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逆転勝利を逃した鹿児島と熊本強いす 第2節 ロアッソ熊本対鹿児島ユナイテッド

2021年 J3 第2節 ロアッソ熊本対鹿児島ユナイテッド

先週の試合とは真逆の展開でしたね。先週は前半やりたい放題で後半途中から自滅して逆転負け。今週は前半全く歯がただず、後半一気に巻き返して同点引き分けとなりました。

ではどうしてそうなったのかを見ていきましょう。

この試合の前半のポイントは熊本のハイプレスでした。前線からマンツーマンで激しいプレスをかけてきます。それに対して鹿児島は数的有利な状況を作れずに、ボールを前進させることができません。ほんとにボールが前に進まずに前半の鹿児島のシュート数はたったのひとつで熊本は8本と言う結果でした。これでは試合になりません。

本来相手が数的同数でプレスをかけたら、GKを絡めて数的有利を作る必要があるんですが、それもできずに鹿児島が相手のハイプレスに対して対応できてませんでした。つまり鹿児島はこの状況が予想外だってんでしょうね。毎週熊本はこんなに前線からハイプレスかけているんでしょうかね?

正直前半PKだけの1-0で終わってラッキー位の試合展開でした。とにかく熊本の前線の選手の運動量が半端なくて一度熊本の第一プレッシャーラインを超えてもすぐに戻ってきてプレスバックをかけられて、ほとんど崩すことができませんでした。

前からプレスかけてるんで、最初のプレスかわせれば数的同数な状況を作れるかと思ってんですが、熊本の前の選手の運動量がとにかくすごくて、あっという間に戻られて数的有利な状況を作られます。

熊本の選手の献身性とコンディションの素晴らしさだけが目立った前半でした。なので前半に関しては鹿児島の話はほとんどなくて熊本を褒めるしかなかったですよね。まるでハーフコートゲームを見てる様でした。

熊本は開幕戦で鹿児島がGKからショートパスを使ってビルドアップしていたので、当然この試合でも同じ戦術でくるという分析も当然あったと思います。鹿児島はまさしくそこにハマってしまいました。
しかし90分間もこんなハイプレスと運動量が持つはずがないので後半に追加点さえ取られなければまだまだ行けると思い後半突入です。

後半頭からパパス監督は手を打ってきました。野嶽選手に変えて酒本選手を投入してきました。この意図する所は激しいプレスでもボールを失わずにポゼッションを安定させることと中央でボールを受けてサイドにスペースを作ることだったと思います。

そしてそのパパス監督の意図はピッチ上で表現されます。酒本選手がピッチ中央で巧みな技術とボディフェイントでボールをキープしてボールが前進し始めます。

ところがそんな時に熊本が追加点を取り、鹿児島に暗雲が立ち込めます。ただ前半よりも鹿児島のプレー内容が改善されてきていたので、厳しい状況ではありましたが希望はありました。

そしてその酒本選手の魔法の右足から鹿児島が一点返します。酒本選手が横を向いて誰もが横パスを確信した時に右足を一閃させて相手のラインの裏に浮き球のパスを送ります。これは相手選手のファールで止められますが、そのフリーキックを酒本選手が蹴り、それを相手GKがパンチングして得たCKからヴァズレー選手がヘディングで決めて一点差になり試合はどうなるのか全くわからなくなりました。

そしてその直後にまたもパパス監督は素晴らしい選手交代をします。SBの衛藤選手に変えて同じSBのフォゲッチ選手を投入。これが試合展開に大きな影響を与えました。

前からプレスをかける熊本に対してフォゲッチ選手がうまく相手をかわしてボールを前にボールが前進します。それでも熊本の選手は戻ってきて守備をするので得点にならなかったのですが、徐々に崩しの形を作れる様になれました。

そんな87分、フォゲッチ選手が激しくプレスをかける熊本の選手をワンタッチでかわして、後ろから追いかける熊本の選手のプレスにボールを失わずに前から来た熊本の選手と入れ替わるように縦パスを入れました。そこから逆サイドに展開し、米澤選手が素晴らしい同点ゴールを決めます。ついに鹿児島追いつきます。

この後は鹿児島が猛攻を仕掛けるのですが、疲れていても熊本の選手は最後まで諦めず戦い抜きました。普通なら同点にされたら精神的にガクッとなって運動量が落ちてもおかしくないんですけどね。ほんと素晴らしいプレーを見せてくれました。

特にロスタイムに入ってから無人のゴールに打たれたシュートをゴールライン上でクリアしたプレーは敵ながら天晴れでしたね。90分間も戦ったあとですから、あそこで手を抜いても誰も何も言わないと思いますが最後まで諦めずプレーする姿はほんと素晴らしいの一言です。このプレーで鹿児島は勝ち点2を失い、熊本は勝ち点1を拾いました。

この試合も先週と同じく前半と後半で全く真逆の試合展開になりました。先週は選手交代が裏目に出て逆転負けで、今週は素晴らしい選手交代で2点差を追いつきました。交代して入ったFWの萱沼選手も体をはったプレーでチームに活気をもたらしてましたね。こういうプレーは本当に大事なんです。一点目も萱沼選手が体をはって得たフリーキック絡みからの得点でした。

2点目もこれまた交代出場した八反田選手のパスからの得点ですから、選手交代策が今週は的中しました。

最後に一点取り損ねて逆転できなかったのは残念でしたが、後半のプレーは素晴らしく鹿児島らしいプレーができていたので気を取り直して来週のホームの福島戦に臨みたいと思います。

来週酒本選手が先発に復帰するのか、それとも再び試合後半の流れを変えるジョーカーとして起用させるのかは興味深いですね。

ただ心配なのはこの試合で対鹿児島対策が他のチームにもバレちゃったことですね。これからの相手チームは大なり小なりハイプレスをかけてくるでしょう。それに対して鹿児島が対応できるがひとつのポイントになる気がします。

最後に熊本の選手のコンディションがいいことに驚きますが開幕2戦目でこんなにフィットしてたら長いシーズン故障も少なく乗り切れるのか心配になります。多分余計なお世話だとは思いますが。

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