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堀江貴文『多動力』【要約】

「多動力」とは何か

「多動力」とは、いくつもの異なることを同時にこなす力のことを言う。
しかし、「多動力」がある人は、次から次に、興味が移り変わり、全くもって落ち着きがない。かつては「多動力」を仕事に活かせる場面は少なく、おかしな人だと思われるようなマイナスの能力でしかなかった。
しかし、これからの時代は、最も必要な能力になったと言える。

時代は大きく変わろうと言うのに、日本人は「石の上にも三年」に代表されるような「一つのことをコツコツとやる」と言う価値観からまだ脱せられていない。そんな国民性の日本人が「多動力」を身につけるためには、ある種の洗脳を解かなければいけない。

今すぐ自分にかかった洗脳を解く

一つの仕事をコツコツとやる時代は終わった

日本人は、修行や下積み、球拾いなど、苦しいことを我慢して行う美学が相変わらず好きだ。「石の上で3年我慢できたら次の仕事を教えてやる」などと言う親方のもとで働いていては貴重な時間が失われるだけだ。
これからは、「オープンイノベーション」の波が来る。そこでは、とにかくチャレンジしようという行動力とアイデアを進化させる力が求められる。

・誰かがすでに発見した技術やノウハウを生み出そうとしていないか?
・あなたにしかできない革新的な仕事をやれているか?
・下積みや修行をやっている人は早く独立しよう
・とにかくはじめてしまえば、必要な知識やノウハウは自ずと身につく

あなたの価値を1万倍にする方法

あなたの代わりがいる限り、あなたの値段は変わらない。
複数の肩書きを掛け算し、レアな存在になろう。
あらゆる産業の”タテの壁”が溶けた今、一つの肩書きに拘ってはいけない。

一つのことに1万時間取り組めば、誰でも「100人に1人」の人材になれる。
1万時間と言うのは、1日6時間やったと考えて5年だ。5年間一つの仕事に集中して取り組めば、その分野に長けた人材になれる。ここで軸足を変えて、別の分野に1万時間取り組むとどうなるか?「100人に1人」×「100人に1人」で「1万人に1人」の人材になれる。これだけでも貴重な人材だ。

肩書きを掛け算することによって、レアな存在になり、結果的に価値が上がる。仕事を掛け算するとき、似通ったワラジよりも、遠く離れたワラジを掛け合わせた方が、その希少性は高まる。

・あなたの肩書きを紙に書き出してみよう
・三つ以上ない人は反省しよう
・反省(2秒)したら欲しい肩書きを書いてみよう
・その肩書きを手に入れるにはどうしたらいいか計画を立てよう

洗脳を解け

「全部自分でやらなければならない」と言う思い込みをしていては、多くの仕事を手がけることはできない。自分が最も力を発揮できる仕事だけをやろう。
時間をかければクオリティが上がる、真心を込めれば人に伝わると言うのは、妄想に過ぎない。何百もの仕事を同時にこなすためには、「自分でやらないこと」を決めるのが大切だ。自分にしかできない仕事以外は、他人に任せよう。

・抱えているタスクを書きだそう
・そのうち、人に頼める仕事は赤ペンで消そう
・残ったのが「やるべき仕事」だ
・消したタスクをやらない方法を考えよう
・何も残っていなかった場合、自分にしかできない仕事はないか考えよう

「全ての仕事で100点を取らなければいけない」と追い込まれてしまっては、すぐに息切れするし、大量のアウトプットをすることはできない。たまに”手抜き”をすることで、膨大な仕事を継続してすることができる。
たまに手抜き仕事をしたって、誰も気付きやしない。全てに全力投球もいいが、それで力尽きてしまっては元も子もない。

「今日は時間がないし疲れているから、子どものお弁当は冷凍食品を適当にレンジでチンしよう」と割り切れると人生は一気に好転する。反対に、弁当は手作りでなければならないと思い込んでしまったら、負のスパイラルにハマってしまう。毎朝早起きをすることにストレスを感じ、子供や家族に八つ当たりして、家庭内の空気が悪くなってしまえば本末転倒だ。

もちろん毎回手抜きをしていたら、手を抜いていることを気づかれる。重要なのは、たまに手を抜くことだ。緩急を使いこなすことが仕事の本質だ。
「完璧主義者」は、何度もやり直し、一つの仕事にアリ地獄のようにハマってしまう。目指すべきは完璧ではなく完了だ。

・仕事のうち2割は手を抜いてみよう
・浮いた時間で新しいことを始めよう
・ワクワクすることなら仕事でも合コンでもなんでもいい
・一度手をつけたら、「完了」させることを心がけよう

準備の時間は無駄

すぐにはじめて、走りながら考えよう。
うまくいかなかったらどうするのか?などと言う心配をしていたら、計画が実を結ぶことは永遠にない。
絶対に完璧なものを作ろうと5年準備に費やして第1回のフェスを迎えるよりも、見切り発車でも、不完全でもいいからとりあえずやってしまって、5年間トライ&エラーを繰り返したフェスの方がクオリティも高く、お客さんも集まるだろう。準備が足りないと足踏みしていたらいつまでたっても満足のいくものはできない。やりたいと思ったら、今すぐやってみよう。

・明日から1ヶ月会社が休みになったら何をしたいか?
・今日からそれを実行しよう
・ハマり過ぎて周りに迷惑をかけても構わない
・もしクビになったら、ハマっていることを仕事にしよう

一度深くまでハマり、あっさりと次へと移る。これからの時代は、そうやって80点取れるものをいくつも持っている人が強い。

自分の時間を取り戻す

人生の中で「ワクワクしない」時間を減らしていこう。
そのためには、「やらないこと」を決めることが重要だ。

1日の持ち時間は、誰でも同じ24時間。
にもかかわらず、行動量が人によって様々なのは、自分がワクワク、ゾクゾクしないことは、全て他人に任せてしまえているかどうかだ。

他人の目を気にし過ぎて、「自分の時間」を生きていない人が多い。限りある人生、「自分の時間」を無駄に譲り渡すようなことをしてはいけない。
1日24時間を楽しみ切るためには、自分が今「自分の時間」を生きているのか「他人の時間」を生きているのか、ということに敏感にならないといけない。

・1日24時間を事細かに書き出してみよう。
・その中でワクワクしないことは赤で潰そう。
・消したタスクをやらない方法を考えよう
・何も残っていなかった場合、自分にしかできない仕事はないか考えよう
・24時間をワクワクだけで埋め尽くそう

電話をかけてくる人間とは仕事をするな

電話というのは、一方的に他人の時間を奪うものだ。そういう前時代のツールを使い続けているような人とは、付き合わない方がいい。
スケジュールの調整やちょっとした打ち合わせや連絡なんて、面と向かって同期通信でやる必要はない。メールやライン、メッセンジャーで十分だ。
前時代の感覚に囚われている人は、コミュニケーションというのはお互いに同時間に行う同期通信でなければ意図が伝わらないと盲信している。そういう人間が人の電話を勝手に鳴らし、人の仕事の邪魔をするのだ。

・着信履歴を確認しよう
・それが「あなたの時間」を奪った犯人だ
・着信履歴を確認しよう
・それはあなたに時間を奪われた「被害者リスト」だ

あまたは、他人の時間を奪うことに敏感だろうか?
「時は金なり」というように、人の時間を使うならば、きっちりと対価を払うべきだ。しかし、世の中には、なんの悪気もなく平気で他人の時間を奪う人がいる。そういう「危険人物」と付き合うと、無駄に時間を奪われた挙句、不愉快な思いをすることになる。
誰とでも無難に付き合い、心にもないお世辞を言ったり、愛想を振りまいているうちに人生なんて終わってしまう。自分がやりたいことを次から次に実現したいならば「自分の時間」を奪う人間とは付き合ってはいけない。

仕事を選ぶ勇気

「仕事を選ぶ」ということをネガティブに捉える人がいる。しかし、嫌な仕事、気が乗らない仕事は断らなければ、「仕事」に振り回されて「自分の時間」がなくなってしまう。「嫌だと思ったらやめればいい」と割り切った方が自分の人生を生きることができる。

・受けない仕事リストを作ろう
・ピンとこない仕事、辞めたい仕事はリストに入れよう
・そのリストは人生の羅針盤だ

現代人は「無駄な時間」を我慢できない

時間の流れは確実に速くなっている。5年前の時間軸で生きていたら、時代に取り残されるだろう。スマホがあらゆる隙間時間を埋めるようになったことで、昔は2時間の空き時間をヒマだと言っていたが、今では、2分の空き時間にも耐えられない。

・あなたが生み出しているサービスは「人の時間」をどれだけ奪うだろうか
・その時間を出来るだけ短くできないか考えよう

スマホでできるのに電話を使い、家でできるのに通勤する。あなたが忙しいのは、仕事が多いからではない。無意味な時間を無くさなければ、多動力は発揮できない。昨日の仕事を思い浮かべてみて、スマホでできなかった仕事はあるだろうか?できなかったというのは思い込みではないだろうか?自分を実験台にして、全ての仕事をスマホでやってみよう。

仕事ができない人、仕事がやたらと遅い人は、入り口の段階で仕事の仕分け作業ができていないことが多い。優先順位をつけず、手近にあるどうでもいいことからはじめてしまうから、大事な案件とどうでもいい案件が玉石混交になってカオスに陥ってしまうのだ。

・一度、目の前の仕事をする手を止めてみよう
・その仕事を半分の時間で終わらせるための「一工夫」を考えよう
・気合や根性より「一工夫」の方が重要だ
・どんな過酷な状況であれ、与えられた条件の中で最大限の効率化を図ろう

仕事の質は睡眠で決まる

「よく寝る」は基本
よく寝てこそ超人的なスケジュールをこなすことができる

どんなに多くのプロジェクトを抱えていようと、睡眠時間は削るべきではない。改めるべきは仕事のやり方であり、生産性だ。人間、死んだらおしまいだから、いつまでも飛び回れる健康は維持しなければならない。

健康の最大の秘訣は「睡眠」だが、もう一つは「ストレスのない生活」である。そのためには、「やりたくないこと」はやらない、「付き合いたくない人」とは付き合わないことが鉄則だ。

多動力は失われていく

一歩踏み出したせいでみっともない失敗をしたとしても、そんなことは三日も経てば誰も覚えていない。恥をかく勇気、失敗する勇気さえもてば、どんどん免疫ができてリスクを取ることを恐れなくなる。勇気を持つことが何よりも重要だ。

未知なるもの、新しいことに興味がなくなると、老いが始まる。今学びたいと思う意思さえあれば、すぐに身につけることができるのだ。つまり、今の時代に生きる私たちは、マインド次第でいくらでも若返ることができる。新しいことに興味がなくなれば20代でも老人だし、新しい刺激を求め続ける限り60代でも若者だ。

今、手元に資格や資産がある人は、それを活かそうと思うことで足枷になってしまうことがある。手持ちのカードを捨て、「やりたいこと」に最短距離で行こう。

・昨日と同じ1日を過ごしていないか?
・毎日、目をキラキラさせて、新しいことにワクワクしているか?
・毎日発見をし、興味のあることで頭がいっぱいになる生き方をしているか

人生に目的なんてない

人はすぐ目的を知りたがるが、答えは1つしかない。
「面白いから」だ。ただ、「面白いから」「楽しいから」行動している。

何か具体的な目的のための手段として人生を送ってはいけない。
好きなことだけやっていると、手元に何かが残っている。

子供はいつだって、目的なんて考えない。
楽しいから遊ぶ、美味しいから食べる、寝たいから寝る。
常識や周りの目など気にすることなく生きているから、驚くほど成長が早いのだ。今生きている時間、この瞬間を楽しまず、ただ歯を食いしばって努力したところで、思うような成果は得られない。

「多動力」は大量の仕事をこなすための技術ではない。
命が果てるまで、1秒残らず人生を楽しみ切るための生き方である。

多動力を手にとって、人生の楽しみ方を身につける

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