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良心とつけこみ

こんにちは、20年ものプログラマーです。今回はプログラムと関係ない事を書きます。

今日、こんな事がありました。

市場で買い物をしていると、杖をついた中年の黒人男性が近づいてきて、「少しお金をめぐんでくれないか」というような事を笑顔で言いました。

私は、いろいろな理由から、なるべく物乞いにお金をあげないようにしています。それで「ごめんなさい」と言って首を振りました。

すると、人が変わったように「おまえはエゴイストだ!なんでくれないんだ!地獄に落ちるぞ!困っている人を助けないなんて!」と耳元で怒鳴ってきました。

これだからお金をあげたくないんだよ・・・。こういう人は、少しのお金をあげても感謝しないんだ。それどころか「お前は金があるんだろう。もっとくれよ」と言ってきたりするんだから。

それに、本当に困っている人なのかどうか、見た目にはわからないんです。杖をついているけど、人のたくさんいる市場の中を歩き回ってお金をせびっている、という事は、頑張れば働けるレベルです。

もちろん、不景気だから仕事を探すのは難しいと思うけど。それでも、市場
の中でお金をせびる努力をするぐらいなら、仕事を探す努力をすれば?って思っちゃいます。

私は、人の良心につけこんでくる人が嫌いなのです。

ブラジルのいろいろな物乞い

ついでなので、今まで遭遇したいろいろなタイプの物乞いについて書いてみたいと思います。不景気で物乞いが増える中、こんな事を書くと不謹慎かなって思ってしまいますが。ラテンの国なので、何でも笑い話にして面白がってしまえばいいんです(笑)

子どもの物乞い

食堂でランチを食べている時、5歳ぐらいの、栗色の巻き毛で目のパッチリしたかわいい女の子が、キャンディの入ったガラス瓶を持って近づいてきて、「お菓子、買わない?」と言ってきました。私が断ると、「じゃあコインを一枚ちょうだい」と言ってきました。しょうがないので、1レアル(20円ぐらい)を渡すと、「ありがとう!」と言って去っていきました。

この女の子のケースは、多分、親がそういう事をさせているのだろうと思いました。大人が「お金をください」と言うより、かわいい女の子が言うほうが、もらいが多そうですからね。

電車の中の物乞い(子ども)

電車に乗っていると、10歳ぐらいの黒人の子どもがラップで「ヘイ!俺はこう見えても遊んでるんじゃないんだぜい!働いてるんだ!お菓子を売っているんだぜイエ—」みたいな感じで、車両の中を練り歩いていました。伴奏なしですが、リズム感がいいので音楽的に成り立っている感じでした。

このケースは、男の子はホールズみたいなお菓子の箱を持っていて、座っている乗客の膝の上にひとつずつ勝手に置いていきます。少しすると同じ男の子が戻ってきて、乗客はその時、品物を返すか、お金を渡して品物をもらうかを選べます。私はいつも返しています。

物乞いじゃなく違法な社内販売かも知れませんが、商品を買うというよりは「子どもがかわいそうだから買ってあげよう」と思って任意の金額を払うので、私の認識の中では物乞いという分類になっています。

うわさによると、こういう子ども達を雇っている元締めのマフィア的な団体があって、品物を買うとそういう団体を助長する事につながるので、買わない方がいい、とかなんとか。

電車の中の物乞い(若者)

顔を青く塗ってピエロのようなかっこうをした若者が電車の中に現れ、座っている乗客の膝に小さい紙を配っていきます。上の子どものケースと似ていますが、品物ではなく紙を配るというバリエーションです。

小さい紙には、「私の家が火事になり、全て焼けてしまいました。私と母親は今日食べるパンすらありません。少しでいいので、助けてください」というような事が小さい字でビッシリ書かれています。紙のサイズはマッチ箱ぐらい、フォントサイズは8ぐらいでしょうか。

このケースも、同じ手口の人が複数いることから、組織的にやっているように思われます。そして、決まって若者がやっているところがミソです。想像ですが、どうせ稼いだお金でドラッグでも買うんだろ、と思っています。

初めて遭遇した時はうっかりお金をあげてしまいましたが、2回目からはあげない事にしました。

何年か前はピエロのかっこうをしている人が多かったのですが、ここ最近は普通の服を着ている人がすっと立ち上がって、大声で「みなさん、聞いてください!わたしはこれこれの事情でとても困っています!助けてくれる人はいくらでもいいですので・・・」云々と口上を述べてから、紙を配るスタイルが主流のようです。流行りすたれがあるのね(笑)

コーラをめぐんでくれないか

スーパーの前で、身なりは汚いが感じのよい小柄な人が「娘がコーラを飲みたがっているので買ってくれないか」と言ってきました。「俺は大道芸人なんだけど、足のスジを痛めて働けないんだ」と自分の足を指さしながら言いました。なんか、ほのぼのしててカワイゲがあるなあ、と思って2リットルのコーラを買ってあげました。

すると、「ありがとう、これはお守りだ」と言って、留め金の壊れたブローチをくれました。ガラクタだけど、きれいでした。なんとなくいい気分になりました(笑)

その少し後に、同じスーパーの近くで小太りの男性が「腹が空いているんだ。何か食べ物をめぐんでくれないか」と言ってきました。いや、あんたは少しダイエットした方がいいわ!と思い、何もあげませんでした。

本気で困っている人

前に、バーでお酒を飲んでいたら、下半身がまるまる無い人がスケートボードに乗って店内に入って来て、陽気にあいさつをしながら、お客さんからお金をもらっていました。こういうバーには入口に必ず警備の人がいて、普通はこういう人は入れませんが、多分みんな許容しているのでしょう。

わたしも、この人は本当に働くのが難しいだろうな、と思い1レアルをあげました。すると、「ありがとう!神のおめぐみを!」と言って明るく去っていきました。

という訳で、見た目からもあきらかに困っていそうな場合に限りお金をあげる事にしよう、という自分ルールにしました。本当に困っている人は、少しのお金にもちゃんと感謝するし、謙虚な感じがするからです。文句を言う人にはビタ一文もあげたくないぞ!

まとめ

外国で暮らすには、少しツラの皮を厚くしておいた方がいいですね。なんといっても外国人は日本人と比べて生命力が強いです。ブラジル人だけでなく、日本以外のどの国の人も、みんな強いような気がします。ある意味、見習いたいですね(笑)

読んでいただき、ありがとうございました。

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