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「話しかけてやるもんか」の顛末 #15分note

きっかけは、ほんのちょっとしたこと。

先日奥様と言い合いになった。
ケンカなんてほぼしたことがないし、口論も半年に1回するかどうかのレアもの。

奥様は口喧嘩の絶えない家庭で育ったそうで(仲は悪くない)、口はまあ達者。達者というより、つじつまが合おうが合うまいが最後は自分が何か言い残して終わらないと気が済まない。

長い付き合いでそんなことは百も承知なので、私は早々に会話を打ち切る。

奥様は、言ってやったと満足しているので終わったらケロッとしていつも通りのテンションに。こちらは言いたいことを言わずに打ち切っているのでちょっとしたわだかまりを抱えたままの状態。

だから、自分からは話しかけてやるもんかと仏頂面で過ごしているが、奥様はどうも人の心の動きには鈍感で、そんなことにはいっこうに気づかず、ごく普通に接してくる。

そんな気持ちを晴らすには、いつもより多めの小麦粉をボウルにぶちまけて、思いっきりこねてやるのがよさそうなんだけれど、さすがに平日の夜中に突然パン生地をこねだしたら、頭おかしくなったのか?と思われるのがオチなので、結局自分の気持ちが自然に収まるまで待つしかない。

と思っていたら、今回はちょっと違った。

お腹がとんでもなく痛いので会社を早退した、という奥様のLINEが。

さすがに体調を崩されると、知らんぷりするわけにもいかない。
ずるいね。
いや体調が悪いのにずるいはないね。

ときどき具合を確認したり、食べやすい食べ物を用意したりと、なんやかんやお世話を焼かざるを得ないので、「話しかけてやるもんか」は自然に少しずつ小さくなっていく。

そしてまた、週末がやってきて二人で過ごす時間が多くなると、きっと「話しかけてやるもんか」はなくなってしまうんだろうな。

奥様は平然としていて自分だけこんなに気持ちが揺れるのはちょっと不公平じゃないか?なんて思うこともあるけど、これはこれでいい組み合わせなのかもしれないね。だからこんなに長い間夫婦をやれているんだ。

さて、この週末はどんなパンを作ろう。甘い甘いパンでも作ろうか。

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