先入観をもたずに受け入れること - チーズクッペ
触っただけでわかるその硬さ。
昨日焼いたパンは、フランスパンのようないわゆるハード系の生地にチーズをたっぷり入れたチーズクッペ。だから、皮の部分(クラストという)が硬めになるのは当然。ただ、フランスパンと違って、クラストが薄皮のように薄いのに硬い、という想定外の仕上がりだった。
しかも、いろいろ手違いもあってレシピ指定の温度より少し低めで焼かざるを得なかったのに、レシピ通りの時間で焼いたらかなり濃いめの焼き色で、焼き過ぎたのと同じ状態。クラストが硬いのはそのせいもあるんだろう。
焼き上がったのが昨日の夜だったので、味見は今日の朝に持ち越し。一晩置いたら水分が回って少しは柔らかくなるかなと思っていたら、なんのなんの。
香ばしいっちゃあ香ばしい。焦げ一歩手前といえばいえなくもない。おかげで、アクセントのために振りかけたブラックペッパーの風味もどこへ行ったやら。味は悪くないけれど、どうも想定していた仕上がりとは違う。
反省しきりの面持ちのまま、奥様の反応を待つ。
「いや、わりとおいしかったで。ハード系やったらこれくらい硬いパンはあるし」
あれ。なんといつも辛口の奥様がほめている。
理想形との比較で判断することと、先入観なく判断することとの差。
またその”真理”を実感する結果となった。
ひょっとしたら新作のパンなんて、意外とそういうところからできあがるのかもしれないな、と思ったら、気が楽になった。
いつぞやの、「塩を入れ忘れる事件」に比べれば、おいしく食べられるだけずっとマシだし(まだひきずっている)、これはこれで一つの週末ベイカーとしての経験だと考えて次に活かしていけばいいのだ。
前を向いて歩いていこう。
(とはいえ、思い通りのパンを焼きたいなあ・・・)
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