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事実と情報と理不尽な現実

こんにちは、20年ものプログラマーです。

最近ふと心に浮かんできた事を書いてみます。すごく普通の事を長々書きますが、自分としては面白いと思った事なので、お時間のある方はどうぞ最後までお付き合いください。

「事実」と「情報」に関する私の理解

ずっと前に、海水浴のためにビーチに向かう道を歩いていたら、真っ白なとてもかわいい犬を連れたジャージのお兄ちゃんが楽しそうに海の方に走って行くのを見かけました。そのまま歩いていると、5分か10分後に、さっきのかわいい犬が今来た道を走って引き返して来て、その後をお兄ちゃんが何か叫びながら追いかけていました。いったい何があったのでしょう。

ビーチに着くと、当時の私の連れが、「ジャージの男の人がかわいい犬を無理やり海の水に入らせたので、犬が嫌がって逃げた」と、目撃したシーンを説明してくれました。私も私が見たさきほどのシーンを説明し、3つのシーンの因果関係のツジツマが合って、流れを理解できたのでした。

  • シーン1:犬とお兄さんはビーチに向かって楽しく走っていった。

  • シーン2:お兄さんは(多分良かれと思って)犬を海の水につけたが、犬は嫌がって逃げ出した。

  • シーン3:今来たばかりの道を犬が走って逃げて、その後をお兄ちゃんが追いかけていった。

普通なら見のがして気にも留めないような事ですが、たまたま3つの連続したシーンを、親しい人が目撃していた事、とてもかわいい犬だったため印象に残り、面白いと思ったので話題にのぼった事から、欠けているパーツが補完されて、一つのストーリーとして理解されました。

このシーン1、2、3の部分が「情報」であって、ストーリーとなった部分が「事実」であったかどうかは正確には分かりませんが、多分これが事実だろうと推測できます。もしシーン1、2、3を目撃したのが知らない人同士だったり、知り合い同士だとしても話題にのぼらなければ、推測する事すらできなかったかもしれません。

「怖い物」を認識するのが「怖い」

また別の思い出話です。私は小さい時怖がりで、実家の窓ワクの外側に枯草がはさまって、強い風がピューピュー吹いてなびいていたのを見て、「お化けだ~」と言って泣いていました。そんな私を父が無理やり窓の所に引っぱって行き、窓を開けて、その草を指して「触ってみろ」と強く言ってきました。「いやだよ~」と拒んでもしつこく「いいから触ってみろ」と手を掴まれて強引に触らせられました。

するとさすがに、単なる枯れ草である事が子供の私にも理解でき、父には「ほれ見ろ、分かったか」とドヤ顔をされました。母は「幽霊の正体見たり枯れ尾花~」とおどけた調子で言いました。私の両親は超現実主義者で、現実を見ろ、まやかしに騙されるな、サンタも仮面ライダーも実在しないんだ、と子ども相手にいつも厳しい夢の無い事を言っていました。

しかし、同じ親に同じように教育されたはずの私の姉は、中学の頃、「夜に一人でテレビを観るのが怖い」と言って、電気釜を両腕で抱きかかえていました。ホラー映画でもない普通の深夜番組を「単に一人で夜にテレビを観るのが怖い」という事でした。姉は頭のいいちゃんとした人で、別にテレビが姉を襲う訳じゃない事も、電気釜が姉を防御してくれない事もちゃんと理解していました。

私が子どもの時にたまたま枯草を怖がってわかりやすく泣いたために、両親は「現実を直視しろ」とガツンと言って聞かせる事が出来た訳なのです。そして姉はコッソリ人知れず怖がっていたために、両親は姉を諭すチャンスがなかったという訳です。電気釜を抱きかかえて恐怖心を紛らわせていた事も、私がたまたま、姉が一人でテレビを観ていた部屋に入って行ったから知ったので、それまでは姉がそんなに怖がりだと言う事を知りませんでした。

恐怖心が認識力に与える影響

なぜこの話を思い出したかというと、今日会った知人が、例の予防注射を4回打った後にも関わらず、感染するのをとても怖がっていたのです。私は過去に予防注射で死にそうな目に会った事があるので今回打っていませんが、そのおかげで自然免疫や感染症のメカニズムについて良く理解しているので、全く怖くありません。その知人は予防注射を信じているから打っているにも関わらず、4回も打った後でもまだ怖がっています。

その怖がる姿が、姉の電気釜を抱えて恐怖を乗り越えようとする姿とオーバーラップして、記憶の底から意識に上ってきたのでした。恐怖心から現実を直視できなくなっている人をバカだと思ってはいけません。本人は本気で怖いのですから。姉もその知人も、頭のいい理性的なちゃんとした人なのです。恐怖というのは人間の感情の中でも特別なものなので、一度捉われてしまうとコントロールするのが難しいのです。

コーラを飲むとゲップが出るぐらい確実

冒頭に書いた、かわいい犬の目撃情報のように、「情報」から推測できる「事実」の正確さを検証するのは非常に困難です。例えば、私が見た「かわいい犬」と私の連れが見た「かわいい犬」は同じ犬である、と推測する事は出来ますが、証明するとなるとかなり難しいですね。証明しようと思ったら、せめてその犬の写真ぐらいは撮って、第三者の証言なども集める必要があるでしょう。

しかし、証明なんかしなくても多分それが真実なのです。コーラを飲むとゲップが出るぐらい確実な事です。

予防注射が全然効いてない件

もし効いていたらとっくに平常化しているだろうに、多くの人が4回も打ってまだ元に戻ってない。予防注射が効いていないって事はコーラを飲むとゲップが出るぐらい確実な事実です。接種後の死亡者数もあり得ない程多数です。科学的に証明しろって言われたらできないけど、何かおかしいのは一目瞭然です。

そして多くの人が目の前の事実を認めたくない心理を、私の姉の電気釜で説明する事が出来ます。みんな恐怖心に捉われてしまっているから、何か心の支えになるものを頼って恐怖心を紛らわせたいんじゃないかな。私は運よく、すごく小さい子供の頃に現実を直視するすべを体得させられたのですが、もしもそのチャンスがなかったとしたら50歳を過ぎた今でも枯草をお化けだと思って怖がっていたかも知れないのでした。

怖い気持ちは分かる、しかし、思い切って現実を直視できれば、いろいろなものがふっ切れてラクになり、自由を取り戻す事もできるし、これからどうすればいいかも考えられるようになります。あの時の私の父は正直、モラハラだったかも知れないなあ。恐怖で泣き叫ぶ子どもに無理やり枯草を触らせるなんて、鬼だなあ。でも今では感謝しています。

名言の引用元!

「コーラを飲むとゲップが」という名言は、知る人ぞ知る「ジョジョの奇妙な冒険」というマンガからの引用でした。このマンガ、なぜかものすごく面白くて、なんで面白いのかが自分でも分からなかったのですが、多分、理不尽に強いスタンド攻撃を受けても、なんとか策を考えていろいろ反撃してみたりして奇跡的に勝つ、という事が生き物の本質だからなんじゃないかと。

海のミジンコから進化して人間にまでなって、さらに幾多の危機をかいくぐって生き延びてきたのですからねえ。考えてみると、膨大な途方もない幸運があって、理不尽な戦争や侵略や自然災害を乗り越えて今生きているのですよ。ジョジョの、理不尽なまでに強いスタンド攻撃を受けて、しかも攻撃されてる事にしばらく気が付かないし、気が付いて「じゃあ戦おう」となった時には敵が強過ぎるという状況。今このパンデミックが実はスタンド攻撃を受けてて気が付いてない状態なのかも知れませんね。

読んでいただき、ありがとうございました。




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