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選手交代でゲームが動いた理由 第18節 八戸対鹿児島

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん、
こんにちは仙太郎です。

先週は、押しながらも相模原のゴール前にバスを置く守備的な戦術により今シーズン初のホームでの敗戦となりました。そして今週ははるばる八戸まで遠征してシーン後半の初戦となった試合を振り返りましょう。

https://youtu.be/jot_tBogQW4

先週からは二人先発を入れ替えてきました。右ウィングに牛之濱選手、CFWに山本選手が入ります。五領選手はベンチ外で、有田選手はベンチ入りします。ここまで鹿児島は選手を休ませながら戦ってきています。目の前の結果だけを見れば、固定メンバーで戦った方がいいのですが、長いシーズンを見ると選手に大きな怪我がない方がいいのは間違いありません。これには絶対的な正解はありません。シーズン終了後の結果のみが、その回答となります。

八戸対鹿児島の先発メンバー

前半から鹿児島が優勢に試合を進めます。この日はGKからのビルドアップに進歩が見られました。特に前半6分と8分は八戸が前からプレスを掛けてくるのを中盤でワンタッチやツータッチの少ないタッチ数でボールを前進させる見事なプレーを見せてくれました。

前半6分、白坂選手が菅沼選手からプレスを掛けられるも、縦パスを木村選手に送る。八戸が木村選手にプレスを掛けるが、木村選手はワンタッチで野嶽選手にパス、そこからロメロ・フランク選手経由で左サイドの米澤選手にボールが前進した場面。理想的なビルドアップのシーン

今回はビルドアップの時に両CBの間にボランチの1人が降りてくるのは以前と同じなのですが、両CBがより離れてポジションを取っていたと思います。こうすると相手FWのプレスを緩和することができます。ただボールを失ったときに中央にボランチが1人しか残らないのでリスクはあります。この日は、そのポジショニングが上手く機能しており、広瀬選手から米澤選手への対角線の見事なパスが何回も通っていました。

この日、先発した山本選手なのですが、やはり彼の適正ポジションはセンターフォワードではないと思います。これは有田選手の動きと比較するとわかりやすいかもしれません。

前半25分のセンタリングするシーン。山本選手は相手CBに近い位置にいるので、これだとシュートするのが難しい。だから本来FWは赤線点丸の位置にいて、マークを外して、そこからシュートしたいスペースに走り込む必要がある。そうするとフリーでシュートできるので得点のチャンスが増える
後半78分の決定的なチャンスのシーン。圓道選手が左サイドをドリブル突破してセンタリング。有田選手は少し離れた位置にいて、自分がシュートを打ちたいスペース(大きい赤点線丸)を空けておいてそこに走り込んでいる。ただ有田選手がすごいのは、それだけではない。後ろに米澤選手がいることを認知していて、自分ではシュートを打たないで相手CBを連れて、米澤選手が相手SBと1対1の状況を作っている。有田選手がすごいのは自分で点を取るだけでなく、味方のプレーを助けることができるので、有田選手が入ってすぐに試合が動いたのは偶然ではない。
64分の得点したときと同様のシーン。この時はロメロ・フランク選手から米澤選手へのパスからのチャンス。山本選手は縦に走らず、真ん中にポジション。これで相手のCBも真ん中を守れている。なので米澤選手は自分で突破してシュートを選択
山本選手がゴール正面にいて、八戸のDFもゴール前にいるので、後ろから走り込んで来た圓道選手にパスしても、対応される。もっとも圓道選手ならワンタッチかわしてゴールしたかもですが。

山本選手は同点弾を演出した北九州戦のようにボールを持ったときに輝く選手です。CFWは基本常に相手CBにマークされるポジションなので、ボールを触れる機会が少ないですし、フリーでボールを持てることもほとんどないです。それだけにボールを持たないときにどう動くかが求められるポジションです。なので山本選手はウィングのポジションで前を向いてボールを持たせたいタイプの選手だと(勝手に)判断しています。

そうしてもう一人この日先発した牛之濱選手ですが、今のチームにフィットしているとは言えない状況です。プレーから自信が見られないのが気になります。

前半28分 牛之濱選手がドリブルで中に切り込むシーン。ロメロ・フランク選手が縦に抜けたので、そこにパスを出したがこれだとロメロ・フランク選手がゴールに背を向けてシュートを打つので苦しい。ロメロ・フランク選手が縦に抜けたのでそこにできたスペース(赤点線丸)にドリブルで入り込み、CBが来なければ自分でシュート、来れば山本選手にパスすれば決定的なチャンスになった。
後半47分の決定的なチャンスのシーン。野嶽選手から決定的なパスが出るが、これを牛之濱選手はトラップ。相手SBが詰めてきてシュートブロックされる場面。野嶽選手からのパスは、置きに行くような優しいパスなので、調子が良ければダイレクトでシュートするはずなので、彼の悩みが見えるシーン

ただ押し込みはできてチャンスもあったのですが先週の相模原戦同様、相手はゴール前に三人も四人も選手を置くような極端な守備を引くので、なかなか得点が取れません。ただこれも先週同様、八戸は引きすぎているのでなかなかボールが前進しませんし、簡単なパスミスもあり、ミドルシュートも枠を外すことが多く、ピンチもない状況で後半途中まで0-0のスコアが続きます。

そこで試合を動かしたのが後半途中から投入された有田、圓道選手でした。特に圓道選手は素晴らしかったですね。

後半72分の先制の起点。圓道選手が相手ゴールに背を向けた状態でボールを受けたので、八戸の選手が四人プレスを掛けようとしている。それをあざ笑うかのように裏のスペースに浮き球のパスを出す圓藤選手。このプレービジョン最高です。これで得点の半分は決まりました。しかも止まるような質のパスで、米澤選手が受けやすいボールだったのも満点です。
圓道選手からのパスを受けた米澤選手の選択肢は三つ。自分で仕掛けてシュートか、縦に走った有田選手にパスか、後ろから走り込んで来たロメロ・フランク選手にパスか。有田選手にパスすると体の向きが良くないので得点の確率は低い。有田選手が縦に走ったことで、マークしていたCBがついていき、ゴール前に広大なスペースができて、そこにロメロ・フランク選手が走り込み前向きでゴール正面でボールを受けるのがゴールの確率が一番高く、それを選択。米澤選手のプレー選択も素晴らしい

このように有田選手と圓道選手は直接ゴールもアシストもしていないのですが、チームの中で決定的な役割と果たしていました。圓道選手は78分には左サイドを単独で突破し決定的なチャンスを演出していました。技術も高いですし、ドリブルもできて、プレービジョンも素晴らしいです。ちょっとJ3にいるような選手ではないですね。

圓道選手は一度先発して90分プレーさせたいですよね。ただ大嶽監督が途中投入している理由もわかります。それはこれだけ速くてドリブルできる選手が疲れてきた後半途中から入ってきたら、対戦相手は対応するのが難しく嫌なはずです。しかもリードしていれば、ペースダウンすることもできますし、とても頭のいい選手です。あとは本当に得点だけです。

いつも課題の追加点は、チャンスはありましたができずでしたが、ボールはポゼッションして時間を消費できたので、いつものようにバタバタすることもなく試合を終わられることができたのもいい点でした。

いつも絶賛している白坂選手もこの日はあまり出番がありませんでしたね。

そして次は5連勝と絶好調の藤枝戦と休みを挟んで山雅戦と、シーズン中盤戦の山場となります。

それでは来週の藤枝戦でお会いしましょう。
「チェストー!鹿児島ユナイテッド!」

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