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腎臓はいたわるべきだ

最近になって、ときどき週刊誌でも特集されるようになったけど
腎臓に配慮した食生活なんて、ほとんど意識していない人が大半だろう。
そんなこと、呼びかけられた覚えもないし。

リンとカリウム。

これが腎臓にはよくない。でも、そんなものの含有量なんて考えながら、食材を選んだことなんてない。

ただね。あまりにも端的なとらえ方だけど「老衰で死ぬ」って、心不全みたいに、腎臓が機能しなくなって死ぬということでもある。
実際、コロナか悪性インフルの後は、腎臓的に支障が体感できるようになってしまった。

リンは身体に不可欠なミネラルだけど、腎から排泄されるため、腎機能が低下すると過剰摂取の状態になってしまい、動脈硬化で、骨折れやすく、かゆみ、だるさなどを導引する。
一方、カリウムも細胞の浸透圧を維持している他、酸・塩基平衡の維持、神経刺激の伝達、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節などの働きをして大事な栄養素のひとつ。つまり、腎臓が正常なら、カリウムを摂り、体内でナトリウムとのバランスを保つと、むくみの解消に効果が期待できるんだけど、腎機能が低下してくると尿で捨てられるカリウムの量が減って、血液中のカリウム値が高くなり、不整脈が出現して最悪心臓が止まると。

生半ではない。

リンはタンパク質とともにあるので、タンパク質を取ること自体がリスクといえなくもない。しかも食材によって含有量に大きな差がある。

魚介でいえば、イカ、しらす干し、ししゃも、わかさぎ、干しエビ、ウナギ、ドジョウ。肉類でいえば、豚レバー、牛レバー、鶏レバー。乳製品だと、スキム・ミルク、プロセスチーズ、ヨーグルト。卵・魚卵だと、卵黄、ウズラの卵、スジコ、タラコ。豆類…きな粉、納豆、アーモンド、カシューナッツ、落花生 など。

リンには有機リンと無機リンとがあって、無機リンは、腸管からの吸収率が高く、高リン血症に大きく関与、無機リンの方がさらに身体に悪いと考えた方がいい。そして、食品添加物は、無機リンの宝庫なので、ハム、ベーコンなどの加工肉、インスタント麺、レトルト食品、量産の加工食品の大半がダメと。

この時点で「じゃあ、何なら食えるの?」といった状態。

で、カリウム。

野菜だけでなく、海藻にも豊富に含まれるし、果物にも。

野菜で含有量が多いのが、ほうれん草、ブロッコリー、かぼちゃ、芋類で、里芋、ジャガイモ、サツマイモ。海藻類だと、ひじき、昆布、あおさなど。
果物だと、干しあんず、ドライマンゴー、ドライいちじく、干し柿、アボガド、バナナなど。

(バナナは1本で1日分だったかな。パイン、キウイもけっこうくる)

魚類では紅しゃけ、かつお、鯛。鶏でいえば、ささみとか。

これで、スーパー・コンビニで買うことができる口に入るものの、ほとんどがダメ、と。

ただし、水溶性のミネラルであるカリウムは、「茹でこぼす」「水にさらす」ことでカリウムを減らすことができる。でも、リンには、この方法は通用しない(少しは減らせるんだけど)。

つまりね。僕は還暦過ぎるまで、腎臓を痛めつけてたんだなと。
まずはそんなことを思った。

若い頃から脳出血で倒れる49歳まで、外食大会だったし、ラーメンに牛丼な生活だった。忙しくなればデリバリーだし。食品添加物など気にもせず、
イカをリンで避けるとか、カリウムで栗を避けるとか

そんなこと、考えてみたこともなかった。

ビタミンなど「サプリメントで足せば」という情報は溢れてるけれど、腎臓にダメージを与える食品についてのインフォメーションなど耳にしたこともなかったし。

小児結核(のちに、当時、東京の下町に蔓延していた「煤塵」由来のものと判明)の罹患から、オーバー・ドーズで、腎臓が弱いということは聞いていたんだけれど、お医者さんからも具体的に指示があったわけでもなく、自営しかやったことがないので、健康診断もサボりがち。脳出血での入院だったので、その病院でも「腎臓」についてのインフォメーションはなかったし、病院食でもリンやカリウムに配慮があったとは思えなかった。

すべては自分で自覚してから。遅きに失したわけだ。

「肝腎要」とはいうけれど、まさにその通り。
僕は腎臓が弱っていたから、早く自覚症状が出たけれど、冒頭の「老衰」のところで紹介したとおり、誰の身にも起こっていること。「紅麹」みたいなことは起こらなくとも、真綿で首を絞めるように影響は出ているはず。

軽く見ない方がいいことだけは事実だと思う。
今はネット上に情報を検索できるから、気を付けておいた方がいいと思う。
今が健康なら「食べる/食べない」の二択ではなく「減らす」で充分なはずだから。