見出し画像

希望なき閉幕 第30節 富山対鹿児島

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん
こんにちは、仙太郎です。

長かった2021年シーズンもこれで最終戦。どちらかというと苦い思いの残るシーズンでしたけど、これが最後のゲームとなるアウェイの富山戦を振り返ります。

富山戦の先発メンバー

まずは先発メンバーを見ると、いつものように先発メンバーが入れ替わっています。CBのウェズレイ選手に変わってイヨハ選手、左SBは出場停止明けの菅沼選手が復活。トップ下は先週引退セレモニーをした酒本憲幸選手。そして右のWGが三宅選手に代わり五領選手と4選手も入れ替わりました。三宅選手は先発でないのかと思ったら、なんとベンチメンバーにも入っていないではないですか。先週、今季限りでの契約終了が発表されたばかりの三宅選手ですが、最近は完全に攻撃の中心となっていただけに、ベンチからも外されたのは疑問です(怪我だったのかもしれませんが)。

前半5分の失点前のシーン

それではいつものように得失点シーンを中心に振り返ってみましょう。
またもや開始早々の前半5分に失点します。この失点はシュートの前のプレーが素晴らしかったですね。

左サイドから攻める富山でしたが、鹿児島陣内に入ったところで、富山の高橋選手が逆サイドに展開(上図黄色点線矢印)。このサイドチェンジのパスがこの得点のキープレーだったと思います。そこにいた音泉選手がPA内で菅沼選手と1対1になり抜き切らないでシュート性のセンタリングを相手に合わされて失点。

この逆サイドへの展開のパスで広いスペースのあるPA内で1対1ですから、鹿児島にとっては厳しい状況です。ドリブルの得意な音泉選手がPA内で1対1になった時点で勝負ありでしたね。音泉選手はファーストタッチで左にトラップして逆を取り、そこからさらに切り替えしてゴールライン方向にボールを運び、しかも途中で一度止まるフェイクを入れて、菅沼選手の動きを止めてからのシュート性のセンタリングから中に飛び込んできた椎名選手にあたった感じなので、これはさすがの大西選手も防げないですよね。

酒本選手のさすがのヒールパスからフォゲッチ選手のセンタリングからの得点

鹿児島が追いつくのは後半4分です。ここは酒本選手のクリエイティブなプレーが見られましたね。ヒールパスで相手の股を抜き(多分狙ってはいないと思いますが)、それをフォゲッチ選手が柔らかくセンタリングをして、それを相手DFの死角から飛び込んできた米澤選手が今季9得点目を決めました。今年限りで引退する酒本選手ですが、この創造性あふれるプレーが見られないのは本当に残念です。

その後は、どちらもチャンスがありながらも決めきれなかったのですが、富山には後半80分と87分に決定的なチャンスがありました。ただどちらも大西選手が(いつもの)ビッグセーブを見せてくれました。

中原選手は優先して後ろのスペースを埋める必要がありました

後半80分のピンチはカウンター局面で、4対5の数的不利な状況でした。このときは相手FWの大野選手に完全に裏に抜けられたのですが、大西選手がビッグセーブで難を逃れました。このときは中原選手のポジションが本当はもう少し後ろの黄色い線内に戻る必要がありました。そうすれば少なくとも裏を取られてGKと1対1になることはなかったでしょう。

センタリングからフリーでシュートされて絶体絶命のピンチ

後半43分のピンチはなぜ大西選手が素晴らしいのか説明させていただきます。このときもカウンターでゴール前で2対3の数的不利な状態です。このときの大西選手のポジショニングも適切です。ボールを持つマテウス選手にシュート打たれても止められた可能性が高いと思います。そこでマテウス選手はシュートではなく、走り込んできた味方にパスをします。普通これでは決められてもおかしくないのですが、大西選手が素早くポゼッションを修正して、またもやビッグセーブでチームを敗戦の危機から救いました。

準備万端の大西選手

このとき大西選手が止まってシュートを待ち受けている状態なのが重要なポイントです。GKはシュートを打たれる瞬間に止まっていなければ、シュートに反応することができません。ただこのようにボールを左右に振られると、GKの動きが間に合わないことも多いですし、正しいポジションを取れないことも多いです。でもこのときも素早く移動し、シュートを打たれるときには準備ができていて、ポジションも的確です。見事にシュートを止めることができました。

鹿児島のようにポゼッションしながら、高いラインをとりつつ、相手を押し込む戦術だとボールを奪われてカウンターされる場面も多く見られます。ですので1試合の中で、GKが1対1になる場面が数回出てきます。それを止めるか決められるかで勝負は大きく別れます。

1対1の引き分けでしたが、正直引き分けで良かったと思える試合でした。前回も指摘しましたが、試合結果以上に成長が見られないのが残念でした。

シーズン途中から指揮をとった上野監督の退任も発表されました。攻撃の中心だった三宅選手は契約終了がアナウンスされ、得点源の米澤選手も試合後のインタビューで移籍を匂わせていました。そして酒本選手の引退。来年の鹿児島の攻撃陣はどうなるのか心配しかありません。J2からJ3 へ転落したことにより分配金が減り、チーム事情が厳しいことは予想されますが、来年に向けて明るい話題が欲しいところです。

1年間お付き合いいただき、ありがとうございました。できればシーズン総括した記事をアップしたいと思いますが、とりあえずは鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドFCサポーターの皆さん、お疲れ様でした。ありがとうございました。

それではまた来年お会いしましょう。
「チェストー!鹿児島ユナイテッド!」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?