必要な人が必要な時に不思議と現れる、本当にあったパパバンドの話

長年のパパバンド活動のなかで、ひときわ印象に残っているのが、Tさんです。

あれは、小学校の体育館を借りてのイベントをやろうとしていたとき。季節もちょうど夏だったので、コンサートのクライマックスでTHE BOOMの「風になりたい」を全員参加型にしてみんなで演奏しよう、なんて張り切って準備をしていました。

本番の1週間か2週間ほどまえだったか、現場確認のために、リハーサルに入ったときに、異変に気付きました。

音が反響したり拡散したりするのです。クライマックスどころか、一曲たりともまともに鳴らせなさそうな、嫌な予感。これまでは園のホールなど、小さなハコでやっていたので、初めてぶつかった難問でした。

どうやってそれをくぐり抜けたのか、というと、一緒に準備を進めてくださっていたTさんという方が、おもむろにPA卓をセッティングしてくださるではありませんか。

まさか、園児の保護者のなかにPA卓を私物で持っている人がいるとは夢にも思わない。

この人は音楽関係の仕事をしている人なのだろうか?

なんて疑問も何処へやら、あっという間に音響問題を解決してくださったのでした。

なにか課題があったときに、どこからともなく解決できる人が現れる、ということは何回かありましたが、あのときのTさんの活躍を超えるエピソードは、なかなか今後も出てこないんじゃないかなぁ。

ありがとう、Tさん。

(ようへい)

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