド」の字も出てこず、社長の生まれ、学生生活、結婚生活、政治家である夫の支え、初めての労働、居酒屋出店などの話が続く。
ただ、これが面白く、読みやすい。

ずっとドムドムで働いてそのまま社長になりました、という人だったら実際子供の頃どうだったかとかどうでもよく、自分語りになってしまう気がするが、この人の場合は「なぜこの人がドムドム社長になり、どうやって成功してきたか」ということの理解の一助となるため普通にドムドム本の一部として成り立っていた。
この人のこの経験ならドムドムに入ってそう動くのもわかるわー、となる。

しかも39歳まではマジで主婦オンリーだったので、マインドセットも「夫と家族を支える良き妻」という、今では古い認識と言われる考え方。ただもちろん、それが悪いということは微塵もなく、そのあたりで学んできたことを上手く社長業にも生かしてるんだなぁと、結構認識を改められる気持ちになる。
結局その後のアパレル業務、居酒屋経営とドムドム社長業でもやってることは「人への思いやりを大事にする」ことと、「どんなものでも夢中でやる」ことだった。まあ、この人の場合それらよりも思い立ったときの行動力とスピードが尋常ではないというのが大きいのだが。

そもそも39歳で、ギャルに混じって109のアパレルで店長代理として働き始めてしかもそれを楽しめるわ実績出すわという時点で「おや?」ってなるし、その後も居酒屋店舗を新規で作ろうと、未経験なのに銀行融資を受けようとするとか、やる気と実現力が高すぎる。あなたこそ政治家するべきでは…
海南ドムドムに「〇〇来店!」という写真があって、どの芸能人かと思ったらドムドム社長でビックリしたのだが、まあ、この人のやり方なら来店記念写真を撮りたくもなるだろうなとは思った。

ドムドム社長になった経緯もすごい。まずは居酒屋の常連がドムドム関係者で、その人から新メニュー開発の手伝いを頼まれるという時点でなんでやってなるし、そこから色々していたらポジションが上がっていく。

決算を見れるようになると堂々の赤字なのにドムドム運営の危機感が足りなさ過ぎたり、肝心のミーティングでも売上や前年対比、どこの店舗の売上が落ちたなど数字しか言わない意味の無さだったので、スーパーバイザーというだけの立場だったが上司に「私を、意見を言える立場にしてください」と頼みこみ、無理と言われてからも改善策を作って送りつけるなど…
下手すると暴走社員だが、そこをきちんと代表にしたドムドム上層部も偉い。危機感がなかったわけではもちろん無いんだろうけど、動き方がもうわからねえ!ってなってたのかな。

本としてはめちゃめちゃおもしろかったが、ビジネス書としては参考にならない!まあ、ビジネス書だとは言ってないから問題ないのか…?どちらかというとこの人の人柄が全てを上手く動かしている感じがしたし、なにより、この人働きすぎ。土日もないし休みもない。心配になるレベル。

というか、ドムドムはこの人をアドバイザーに雇ってなかったら今頃なくなってたのでは… そう考えると、社長がすごいのは当たり前だが、レンブラントホールディングスの専務という人が一番すごかったような。

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