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映画やドラマ 少し音楽

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素敵な作品たちと出会ってきた。そんな作品たちとの問わず語り。
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#テレビドラマ感想文

センセイの鞄

下に写真は、WOWOWで製作され、2003年の2月(もう20年前か)、フジテレビのスペシャル枠で放送されたTVドラマ「センセイの鞄」DVDのジャケット。 川上弘美さんの原作も人気作ですし、漫画にも、舞台にもなっているようでだけど、僕は、このドラマ版が一番好き。久世光彦さんらしい演出、筒井ともみさんらしい脚本。オーケストラのような重厚に過ぎる感じのない、カルテットな感じで奏でられた名作だと思っている。 それにしても、まさに、この物語こそが、小料理屋か居酒屋的店舗の妙というの

言うなかれ 君よ 別れを

久世光彦さんがお亡くなりになったのは2006年だったろうか。前日に、ある俳優夫妻とお食事をされ、とてもご機嫌でお帰りになった、その翌朝の急死だったと記憶している。 1961年生まれの僕は、「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」「悪魔のようなあいつ」「ムー一族」「刑事ヨロシク」…僕らの世代は、小、中、高校と、ずっと久世さんの演出されたドラマを楽しみに育ってきた。 でも、個人的に言えば、平成に入ってから(ということは、こちらも相応に歳をとってからの)、新春あるいは終戦スペシャルという

「北の国から ’87 初恋」

1987年といえば、すでにバブルの絶頂期といってもいい頃だったと思う。フジテレビで「北の国から」のスペシャル版「’87 初恋」が放送されたのはそんな時代だった。 あくまでも消費力があるヤツが強く、全ての風は東京から吹いてくるといった時代。農業には今よりさらに展望がなく、エコもオーガニックも田舎暮らしのプレミアもない時代…今にしてみれば先駆的な五郎さんの暮らしぶりも当時は、ひたすらカッコ悪く、ただただ変わり者なウキっぷりだったし、東京への進学を希望した純くんの願いは(れいちゃ