ドタバタの先にあったもの
インプットその1
「あたしはこのパンが好きやねん。これ作って」
と、奥様が常々おっしゃっているのがこのパン。米粉仕込みのもちもち感がたまらないんだそうな。
インプットその2
抹茶にはあんこだろう、ということで、先日抹茶塩パンを作った時にサンドして食べるために買ってきた粒あん。小分けのものがなかなかなくて、仕方なく大袋を買ったために大量に余っていて、使い道に困っている。
アウトプット
これらのインプットがなされた状態で、さてどんなパンを作ろうかとネットのレシピを漁っていたところ、ほどなくしていかにも、あなたたちのために用意したのよ、と言わんばかりのレシピを発見。
白玉粉を配合したもっちりした生地には黒豆を混ぜ込み、そのなかには大福の皮に使われたりする”求肥(ぎゅうひ)”とつぶあんがたっぷり。
そもそも、求肥なんてなんとなく聞いたことがあったって程度のものを初めて手作りする、というところから難易度が飛躍的に上がるはずなのに、なぜか今回は、まあいけるだろう、という謎の自信が生まれて特に逡巡もせずこのレシピに決定。
で、作り始めてまもなく、その謎の自信を悔いることになる。
パン生地は白玉粉を配合したせいなのかなかなかこねあがらず。
なんとかこねあがった生地をオーブンレンジの発酵機能を使って発酵させている間に求肥を作ろうとしたら、求肥作るのに何度もレンジ使わないといけないやん!となって出したり入れたりドタバタ。
おまけに求肥はそこらじゅうにベタベタくっついて大変なことに。
黒豆に求肥にあんこに、と内容物が大量なのでパン生地で包むのが一苦労。
などなど、そんなこんなでしっちゃかめっちゃかになりながらも、なんとかかんとか焼き上がり。
奥様の反応
「黒豆の存在感がない。もうちょっとたくさん入れてもええんちゃうか?生地はもちもちしててうまい。また作ってええで」
まあええんちゃう、ではなくて、また作ってもええで。
つまりは、また作ってほしいってこと!
これは、ねこのてベーカリー史上最大の賛辞じゃないか??
ヨシ!
弊社コワモテ役員の反応
※前回のnote参照
本日、役員室にパンを3つほどお届け。
「オレはなあ、ちょっと塩味の効いた、ごろごろチーズの入ったパンが好きなんだ。コンビニに寄ったらそういうのを買って帰ってビールを飲みながら食べるんだ」
そういうの早く言ってよ!しかし、パンをアテにビール飲む人初めてだ。
「まあいい。これ持ってけ!」
なんと3つのパンがワインに化けた!
わらしべ長者みたい。
しばらくして、受付の女の子から内線電話が。
「おすそわけ、いただきましたー。塩味が効いてておいしかったです。あれは、黒豆に塩をしてあるんですか?」
さすが!その通り!
「役員さん、ウチのホテルのレストランで売ればいいのに、って言ってましたよ!」
・・・・
作ってる最中はドタバタ続きでイライラしながら作ってたし、見た目も豆大福みたいにならなくてイマイチだったのに、結果高評価じゃないか。
自分ではうまくいかなかったと思っていても、他人の評価も同じとは限らない、ってことをまさか自分で体験することになるとは。こういうことがあると、絶対やっちゃいけないこと(塩を入れ忘れるとか。まだ気にしてる)でない限りは、何をやったっていいのかもしれないと思えてくる。それがどういう結果になるかは、やってみないとわからないということ。
やったことのないことにチャレンジしてみるって、おもしろいよ。みんなもやってみれば?