見出し画像

坂の上の雲を目指して 第10節 愛媛対鹿児島

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん
こんにちは仙太郎です。

4試合勝てていない鹿児島ユナイテッドFC。
今年一緒にJ2昇格した、アウェイの愛媛戦を振り返ります。

愛媛対鹿児島 スターティングメンバー

鹿児島は愛媛戦もメンバーを変えてきました。
GKは泉森選手が復帰しました。やはり広大なDFライン裏のスペースをカバーするには、彼のスピードが必要だと判断したのでしょう。
渡邉選手がいないのは、恐らく怪我かなと思います。
前節、山形戦にはレンタル移籍のため出場できなかった田中選手が戻り、端戸仁選手はベンチ外。彼はまだ完治していないのだと思います。
そして圓道選手がベンチに入り、これがこの試合の鍵を握ることになりました。

【鹿児島ユナイテッドFC】
前半はボールの保持率が60%で、今年最高の出来だったと思います。
イメージとしてはもっと保持率が高いと感じました。
これくらいボール持てると守備の弱点が露わになる機会は少なくなります。

前半2分 鹿児島の攻撃。鹿児島が押し込んでいるが愛媛の守備陣形は崩れておらず、なかなかゴールをこじ開けられませんでした。この時は、空いたスペースに走り込んで外山選手がミドルシュートを放ちましたが、GK徳重選手にセーブされました。この時、チャーリーはCBの前にいて、マークを外せていません

攻撃も良かったのですが、ボールを失った後も、前に出てきてプレッシャーを掛けてボール奪取できていました。結果として、ほとんど相手陣内でプレーできていました。

そういう意味では、今年最高というだけでなく、内容的にはこの数年でも最高のプレーができていたと思います。

前半14分 福田選手がシュートを打つ場面。この時もチャーリーはCBの前にいて、マークが外せていない。手を上げてはいるが、これでセンターバックが来てもゴールする可能性は低い

とはいえ、不用意なミスからカウンターをもらう場面もあり、その流れから失点したのは残念でしたが、それでもこの調子なら後半も希望ありと思っていました。前半終了間際に中原選手が一発レッドカードで退場となるまでは。

このレッドカードは最初、主審がイエローカードを提示。その後、副審と主審が話をして、レッドカードになりました。このプレーは相手の足首に中原選手のスパイク裏が入っているので、イエローカードなのは間違いありません。

前半25分 愛媛の先制点の場面。裏に抜けられて2対1の数的不利な状況。この時、戸根選手はボールホルダーに寄せることにより、中央にパスをされてゴールされた。この時、泉森選手は準備できている
後半95分 愛媛の決定的なカウンターの場面。この時、井林選手はボールホルダーに寄せず、中央に残ることを選択。もし寄せた場合、中央ががら空きで、しかも二人も詰めているのでパスされて失点する可能性は大きかった。ただ中央に残ったことで、角度のないところからシュートを打たせ、それを泉森選手がナイスキャッチしたので、失点を免れた。二人詰めていたので、もし泉森選手がファンブルしていれば失点していたと思われる。簡単ではないプレー。この試合を決定づけた
前半36分 愛媛の決定的なシーン。DFラインには人は揃っているが、野嶽選手が下がっていて愛媛の選手がオフサイドになっていない。そして裏にパスを出される。
この時、泉森選手が猛然とダッシュして、このピンチを防ぐ。このようにかなり距離があるのだが、それを詰められる泉森選手のスピードと決断が現れたプレー。誰でもできるわけではありません

ただ副審はオフサイドライン上にいるはずで、主審の方がより近い位置にいるはずです。その主審が一度イエローカードを提示したにも関わらず、副審と協議してレッドカードに変更されたのは、ちょっと理解に苦しみます。

現場の大島監督も説明を求めていましたが、納得できる説明はあったのでしょうか。

中原選手に情状酌量の余地があるとすれば、彼はボールをブロックしに行こうとして、そこに愛媛の選手が蹴ろうとして飛び込んでいるので、レッドカードはちょっと厳しいかなというのが、私の解釈です。

前半38分 五領選手のシュートの場面。鹿児島は押し込んではいるのですが、この時も愛媛の守備陣形は崩れておらず、ゴール前には三人がいる。そのためその外からシュートを打たざるをえず、得点を奪えなかった

それを言うなら、試合終了間際の泉森選手が相手選手にスパイク入れたプレーは一発レッドカードで退場でも文句は言えませんでした。ただ謎に鹿児島ボールで再開したのは幸運で、これを愛媛ボールで再開していたら多分試合終わっていたと思います。

昨年最終戦もスライディングしてPK与えて、やってしまった中原選手。しばらくはスライディング自粛した方がいいかもしれません。一度スライディングを開始するともう止めらないので、慎重な判断が必要となります。

このレッドカードで、鹿児島は後半は一人少ない状態でのプレーを強いられました。それでもまだ希望はありました。

後半、一人少なくなった鹿児島は441で守ります。
ただそのお陰かいつものような中途半端な前プレスがあまり見られません。
もちろん負けているので、攻撃にある程度人数掛けて前に行くのでカウンターを受けるのは、想定通りです。ただ後半10分に追加点を入れられたのは、想定外でした。

前半45分 中原選手が退場になる場面。このように中原選手は愛媛の選手を狙ってスライディングしているわけではない。ただスライディングすると止められないので、慎重さはもとめられるかもしれない

正直、これでかなり試合が難しくなりました。ただそれを振り払ったのは後半最初から投入された圓道選手でした。前半の五領選手が悪かったわけではなく、人数が少なくて攻撃するとなると、前線の選手が少なくなり、ひとりで突破する場面も多くなると想定されたので、それならば、ドリブルを仕掛けられる圓道選手を投入したと思います。

その圓道選手が藤村選手からパスを受け、中に切れ込んでシュート。相手選手に当たったボールがそのままゴールに吸い込まれました。

まだ1点負けていましたが、これは鹿児島ユナイテッドに勇気を与えたゴールとなりました。

後半60分 鹿児島の1点目の場面。圓道選手が一度下がる動きをして、それに愛媛のSBが釣られて寄せようとしている。この後、圓道選手は方向転換し、相手ゴール前に走り出し、そこに藤村選手から狭い相手中盤の選手の間をすり抜けるスルーパスが通る。
藤村選手のパスはカーブが掛かってい圓道選手の足元に収まり有利な状態で仕掛けている。この後、中に切り込んでシュートして、鹿児島を復活させた。この時もチャーリーはCBの近くにいてマークを外せていない。このCBの後にポジショニングしたいところだが

その後も人数掛けて攻撃する鹿児島に対して、愛媛は再三鋭いカウンターを仕掛けてきます。
それを防いだのが泉森選手でした。二試合欠場した泉森選手でしたが、この日は吹っ切れたのか、いつもの鋭い出足から愛媛のシュートを防いでいました。彼のセーブがなければ、この日の同点劇はなかったと言えます。

【愛 媛】
前半から鹿児島に押し込まれて、シュートも打たれてましたが、ゴール前には人がいて、バランス崩れていなかったので、失点は防げていました。

後半49分 愛媛の追加点の場面。戸根選手の背後に走り、マークを外した松田力選手のもとへパスが通る。そして体でブロックしながら左脚でシュート。見事なFWらしい動きからの得点でした。

結果的に愛媛の攻撃はカウンター主体になるのですが、鹿児島の弱点であるDFライン裏を狙っていて、よく計算されていました。

ただ前線に強力な外国人選手がいなかったので、鹿児島もギリギリ対応できていました。ここが横浜や山形との違いでした。

後半78分 愛媛のカウンターの場面。愛媛の選手がボールを持ち上がるが、井林選手はボール寄せずにゆっくり下がっていて、わざとスペースを空けていると思われる。するとボールホルダーはスペースへドリブルして侵入する。
そしてPA内に侵入してきたら、距離を縮めて股を抜かれないように、両脚を締めてシュートブロック。この時は数的不利な状況だったので、逆サイドの余っている選手にパスを出されるのが一番嫌だった。それを防ぐために意図的にドリブルさせて、シュートを打たせて、最後はブロックする井林選手。すごすぎます

後半2点リードして一人多くなった愛媛ですが、これはこれでやりにくくなったように見えました。この場合、攻めて3点目取るのか、でも前行き過ぎてカウンターから失点するのも避けなくてはいけないし、試合の進め方が難しくなります。

ただ見ていると愛媛はサイドにフリーな選手がいるのに、五分五分の縦パス入れたり、アバウトなセンタリング、可能性の低いミドルシュートをしてボールをロストしていました。

一人多いわけですから、必ず一人はフリーな選手がいるわけです。として通常CBのとこは鹿児島の数的有利になっていますから、二人はあいている選手がいるわけなので、その選手を使いながらリスクを掛けずに、ボールを保持して攻撃されるのが鹿児島としては一番嫌でした。

ワンタッチ、ツータッチでフリーの選手を使ってボールを動かされるのが、鹿児島からしたら厳しくて、それができていた時間帯もありました。
ただそれが続かなかったのは、チームとして意思統一されていなかったのでしょう。

愛媛は数的同数な場合と同じように攻撃してくれたので、そこは鹿児島としては助かりましたし、同点になったひとつの要因だったと思います。

結果論として、シュートが決まれば試合が終わっていたわけで、紙一重でしたけどね。

GK徳重選手がビッグセーブを連発して、鹿児島の前に立ちはだかりました。鹿児島出身の徳重選手ですが、彼がいなければもう少し鹿児島も楽だったと思います。

鹿児島の同点の場面。最後だったので愛媛の全選手がPA内に入り、センタリングに反応。そのためこぼれ球への反応が遅れていて、野嶽選手のスーパミラクルシュートが炸裂して、一人少ない鹿児島が同点に追いついた。この時、福田選手も圓道選手もちゃんとこぼれ球が拾える位置にいることに注目。単なる偶然のゴールではないことが、よくわかる

【総 評】
引き分けに終わりましたが、5試合連続無得点のチームを、1週間で立て直してきた大島監督の手腕はお見事だと思います。その前は中三日で試合が続いたので、修正する時間がありませんでした。

勝ちがなかったのも辛かったと思いますが、攻撃的な鹿児島が無得点が続いていて、チームとしてかなり自信を失っているように見えていたので、鹿児島らしい攻撃的なサッカーが復活できたのは、明るい話題です。

もちろん相変わらず、DFライン裏を狙われてピンチを迎えて失点しているわけですから、改善は引き続き必要です。

ただ後半30分に投入された井林選手は、この解決策になるかもしれません。
1点負けていてCBを交代するのは不思議な感じです。
ただ彼のセットプレーの高さとカウンターを受けたときの対応を期待したのだと思います。
そして得点こそできませんでしたが、彼の働きは期待以上でした。
彼がいなければ同点にはなっていないかもしれません。

最後15分しかプレーしなかったのは、まだ怪我明けでコンディションが整っていないからだと思います。ただ彼のリーダーシップと守備時の判断は鹿児島に新しい風を吹かせてくれるでしょう。

未だ見たことのないJ2の頂である、坂の上の雲を目指して、一歩一歩進んでいこうではありませんか。

次はホームの栃木戦となります。
順位の近いクラブとの直接対決で、しかもホームなので勝ちたいですよね。
現地応援の方、よろしくお願いします。

We are challengers!
「チェストー!鹿児島ユナイテッド!」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?