GKの宿命と毎日が決勝戦 第16節 鹿児島対福島
鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん、こんにちは仙太郎です。先週は苦しみながらもアウェーの北九州戦を逆転で勝利。今週はホームで福島を迎えます。なんと5000人以上のサポーターが白波スタジアムに集結。とてもいい雰囲気で試合ができました。それでは試合を振り返りましょう。
https://youtu.be/MpG9m0_wamA
先発メンバーは先週とは右SBが星選手に変わっていますが、広瀬選手は今回もベンチ外なので怪我が心配ですね。ロメロ・フランク選手はベンチ入りしています。
まず先週とは違い福島は前からプレスを掛けてくるというよりは、センターサークルまでは鹿児島にボールを運ばせてくれたので、鹿児島ペースで試合が進められました。そんな中、前半18分にCKから鹿児島が先制します。
ゴール自体は相手(高橋選手)に当たったボールが直接ゴールに入ったので、幸運だったのは間違いないのですが、図を見てもらえばわかるように福島はゴール前に人数を掛けすぎていて、PAの外には一人しかおらず、しかもその人は中央部分を守っていて、五領選手に大きなスペースを与えていて、そこから生まれたゴールなので、ただラッキーだけで生まれた得点ではありません。
福島は守備のフェーズでは5バックになり5-4-1になり、前から行くよりは後ろでキッチリ守ろうとしていて、実際鹿児島はボールを前進されることはできていたのですが、最後のシュートの時には、きちんと福島の選手がゴール前に残っていてシュートまでいけてなかったので、このセットプレーからの得点は大きな意味がありました。
福島はゴール前に人を割いている分、前に人がいないので守備からのトランジションでは、うまくカウンターがはまる場面は少なかったです。
福島の攻撃の鍵はFWの高橋選手でした。彼のポストプレーはシンプルなだけになかなか止めることができませんでした。下がって受けるだけではなく、鹿児島の高いDFラインの裏を狙う動きや、後半にはそこからの単独でのシュートもあり、とても能力の高いFWで、鹿児島の両CBも手を焼いていました。
前半40分、その高橋選手のポストプレーから福島に得点が生まれます。鹿児島が後ろに下がりすぎて、PAの外ががら空きになっているスペースに置くように丁寧なパスを出し、そこに飛び出してきた樋口選手がミドルシュート。それを白坂選手がこぼしたところを新井選手に押し込まれて同点にされます。
これは白坂選手のミスでしたね。体の近くに来たので取れると判断したと思いますが、シュートがあまりにも強烈で、しかも一度ワンバウンドして加速しているように見えるので、かなり難しいシュートだったと思います。
なので結果論にはなりますが、キャッチに行かずに最初からパンチングして外に弾きだしていれば防げた失点ではありました。ただこのミドルシュートは弾丸だったので仕方ない部分はあります。
ただ白坂選手のすごいところは、このあとなんです。普通GKは自分のミスで失点したら、プロでも試合中は大なり小なり引きずるんです。でもこのあとも白坂選手は神セーブ連発で、チームを救ってくれました。この精神力すごいです。
まずは後半58分の福島の攻撃シーン。右サイドを突破されてマイナスのパスを出すシーンですが、この時白坂選手はシュート打たれても対応できるポジションにいます
それで次のシュートを打たれるシーンでは、もうすでにシュート打たれても対応できるポジションに移動しています。この間わずか1〜2秒です。これ簡単そうに見えますが、誰でもできるわけではないんですよね。詳しく話すとまた話が長くなるのでww、やめときますが最初のポジションがいいので短時間ですぐに次のポジションに動けるんです。
69分も危ないシーンがありましたが、これも白坂選手がナイスセーブで防ぎます。この時は鹿児島のスローインから始まるのですが、ボールをロストして福島の選手に薩川選手がボールを取りに突撃したのですが、切り替えされて入れ替わられます。
この時、すぐに鹿児島の高いDFラインの裏に浮き球のパスを出されて岡本選手が遅れて裏を取られてしまいます。これを井原選手がカバーに行くのですが、わずかに及ばずシュートされてしまいます。しかしいつものように白坂選手は準備が完了していて、どこにシュートを打たれても防げる絶妙のポジショニングです。そしてパンチングで防ぎました。
また後半50分にも福島のポストプレーからシュートを打たれるシーンがあるのですが、この時も白坂選手は適切なポジショニングで準備完了しているので、サイドネットとかに行かない限りはセーブができていたと思います。この時は福島が枠を外したのですが、GKがいいとシューターはコースを狙おうとしますから、この枠を外したのも、白坂選手が外させたと言っていいと思います。
さらにあります。74分に岡本選手が裏に抜けるパスをスライディングして防ごうとしましたが、裏を取られそうになり井原選手がカバーに行きましたが、切り替えされて絶体絶命のピンチなのですが、ここでも白坂選手は準備完了してセーブして防ぎました。
ただ一回のミスで失点して負けて、全責任を負うこともあるGKというポジションの宿命なんですけど、それだけになんとか追加点をあげて、勝利をプレゼントして上げて欲しいなと思っていました。そして後半60分に米澤選手がPKを決めて勝ち越します。
このPKは福島の選手にはちょっと厳しい判定だったと思います。確かに手には当たっていますし、PA内なのでPKの判定自体は妥当だと思いますが、意図したプレーではなかったですしね。蹴った選手もパスという意図ではなく、クリアのつもりで蹴ってしまったので、福島にとっては本当に不運だったと思います。
ただこのPKもただのラッキーではないんですよね。
このPKの直前にロメロ・フランク選手が投入されて、そのロメロ・フランク選手が絡んでのPK獲得でした。このパスを出す前のマークを外す動きとかうまいですね。
一度ロメロ・フランク選手はボールを受ける前に裏に抜ける動きをします。これでロメロ選手をマークしていたDFは裏を取られたくはないので、下がります。下がればそこにスペースが生まれます。そしてロメロ選手は裏に抜けるのを止めて戻る動きをします。これで一瞬マークが外れました。そこへ米澤選手がパス。当然、ロメロ選手をマークしていたDFは距離を縮めます。その瞬間、ロメロ選手はワンタッチで裏にパスをします。
これを米澤選手の外からオーバーラップした星選手が走り込みセンタリング、それをクリアしたボールが相手の手に当たりPKとなりました。だからPK自体は幸運もありましたが、それは鹿児島が福島を崩した結果であって、単なるラッキーではないんですよね。
ただこの日もリードしてからの試合運びは良くなかったですよね。みんな全力で体を投げ出して攻撃を防ぐのは、見ていて胸は打たれるのですが、鹿児島ボールの時は、もう少しきっちりとポゼッションして時間を消費したいですし、守るときもちょっと下がりすぎていて、クリアボールとかを拾えないので、相手に連続して攻撃される場面も多いですよね。中盤が下がりすぎなければボールを拾って、そこからカウンターとかも狙えますし、ボールを拾われてもボールホルダーにプレスを掛けてプレーに制限を掛けることもでき、そこからボール奪取してカウンターも狙えますから、ここは改善の必要があるかと思います。
実際、終盤の守りで中原選手と岡本選手を怪我で失い、最後は10人になりながら、なんとかギリギリ逃げ切った感じです。この二人は次の試合の出場が危ぶまれています。中原、岡本選手は今の鹿児島の中心です。広瀬選手もいない状態で岡本選手も失いとかなり厳しいと思います。もちろん交代で出るであろう野嶽選手やウェズレー選手には期待したいですけどね。
なんか毎試合決勝戦みたいな戦いが続くので、もう少しゆったりした気持ちで試合みたいですww。
それでは次の相模原戦でお会いしましょう。
「チェストー!鹿児島ユナイテッド!」
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