目の前の高い壁 第23節 山口対鹿児島
鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん
こんにちは仙太郎です。
前節、浅野監督就任以来の敗戦となった鹿児島ユナイテッドFC。
アウェイ連戦となった山口戦を振り返ります。
前節からのスターティングメンバー変更は1人だけで、左サイドの福田選手に代わり田中選手が入ります。福田選手はベンチにも入っていなかったので、心配ですね。
鹿児島ユナイテッドFC
試合開始直後から山口のロングボールを蹴る戦術に鹿児島は苦戦します。
鹿児島は前からプレスを掛けに行きますが、山口はロングボールを蹴るのであまり効果がなく、山口の選手は迷いなく前に押し上げるので、鹿児島がクリアしてもボールを拾われることが多く苦しい場面が続きます。
この日、左サイドには福田選手がいなくて、田中渉選手が先発しました。
ただ彼の場合、福田選手とは違い外に張らずに、中に入ることが多くなります。
これに関しては浅野監督がインタビューで、田中選手を中に入れて、外にスペースを作り、そこに外山選手が走り込んでくることを想定していたと述べています。
ただ鹿児島も山口同様、ロングボールを蹴ることが多く、そうすると外山選手が前に走り高いポジションを取るための時間がないので、左サイドの攻撃が機能不全に陥ります。
この戦術はロングボールとは相性がよくないので、ロングボールを蹴るならMFをもう少し高い位置に置き、山口のクリアボールを奪って攻撃したかったところです。そこで山口陣内に押し込んでから、外山選手が上がってくる方がよかったと思います。
藤村選手も低い位置からつなぐのか、ロングボール蹴るのか中途半端になってしまったと試合後に述べていました。
ただ前半の飲水タイム明けは、MFの押し上げができた時間帯もあり、鹿児島は少し押し込めていました。
サイドチェンジから山口のプレス回避もできていて、これを後半も続けてやりたかったのですが、後半は再び山口のペースになりました。
鹿児島の戦術的課題と、山口の守備が良かったので得点するのはかなり厳しい状況でした。
ゴール期待値は試合を通じてたったの0.28。山口の4分の1以下です。
シュート数は5本対17本。
これでは試合に勝つことはできません。
ただ浅野監督就任以来、守備は改善されてよかったので引き分けの可能性はありました。
新保選手がボールを持った時以外は、崩される場面は少なかったです。
引き分けまで、あと10分の所まで来たのですが、前節に続いてミスから失点でした。
試合終盤のロングボール蹴り込みも、もう少し前にボール運んで、サイドから角度付けて放り込まないと、相手のCBは対応が容易なので、危険な場面を作るのは難しくなります。
それにロングボール入れるなら河辺選手を途中交代で入れる理由が不明です。
レノファ山口FC
ロングボール中心の攻撃を選手達は迷いなく実行していきます。
これが上位にいるクラブの強さですよね。
結果が出ているので、選手達が確信を持って戦術の実行ができます。
ロングボールの後のクリアボールに対しても押し上げが早く、拾われることが多かったです。
そしてそれが鹿児島ボールになっても即プレス掛けてを奪還するか、ミスを誘います
ロングボール中心の攻撃なのですが、3人は後に残してリスク管理しているところもよく考えられています。
守備強度が高いので、鹿児島がゴール前にボールを運べても、そこからの崩しはできず、それが低いゴール期待値に表れていると思います。
そしてこの日も、新保選手のクオリティがとても高かったですね。
1人だけクオリティが違いクリエイティブなプレーを何度も見せてくれます。
上手いだけでなく、速いしプレーの判断も的確で、守備もうまく、ファウルなしでボールを奪う。
J2レベルの選手ではありません。
また鹿児島の最後のロングボール攻撃でも、後に下がりっぱなしではなく、押し上げて守備強度を高く、マイボールにしてファウルもらっていて時間を稼いでいました。これは鹿児島に取っては本当に嫌でしたね。
山口の守備がよかったので、GK関選手はほとんど仕事らしい仕事がありませんでした。
総 評
鹿児島は山口のロングボール戦術に対応できませんでした。
前からプレス掛けて、前後が間延びして山口にスペースを与えて、後ろ向きでのプレーを強いられていました。
山口はロングボールを蹴ってくることがわかっているわけですから、ミドルプレスにした方が前後の距離が短くて、クリアボールを拾いやすいですし、山口ボールになっても即プレスを掛けられて、対応できたと思います。
決勝点の場面ですが、野嶽選手がヘディングでのクリアミスから失点します。最初のスライディングではシュートを止められたのですが、こぼれ球がちょうど相手選手の所に転がり、ゴールを決められます。
これもゴールに戻りながらのヘディングなので対応が難しかったので、前からプレスに行くのではなく、ある程度下がった方が対応が容易になります。
それに野嶽選手は元々MFの選手なので、ヘディングは得意ではありません。であれば3バックにして、彼の守備負担を軽くすることを考えてもいいと思います。ボールを持った時のクオリティに間違いはないわけですから。
彼が守備を頑張っているのは認めますが、一度のミスで失点するのもプロの怖さ。であれば彼の守備負担を軽減するのもひとつの方法だと思います。
浅野監督就任以来、守備は改善されてきています。
この日も勝てないまでも、引き分けは可能な時間帯まで失点しませんでした。あとはどう一点を取るか。サッカーの場合、攻撃と守備は密接に関連しています。この日は守備戦術が山口にはまらなかったことで、攻撃も上手くいかなかったと思います。
次は残留争いをしている群馬との負けられない戦いです。
どう修正してくるか、期待したいと思います。
We are challengers!
「チェストー!鹿児島ユナイテッド!」