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鹿より白熊 第12節 奈良対鹿児島

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん、こんにちは仙太郎です。タイトルの由来は、SNSかyoutubeで検索してくださいww
どちらにせよこの応援のカウンター攻撃は、鹿児島の完勝でしたね

台風の影響でサポーターのみなさんが現地に行けなかったり、また神戸戦が中止になったので、神戸サポの方が藤本選手の応援に来たりと波瀾万丈のアウェイ奈良戦を振り返ります。

https://youtu.be/7MtHhkFnh8E

鹿児島は直近のリーグ戦からのスタメン変更は1人で岡本選手が外れ、戸根選手が先発します。

奈良対鹿児島 スターティングメンバー

試合の展開自体は、事前の予想通りで驚きはありませんでした。このあたりはフリアン監督がきっちりとチーム戦術を落とし込んでいるのが感じ取れます。攻撃時にはショートパスを使って前進し、フィニッシュは主に左サイドからのクロス。守備時は基本4−4−2のゾーンで守ります。ただ鹿児島的には事前にわかっていて想定外が少ないので、対応するのは比較的容易です。

前半の20分までは 鹿児島が押し込み、20分を過ぎてからは奈良が押し込む展開でした。両チームとも押し込むと同時に最終ラインも高い位置を取るので、クリアしてもボールを回収して攻撃が続きました。そして奈良はこうして押し込んで連続して攻撃することで、相手のマークをずれさせるので、この前半に失点しなかったのは鹿児島としては良かったと思います。

先週に引き続き、台風の影響か風が強く前半向かい風で鹿児島はロングボールを蹴っても長い距離飛ばせるのが困難な部分も鹿児島にとっては不利でしたね。

奈良は基本的にセットプレーはファー狙いで、そこで直接狙えなければ折り返してシュートを狙ってきたのですが、前半20分にファーにいた奈良の都並選手にCKからヘディングシュートされますが、ここはポストに助けられました。

後半の鹿児島は、ボールロストの直後に即プレスを掛けて即時奪還できていて、攻め込む時間が多く、また奈良がビルドアップでミスを多発したので、シュートチャンスは沢山あったのですが、奈良のGKのアルナウ選手にことごとく防がれます。

渡邉選手は安定のいいプレーを見せてくれていました。山雅戦と違い攻撃時は積極的に上がり、高いポジションでもプレーできていました。奈良は鹿児島が山雅戦でSB裏のスペースに浮玉のパスを出し、前進していたので、先週の試合とは違いSBが上がってこなかったのも、渡邉選手が高いポジションを取れていた一因かもしれません。

前半20分 奈良のCKの場面。ファーサイド狙う奈良は、3対1を作っている。ここはポストに守られ、失点を防げました

野嶽選手はサイドで1対1の守備でもうまく対応していましたし、相手ゴール前に行けばドリブルでゴール方向に仕掛けることもできて、恐らく相手チームのサポは本職のSBだと思っていると思います。それくらいSBとして違和感がないですね。

有田選手はこの日得点ありませんでしたが、チャンスメークはとても素晴らし勝ったですね。チャンスメーク数は途中出場にも関わらず、チームNo.1だったのが、それを証明しています。
サイドに流れてボールを受けたり、相手をひきつけてパスを出したり、決定的なチャンスを作っていました。これが得点もできるけど、チャンスメークもできる、本来の有田選手です。

奈良が散発的にDFラインの裏狙ってロングボール蹴ってくることもあったのですが、利根選手がうまく対処できていました。また後ろからプレスを掛けられてもうまくフェイント掛けて前を向いてパスを繋いでしました。お見事でしたね。

山口選手はボール奪取能力が高く、五分五分のボールをほとんど取れていたと思います。これは非常に大きくて、ここでボール失うと相手の攻撃になり押し込まれますが、奪えば一気に相手の裏のスペースを攻めることができ、試合終盤の鹿児島の連続攻撃に大きく貢献していました。昨年はここでボールを奪えなくて、下がってDFが体を張って守り切るのが鹿児島の定番でしたが、今年はそれが減っていると思います。

とにかく鹿児島は後半に交代で入ってくる選手のクオリティが高いのが特徴です。普通は交代メンバーは多少力が落ちるものですが、鹿児島の場合はそれがまったくなく、逆に特徴の違う選手が入ってくるので、相手チームは戸惑って、対応できず押し込まれてしまいます。

前半40分の奈良の攻撃。裏を取られてピンチを迎えるが、渡邉選手がきちんと中へのパスコースを切りながら戻っている。普通ならシュートブロックに行くところですが、角度が少ないのでシュートを打たせてもGKが防げる可能性が高いので、見事な判断だと思います。

■奈良クラブに関して
スペイン人監督でショートパスを中心に攻撃と聞くと攻撃的なチームかと思いきや、失点数が少ないことから非常にバランスの取れたチームという印象です。

例えばこういうチームはゴールキックをショートパスから始めるチームが多いのですが、奈良はゴールキックでロングボールを蹴る機会が多いですし、ロングボールでDFラインの裏を狙うこともあり、理想とするチーム戦術に固執することなく、自分たちと相手チームの長所と弱点を考えて柔軟に試合を組み立てている印象でした。

奈良の攻撃は、左サイドが中心でセンタリングのクオリティー高かったです。後半35分に左サイドからのセンタリングされてヘディングシュートをされています。左サイドの嫁阪選手もスピードがあり、厄介な選手でした。

ただ彼は1対1のときに、仕掛けることが少なく、センタリング中心で突破はあまりなかったので対応はできていたと思います。右の浅川選手は中央に入ってくることが多く、そうすると右サイドの幅はSBが取るしかないのですが、また右SBの都並選手はあまり攻撃が得意ではないので、右サイドからの攻撃は鹿児島の脅威にはなっていませんでした。

また浅川選手は右サイドでボールを受けてもドリブルで突破するタイプではないので、奈良の右サイドの攻撃は怖さを感じませんでした。なので鹿児島は意図的に奈良が右サイドにボールを誘導するようにしたかったところでした。

後半5分 奈良のビルドアップのミスから福田選手がダイレクトシュートを打つ場面。普通ビルドアップの場面からボールを失うとGKのポジションが動いていることが多いが、この時点でアルナウ選手はゴール正面で準備完了していて、左右どちらでも動ける体勢がとれている。なのでシュートに対応できる。お見事です。

奈良は守備時には4−4−2のゾーンで守っていますが、鹿児島がボールを下げると前プレスを掛けてきます。ただ鹿児島は両SBも中盤の選手なので、多少プレスを掛けられてもあまりプレッシャーを感じてなくて、不用意にボールをロストすることがなかったのも、試合を有利に進めることができた要因の一つでした。

最初でも触れましたが奈良は守備のバランスが良かったです。なんでもかんでもシュートブロックするのではなく、角度がなければシュートはGKに任せて中のスペースを守るような判断も適切で良かったと思います。
きちんと一番危険なゴール前に選手が残っているので、なかなかフリーでシュート打てませんでした。またそうなるとシュートコースも限定されるのでGKも守りやすくなります。

むちゃくちゃ守備強度が高いわけではないけど、組織的な守備と判断がよく仕込まれていると感じました。このあたりはフリアン監督の手腕が冴えていると思います。ただ浅川選手はあまり守備が得意ではなく、そしてその浅川選手の裏には鹿児島の福田選手がいるので、鹿児島の左サイドの攻撃は優勢に進められていました。

そしてGKのアルナウ選手はとてもいいGKですね。ただシュートが当たっているわけではなく、きちんと意図的にボールにアタックできているので、なかなか得点を得るのは難しかったです。ポジショニングがいいですし、高いポジションでシュートコース消せています。

しかもシュートを打たれる時に、準備完了してセットできているので、左右どちらにも反応できます。
前のポジション取るので、ループシュートとか有効なのですが、DFが寄せてくるので、そこまでの余裕もありませんでした。また足を開いてセットするので、股間を狙うのも一つの方法なのですが、そこも狙えてなかったですね。

正直、GKがいいポジション取られると、よほど左右に振らないと点を取れないです。何回か鹿児島も左右に振ったこともありましたが、素早く反応して対応されていました。お見事としか言いようがありません。しかも彼シーズン当初は試合に出てたけど、途中から出られるなくなり、最近また先発に復帰したんですよね。DAZNの試合後のインタビューではフィールドプレイヤーが受けていましたが、この日はアルナウ選手が受けるべきだったと思います。それくらい素晴らしいGKだったと思います。あと一歩までいけただけに残念。

圓道選手がドリブルで仕掛けて奈良の選手を3人引き付けて、走り込んだ山本選手にパス。大きなスペースのゴール前で3対3の数的同数を作れている。残念ながら山本選手のシュートは枠を外れる

でも負けないこと勝点を拾い続けることが、最後の最後に効いてきます。昨年は勝ち点1差で涙をのんだわけですからね。

次週はホームの八戸戦となります。大西選手がいないのがとても残念ですが、また頑張りましょう。

「チェストー!鹿児島ユナイテッド!」

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