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人種差別抗議運動「Black Lives Matter」に関する一考察

アメリカのミネソタ州ミネアポリスで、2020年5月25日に起きた白人警官による黒人男性ジョージ・フロイドさんの死亡事故。これに端を発したデモは、全米のみならず世界中に広がっています。

その結果、様々な事態が起こっています。まず最初におことわりしておきますが、この事件の黒人男性が偽札使用の容疑者であったとしても、警官の行為が行き過ぎであったことは明白です。

世界中で起こっている抗議デモを否定するつもりはなく、一部の偶像破壊行為や言葉狩り、自主規制について考察したいと思います。下記に列挙してみます。

・イギリス南西部のブリストルで、17世紀の奴隷商人の銅像が海に投げ込まれた。

・アメリカ各地で、クリストファー・コロンブスの銅像が相次いで破壊された。

・米上院軍事委員会は、19世紀の南北戦争で奴隷制度維持を主張した南軍の将官の名を冠した米軍基地について、3年以内の名称変更を義務付ける修正案を賛成多数で可決した。

・海兵隊は「黒人抑圧の象徴」と批判される南軍旗の使用を禁止。

・マッカーシー陸軍長官は基地の名称変更を検討する用意があると発言。 

・人気番組『全米警察24時 コップス』が警官の野蛮さを理由に、また映画『風と共に去りぬ』は人種差別的ということから配信が停止された。

・世界中で2千万人を超えるプレイヤーとファンを持つトレーディングカードゲーム「マジック・ザ・ギャザリング」で7枚の人種差別的カードが禁止された。

・日本では、NHKが、国際ニュース番組「これでわかった!世界のいま」の「白人と黒人の格差」を解説する動画に、表現が不適切だと批判が集まり、この動画を削除し、謝罪した。

全く無意味とは言いませんが、ここまで来ると、いささか行き過ぎの感がありますね。民間企業やメディアは風評被害を怖れて過度な自主規制をするのでしょうが。

過去の偶像、歴史の象徴をいくら削除抹消しても、人々の意識のなかの潜在意識に差別感情がある限り、差別は無くならないでしょう。特に今回のコロナのような非常事態時に、ストレスがかかっている状態では、元々潜在意識にあった感情が噴出しやすいと思われます。

人々の潜在意識に訴えるには、削除抹消や、映画の配信を止めるのではなく、例えば、メディアは差別問題を扱った関連映画を無料で、世界中に配信するというのはいかがでしょうか。議員、警察、軍関係者はそれをサポートする。トランプ大統領が指示すれば株が上がりますよ。

筆頭は、1977年制作のアメリカのテレビドラマ『ルーツ』(Roots)。アレックス・ヘイリー原作で、日本でも放映されました。アメリカ国家の歴史上、最も暗い側面のひとつである黒人奴隷の問題を真っ正面から描き、大反響を巻き起こした。

1975年公開『マンディンゴ』 。奴隷牧場を運営する一家の栄光と没落を描いた大作映画。奴隷制度をめぐって1861年南北戦争が起きる約20年前の話である。

1988年公開『ミシシッピー・バーニング』。 公民権法制定前の1964年。ミシシッピ州フィラデルフィアで3人の公民権活動家が行方不明となる。FBI捜査官が捜査に行くが…。

1992年公開『マルコムX』。 1960年代の黒人解放運動の指導者、革命家として余りにも有名な男の生涯を描いたドラマ。マルコムを演じるのはデンゼル・ワシントン。

2013年公開『フルートベール駅で』。サンフランシスコの地下鉄、フルートベール駅。2009年の元旦、何の罪もない22歳の黒人青年が、白人警官たちにより拘束された末、射殺されるという悲劇的事件が発生。

2017年公開『デトロイト』。 1967年、夏のミシガン州デトロイト。権力や社会に対する黒人たちの不満が噴出し、アメリカ史上最大級の暴動が発生。

実現すればアメリカが変わると思いますが。






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