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迷える子羊

2015年の6月10日に放送されたNHK-BSの番組「アナザーストーリーズ 運命の分岐点」は「ビートルズ旋風 初来日 熱狂の103時間」。つまり1966年のビートルズ来日コンサートにまつわる物語。

(最近も、再放送されていたかな)

彼らを呼んだプロモーター氏の秘書さんや警視庁の(当時の)警備担当のトップの方へのインタビューなどで構成された番組。印象に残ったのは警備担当者の「警備哲学」みたいなものでした。

一言で言えば「親心」。かわいい国民に万が一の事故があってはならない。ビートルズをホテルに缶詰にしたのもビートルズに危険が及ぶからではなく、息子や娘たる国民を傷つけてはならないから…そして、自分のやっていることは間違えていないという、きわめて主観的・無査証な信念…娘の羽をもぎ取って深窓の令嬢に仕立てる出来の悪い父親のような。

そして、インタビューを受ける彼の新年は、2015年に至るも、いささかの揺るぎもない。…そんな感じ。

たぶん、日本人をオールアマチュアな子どものまま歳をとらせてしまったのは、こういう「官」つまりお役人の考え方によるのだろう。

(国民の家畜化を目論む人には都合がよかったのかもしれないけれど)

そして、今や、その「官」までもがアマチュアの巣。出来の悪い父親さえいなくなった、つまり「こどもの国」。そこに震災や原発事故、台風被害などという未曾有の問題が次々に起こり、急速な少子高齢化の時代が横たわる…コロナ禍があり、戦争があり、だから、アベノミクスの後遺症は牙を剥きはじめている。

やっぱり、そう長くは保たないだろう。
しつこいようだが、準備できる人はそれまでに準備…それしかないと思う。

不時着に備えよ。たいして時間はない。

とはいえ、ビートルズ来日の頃から半世紀以上、国民の大半は「迷える子羊」だ。自主的に「備えられる人」の方が圧倒的に少数だろう。

予想は悲観的にしておいた方がいいと思っている。